セラミックスの高精細造形を可能にする3Dプリンター用ペーストを開発

2019 年 11 月 21 日
日本電気硝子株式会社




セラミックスの高精細造形を可能にする3Dプリンター用ペーストを開発


日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:松本元春)は、高精細造形に適したセラミッ
クス3D プリンター用ペーストを開発し、サンプル供給を開始しました。


セラミックス材料は、その優れた強度、耐熱性、耐薬品性等により、電子部品を中心としてさまざ
まな用途に利用されています。さらに、従来の方式では困難な複雑形状の構造物を作製するため、
3Dプリンターを用いた造形法が提案され始めており、その造形材料のひとつとして、セラミック
ス材料が採用されるケースが増えつつあります。
当社では、長年培ったガラスの材料設計、粉末加工技術を駆使し、主体となるセラミックス粉末
に当社で開発した粉末ガラス等を混ぜ合わせ、セラミックスの高精細造形を実現できる3Dプリン
ター用ペーストを開発することに成功しました。通常、3Dプリンターの光造形法の材料には、造
形物を硬化させるために紫外線硬化樹脂が含まれています。今回開発した粉末ガラス等を材料に混
ぜ合わせることで、紫外線硬化樹脂の硬化幅や深度をより高精度に制御でき、より複雑で精密な造
形が可能になります。
セラミックス材料において、より高精細で複雑な造形物のニーズは今後ますます高まると予想さ
れ、国内はもとより海外においても市場の拡大が見込まれます。今後は、国内外のお客様への本製
品の紹介を進め、拡販していく予定です。


本製品は、12月4日(水)~6日(金)に開催される「第 3 回接着・接合 EXPO」
(千葉・幕張
メッセ)の日本電気硝子展示ブース(2ホール、ブース No.8-55)に出展予定です。


*本製品を用いた3D造形物の試作・検証には、㈱エスケーファイン様の協力をいただきました。


メリット
高精細造形:
セラミックス材料に粉末ガラス等を混ぜ合わせることで、紫外線硬化樹脂の紫外線による硬化幅・
深度を制御することができ、より目標デザインに近い高精細の造形物を製造することができます。
従来のペーストでは達成不可能であった 10 ミクロン単位での造形パターンまで対応でき、特に、
ラインアンドスペース(※1)が小さな造形物の製造に適しています。


(※1)パターンの幅とパターン間の間隔




比較写真
規則的に並んだ直径 200μm×高さ 50μmの円柱(エンボス加工、セラミックス材質:アルミナ)


<本製品を使用> <セラミックス材質のみを使用>




200µm 200µm




200µm 200µm



本製品を使用したもの(左側)は1つ1つの円柱が造形できているが、セラミックス材質のみ
を使用したもの(右側)は樹脂の硬化幅や深度が制御できず円柱の形がくずれている。


量産開始時期
2020 年春頃(予定)




日本電気硝子株式会社 〒520-8639 滋賀県大津市晴嵐二丁目 7 番 1 号
《リリース内容に関するお問い合せ》
総務部 広報担当 電話:077-537-1702(ダイヤルイン)
《製品に関するお問い合せ》
電子部品事業本部 営業部 電話:06-6399-2722(ダイヤルイン)


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