世界最高性能の赤外線透過ガラスを用いた赤外線用レンズを開発

2019 年 7 月 18 日
日本電気硝子株式会社




世界最高性能の赤外線透過ガラスを用いた赤外線用レンズを開発

日本電気硝子株式会社( 本社( 滋賀県大津市( 社長( 松本元春)は、新しいガラスを用いた赤外線用レンズ
の開発に成功しました。世界最高性能(*1)の赤外線透過ガラスを赤外線カメラのレンズに使用することで、鮮
明な赤外線画像を得ることができます。


赤外線は、赤外線カメラとして防犯やサーモグラフィに、また、センサとして大気汚染ガスの測定や省エ
ネのための空調制御などに使われ、近年では、自動車の夜間安全装置として暗闇での視界を映像化するナイ
トビジョンにも使用されています。赤外線カメラの需要が高まり、市場が拡大するなか、使われるレンズの
性能と量産性の両立が望まれています。
赤外線カメラのレンズには、ゲルマニウム単結晶(*2)やカルコゲナイドガラス(*3)を材料にした赤外線専用
のものが必要です。しかし、ゲルマニウム単結晶は赤外線の透過特性に優れるものの、プレス成形によるレ
ンズ作製ができないため、量産性の低さが課題となっています。この対策として、加熱プレス成形が可能な
カルコゲナイドガラスが使われはじめていますが、ゲルマニウム単結晶に比べて透過特性が劣ります。また、
従来のカルコゲナイドガラスはヒ素やセレンといった有害物質を含むものが多く、環境負荷の点で懸念があ
ります。


今般、当社が開発したガラスは、ゲルマニウム単結晶や従来のカルコゲナイドガラスよりも高い赤外線
透過性能( 波長 20μm まで透過)を有し、明るく鮮明な画像創出に貢献します。このガラスは有害物質を含
まないことはもちろん、プレス成形によるレンズ作製が可能なため量産性に優れます。さらに非球面レンズ
の作製が可能かつ屈折率が 3.4( 波長 10μm)とガラスとしては世界最高値( (*1)( であり、レンズの高性能化(
薄型化に貢献します。


本成果を 7 月 26 日に開催される( 赤外線アレイセンサフォーラム( 於( 立命館大学( 大阪いばらきキャン
パス)」にて発表します。
*1)2019 年 7 月現在( 当社調べ
(*2)元素記号 Ge、赤外線を透過する性質を持つ結晶材料
(*3)硫黄やセレン等のカルコゲンを主原料としたガラス


<( 開発品の特長とメリット( >
世界最高の赤外線透過性能 ・・・ 明るく鮮明な画像の創出
・プレス成形が可能 ・・・ 高い量産性の実現
・高い屈折率 レンズの薄型化に貢献
・高い加工性 非球面化による歪みの少ない画像の実現
・有害物質を含まないグリーンガラス ・・・ 環境負荷の低減



<製品写真>




新開発の赤外線用レンズ




<赤外線カメラでの画像比較>

(a) (b)




a)新開発ガラスのレンズ b)一般的なカルコゲナイドガラスのレンズ




日本電気硝子株式会社 〒520-8639 滋賀県大津市晴嵐二丁目 7 番 1 号
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