世界初、ガラスビーズで透光性のある3Dプリンター造形品を実現

2020 年 2 月 4 日
日本電気硝子株式会社


世界初(※1)、ガラスビーズで透光性のある3Dプリンター造形品を実現

日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:松本元春)は、3Dプリンター使用材料として、造
形品の透光性を調整できるガラスビーズの開発に成功しました。


3D プリンターは、型を用いることなくデジタルデータから複雑な 3 次元形状を作り出せます。特にレー
ザー光を用いて光硬化性樹脂を硬化させる光造形方式は、他の方式(粉末造形、熱溶解造形(※2)など)に比
べ寸法精度が高く、自動車部品、電気・電子部品の試作、宝飾や医療など多くの分野で利用されています。
従来、造形品の耐熱性や強度向上が求められる場合、樹脂中へガラスやセラミックビーズが添加されていま
した。しかしながら、これらの添加材では耐熱性や強度は向上できますが、樹脂との屈折率の整合について
は考慮されていないため、屈折率差で光が散乱し、透光性を有する造形品へのニーズには応えることができ
ませんでした。


この度、当社は長年培った光学ガラスの材料設計、ビーズ作製技術を駆使し、3D プリンターに用いる樹
脂と屈折率を整合させた微小ガラスビーズの開発に成功しました。このガラスビーズを用いることで耐熱性
や強度を向上させつつ、造形品に透光性を付与することが可能となりました。耐熱性と強度に加え、透光性
を持った3D造形品は世界初となります。


<本製品の特長>

・透光性付与が可能 ・・・・・ 樹脂と屈折率を整合させることで透光性を実現できる。また他の添加剤と
の配分比率を変えることで透光性の度合いを調整できる。
・耐熱性・強度を向上 ・・・ ガラス材料のため、耐熱性および強度を高めることができる。
・樹脂への均一分散 ・・・・・ ガラスビーズの粒度を最適化することで、樹脂中に均一に分散できる。


応用例の一つとして、仮歯用材料があります。従来の屈折率が整合していないガラスビーズを添加して造
られた仮歯は、透光性がなく、不自然な外観となります。一方、屈折率を整合させた本ガラスビーズを添加
したものは、耐熱性や強度に加え、実際の歯に近い透光性、審美性を有する仮歯の造形が可能となります。


当社は、2020 年 1 月より一部で販売を開始しており、お客様のニーズに合ったガラスビーズを提供する
ことで、3Dプリンター技術の進展、市場成長に貢献してまいります。

(※1)耐熱性、強度、透光性を兼ね備えた 3D 造形品として。2020 年 2 月現在、当社調べ。
(※2)粉末造形:セラミック粉末や金属粉末にレーザーを照射することで造形する方式
熱溶解造形:高温で溶かした樹脂をノズルから出力させながら、1層ずつ積層させて造形する方式




<写真>




本製品 本製品を使用して造形した仮歯




<市販品との比較> 市販ビーズ 本ガラスビーズ 樹脂

1.60

1.58

1.56
屈折率




1.54
本ガラスビーズ添加 市販ビーズ添加

同量(30vol%)のガラスビーズを添加し、 1.52
造形した樹脂の外観比較(厚み 0.5mm)
1.50

波長(nm)
左記に使用した各材料の屈折率




日本電気硝子株式会社 〒520-8639 滋賀県大津市晴嵐二丁目 7 番 1 号
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