高コントラストのディスプレイカバーガラス用成膜材料 東北大学、米国ワシントン大学との共同開発に成功

2018 年 9 月 21 日
日本電気硝子株式会社




高コントラストのディスプレイカバーガラス用成膜材料
東北大学、米国ワシントン大学との共同開発に成功




日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:松本元春)は、東北大学の高村仁教授らの研
究グループと米国ワシントン大学と共同で、高コントラストな映像と高級感溢れる外観のディスプレ
イを実現するディスプレイカバーガラス用の成膜材料を開発しました。


今日、テレビやパソコン、スマートフォン、車載モニターなどには液晶ディスプレイが使用されて
いますが、バックライトからの光漏れにより暗色の表現に難があり、いかにしてコントラストの高い
映像を得られるかが課題となっています。このたび開発した材料は、可視光領域(400nm~700nm)
の波長において、高く均一な吸収を有することが特長で、液晶ディスプレイへの外光の映り込みを抑
える反射防止膜材料の一部として使用することにより、バックライトからの光漏れをも吸収し、黒色
が引き締まったシャープな映像が実現できます。また、ディスプレイカバーガラスの周囲の黒色印刷
部分(縁部分)においても、より深い黒色が表現でき、高級感溢れた外観を表現することができます。
今後は、早期量産化を目標に開発スピードを上げ、より付加価値の高いディスプレイカバーガラス
を実現し、事業化に結び付けていく考えです。




(開発の経緯)
※1
当社は、パルスレーザー堆積法 により、さまざまな酸化物薄膜の光吸収特性を詳細に調査する
過程で、とりわけ二酸化チタン-ニオブからなる混合材料(Nb x Ti 1-x O 2 )が可視光領域に亘って高く
均一な吸収を有することを発見しました。この特性が、ディスプレイの色彩表現改善に有効であると
考え、2016 年より東北大学と米国ワシントン大学と共同で材料開発を進めてまいりました。
なお、この開発技術の詳細は国際学会誌 Applied Surface Science に掲載される予定です。


(※1 パルスレーザー堆積法: ナノメートル(1mm の 1,000,000 分の 1)オーダーの厚さを持
つ薄膜を作製する方法の一つ。

通常品




開発品



通常品(AR 未コート品)と開発品(Nb x Ti 1-x O 2 使用 AR 成膜品)の比較写真




Nb x Ti 1-x O 2 膜の吸収係数のグラフ




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