世界初、結晶化ガラスを用いた全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の室温駆動に成功

2017 年 11 月 8 日
日本電気硝子株式会社


世界初、結晶化ガラスを用いた全固体ナトリウム(Na)イオン二次電池の室温駆動に成功


日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:松本元春)は、結晶化ガラスを正極材に用い
た全固体 Na イオン二次電池を試作し、室温駆動に成功しました。結晶化ガラスを正極材に用いた
成功例としては、世界初となります。11 月 14 日から開催される第 58 回電池討論会(於:福岡国
際会議場)にて発表します。


現在、高性能二次電池の主流である、有機系電解液を用いたリチウム(Li)イオン二次電池では、異
常発熱による発火事例が報告されており、安全性の問題が指摘されています。その解決策として、
電解質に可燃物を使用しない全固体 Li イオン二次電池の研究に注力されていますが、電極と電解質
間のイオン伝導性や大気中での安定性などが課題となっており、実用化には至っていません。また、
希少金属であるリチウムを材料に用いるため、原料供給の不安定性も懸念されています。


当社は、特殊ガラスメーカーとして、優れた特性を持つ様々なガラスを開発してきました。今般、
これまで蓄積した豊富な技術の応用から、正極材に Na 系の結晶化ガラスを用いた全固体 Na イオン
二次電池を試作し、室温での駆動に成功しました。今後、従来の課題を解決する次世代の二次電池
の実現に注力してまいります。



(全固体 Na イオン二次電池の構造模式図) (作製した電池による点灯テスト)
(特長)


1.安全性
・電池材料が全て無機酸化物で構成でき、使用および製造時の発火や有毒物質発生の懸念がない。
2.電池性能
・ガラスの軟化流動性を活用して固体電解質との一体化を図り、イオン伝導性を高めたことにより、
室温での駆動が可能。
・固体電解質はイオン移動による劣化が小さく長寿命。
・シンプルな構造で、高電位系活物質の開発により、高エネルギー密度の電池作製が期待できる。
3.資源調達リスク
・資源量の豊富なナトリウムを用いており、リチウムと比較して供給の不安がなく有利。




日本電気硝子株式会社 〒520-8639 滋賀県大津市晴嵐二丁目 7 番 1 号
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