磁気光学ガラスを用いた世界最小の高出力ファイバレーザ用光アイソレータの開発に成功

2018 年 10 月 22 日
日本電気硝子株式会社




磁気光学ガラスを用いた世界最小の高出力ファイバレーザ用光アイソレータの開発に成功


日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:松本元春)は、磁気光学ガラスを用いた世界最小
の高出力ファイバレーザ用光アイソレータの開発に成功しました。新開発の磁気光学ガラスは従来材料
の約2倍の磁気光学性能を有することから、光アイソレータの高性能化とともに、大幅な小型化を実現
しました。

近年、様々な材料のマーキングや微細加工にファイバレーザの使用が広まってきています。これらの
レーザ機器では対象物からの反射光が光源を不安定にしたり破損させたりする恐れがあるため、戻り光
を遮断する目的で光アイソレータというデバイスが用いられます。現在主流となっている波長 1μm 帯、
1W 以上の高出力ファイバレーザに使用される光アイソレータの磁気光学材料には、テルビウム・ガリウ
ム・ガーネット(Tb3Ga5O12:TGG)単結晶が使用されています。しかし、TGG は磁気光学性能が低い
ことや、製造時の内部歪みに起因する材料選別の必要性、品質の不安定さが課題となっています。
今般、当社は、従来の TGG 単結晶に比べ約2倍という業界最高となる磁気光学性能を有するガラスを
開発し、さらに光アイソレータに用いられるすべての光学部材を自社開発しました。これにより高性能
でありながら世界最小の光アイソレータの開発に成功しました。また、ガラスは製造時に均質性の向上
や内部歪みの除去が可能であるため、安定した品質で量産にも適しています。これらのことから、光
アイソレータの品質と供給の両面において大きなメリットが期待できます。


概要
1.新開発の光アイソレータの特長
・小型化
従来品に比べ占有面積が 1/2 以下の小型化を達成、レーザ装置の設計の自由度が増す
・高性能
入射光損失は 0.1dB 以下、アイソレーションは 38dB 以上(参考値)
・高出力化対応
すべて自社開発の高性能ガラス部材の使用による高いレーザ耐性
・幅広い波長域対応
1μm 帯に限らず、紫外線~近赤外線の波長域で高い透過率と TGG を上回る磁気光学特性

2.サンプル出荷開始時期 2018 年 11 月





参考

(光アイソレータの構造図)

光アイソレータ
反射光 磁石
加工物
レーザ 入射光
入射光


反射光
ガラス ガラス
偏光子 新開発の磁気光学ガラス 偏光子




(磁気光学ガラス:磁性体のため磁石につく性質がある) (作製した光アイソレータ L51×W40×H40mm)


(小型化イメージ)
従来品の占有面積
開発品の占有面積(従来比1/2以下)


40mm


小型化
51mm




●本リリースの同時配布先:
滋賀県政記者クラブ、京都経済記者クラブ


日本電気硝子株式会社 〒520-8639 滋賀県大津市晴嵐二丁目 7 番 1 号
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