体性幹細胞再生医薬品HLCM051の日本における急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を対象とする治験(ONE-BRIDGE試験)に関する論文掲載のお知らせ

2023 年8月 28 日
各 位
会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代表者名 代 表 執 行 役 社 長 CEO 鍵 本 忠 尚
( コ ー ド 番 号 : 4 59 3 東 証 グ ロ ース)



体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 の日本における急性呼吸窮迫症候群
(ARDS)を対象とする治験(ONE-BRIDGE 試験)に関する
論文掲載のお知らせ


当社は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS: Acute Respiratory Distress Syndrome)*1 を対
象疾患とした体性幹細胞再生医薬品 HLCM051* 2 の治験 (治験名称 ONE-BRIDGE 試験。

以下、本治験と言います。 を実施し、有効性並びに安全性について良好な結果を確認して

おります (注1) この度、
。 本治験結果に関する学術論文が、 査読付きジャーナル Stem Cell
Research & Therapy に掲載されましたのでお知らせいたします。

本論文は、ONE-BRIDGE 試験の治験調整医師である済生会熊本病院呼吸器内科部長の
一門和哉先生並びに NPO 法人 ICON 理事長の橋本悟先生を中心にまとめられ、全国 29
の治験実施施設のご協力により得られた結果です。 今回の査読付きジャーナルへの掲載は、
ONE-BRIDGE 試験が学術的にも一定の評価を頂いたことを意味し、今後の新薬実用化に
向け更なる前進が示されたものと考えます。

なお、HLCM051 を用いた ARDS 治験に関する承認申請に向けた今後の方向性について
は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)よりデータ補強が必要との助言を受け、追加試験
デザインを含む最終的な方向性の確定に向けての協議を進めてまいりました。 2023 年 3 月
には、データ補強に必要な臨床試験の概要について合意が得られ(注2) 現在追加試験の

実施に向け準備を進めています。

本件に関して、2023 年 12 月期業績に対し現時点で確定した影響はありません。今後開
示すべき事項が発生した場合には、速やかにお知らせ致します。

【論文】
英文タイトル:
Clinical efficacy and safety of multipotent adult progenitor cells (invimestrocel) for
acute respiratory distress syndrome (ARDS) caused by pneumonia: A randomized, open-
label, standard therapy–controlled, phase 2 multicenter study (ONE-BRIDGE)
掲載誌:Stem Cell Research & Therapy
DOI: 10.1186/s13287-023-03451-z

(注1)
「ONE-BRIDGE 試験 トップラインデータ結果(投与後 180 日)(2021 年 12 月期第 3

四半期決算説明資料 P.6)
「体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 の日本における急性呼吸窮迫症候群 (ARDS) を対象


とする治験(ONE-BRIDGE 試験)の評価項目の結果(速報)につい」 (2021 年 8 月 6 日
発表)
(注2)
「体性幹細胞再生医薬品 HLCM051 を用いた ARDS 治験に関する 今後の臨床試験の
概要について」(2023 年 3 月 2 日発表)

以上

*1 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
ARDS は、単一の疾患ではなく、基礎疾患や外傷等によって好中球等の免疫系が過剰に
誘発され、炎症を起こすことにより肺が傷害を受け肺水腫となり、その結果、重度の呼吸
不全となる症状の総称です。ARDS 診療ガイドラインによると、死亡率は 30~58%と予後
が非常に悪い病気です。日本国内での発症患者数はおよそ 28,000 人と推定しています(疫
学データの発症率と人口統計を基に当社推定) ARDS に対する治療として、
。 集中治療室で
人工呼吸器を用いた呼吸管理を中心とする全身管理が行われます。

*2 HLCM051
HLCM051 は、日本国内における体性幹細胞再生医薬品の開発パイプラインです。当社
は 2016 年1月に、米国のバイオベンチャー企業 Athersys, Inc.と、同社の開発する幹細胞製
品 MultiStem®を用いた脳梗塞急性期に対する再生医療等製品の国内での開発・販売に関す
る独占的なライセンス契約を締結し、 本パイプラインを導入いたしました。 さらに 2018 年
6月に同社との提携を拡大したことにより、日本における ARDS に対する開発・販売ライ
センスを取得し、開発を開始いたしました。

■株式会社ヘリオスについて
再生医療は、世界中の難治性疾患の罹患者に対する新たな治療法として期待されている
分野であり、製品開発・実用化へ向けた取り組みが広がり、近い将来大きな市場となるこ
iPS
とが見込まれています。ヘリオスは、 細胞(人工多能性幹細胞)等を用いた再生医薬品
開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイ
オテクノロジー企業です。2011 年に設立、2015 年に株式上場(マザーズ-現東証グロー
ス:4593)し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。独自の遺伝子編集
技術を用いて免疫拒絶のリスクを低減する次世代 iPS 細胞、ユニバーサルドナーセル
(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、がん免疫領域、眼科領域、肝疾患等において、iPS
細胞技術を用いた新たな治療薬の創出のための取り組みを進めています。iPS 細胞由来の
再生医療等製品としての第一候補である HLCN061 は、固形がんに対する殺傷能力を遺伝
子編集により強化した次世代の NK 細胞(eNK®細胞)治療薬です。また、体性幹細胞 再
生医薬品を用いて日本国内における脳梗塞急性期および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に
関する治験を実施し、申請に向け規制当局との協議を進めています。
https://www.healios.co.jp/

本件に関するお問合せ先
IR・財務経理部 ir@healios.jp





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