白髪化の抑制に高い効果がある成分を発見

News Release
2021 年 11 ⽉ 17 ⽇



⽩髪化の抑制に⾼い効果がある成分を発⾒
〜メラニン⾊素の輸送遺伝⼦の発現が向上〜


美容室向けヘア化粧品メーカーの株式会社ミルボン(本社︓東京都中央区 代表取締役社⻑・佐藤⿓⼆)は、東北
⼤学教授の福⽥光則技術顧問とともに、⽩髪化の抑制に⾼い効果がある成分を複数⾒いだしました。これらの成分はメ
ラニン⾊素の輸送遺伝⼦メラノフィリン(Slac2-a とも呼ばれる)の発現を向上させる効果があり、⽩髪化を防ぐアプローチに
なり得ると考えられます。この研究成果は 2021 年 10 ⽉ 23〜24 ⽇に開催された⽇本⾊素細胞学会学術⼤会*にて
発表を⾏い、「Best Presentation 賞」を受賞しました。


【受賞の概要】
発表学会︓第 30 回 ⽇本⾊素細胞学会学術⼤会
受賞研究名︓⽩髪化に伴うメラニン輸送系因⼦の発現変化とその対策(Changes in the expression of melanin
transport factors associated with gray hair and its prevention)
受賞者︓株式会社ミルボン 開発本部 永⾒ 恵⼦


【研究の背景】
年齢と共に増加する⽩髪は、多くの⼈の悩みの種となっています。⽩髪の初期段階(⽩髪が出現し始めて時間が経って
おらず⽩髪率が低い段階)で適切な頭⽪ケアができれば、⽩髪の増加を効果的に抑制できると考え、ミルボンでは⻑年研
究を⾏っています。その結果、⽩髪率が低い⼈に多く観察され、⽩髪の初期段階と考えられる「不完全な⽩髪(メラニン
⾊素は作られているのに⿊髪にはなれない⽩髪)」では、メラニン⾊素の輸送異常が関与していることがわかりました。
(参照︓ 加齢に伴う⽩髪化の新たなメカニズムを解明〜メラニン⾊素の輸送異常が関与〜
https://www.milbon.co.jp/files/pdf/news/2021/08/20210824114119_1.pdf)
⽩髪を予防するには、メラノサイトから⽑⺟細胞へ、正常にメラニン⾊素が受け渡されることが必要です。そこでミルボンで
は細胞培養実験を⽤いて、メラニン⾊素の輸送遺伝⼦の発現を向上させる効果成分の探索を⾏いました。


【研究の成果】
数々の成分について評価、検討した結果、葛根エキスとカモミラ(カモミール)エキス、タイムエキスにメラニン⾊素の輸送遺
伝⼦メラノフィリンの発現を向上させる効果があることを⾒出しました(図 1)。これは、これらのエキスに不完全な⽩髪を防ぎ、
⿊髪を維持する効果があることを⽰唆しています。また、これらのエキスを配合した頭⽪⽤ローションを毎⽇使⽤して頭⽪ケ
アを⾏った結果、⽩髪が⽬⽴たなくなった実効例も確認されました(図 2)。


【今後の展望】
今後は本研究を活⽤した⾼機能頭⽪ケア製品の開発を⽬指し、研究を進めてまいります。




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図1 効果成分のスクリーニング結果
葛根エキス、カモミラエキス、タイムエキスを細胞培養液に添加すると
メラニン輸送遺伝⼦メラノフィリンの発現量が向上した。




事前 3 ヵ⽉後
図2 3 か⽉の使⽤試験で効果があった被験者の⼀例 (56 歳男性)
葛根エキス、カモミラエキス、タイムエキスを配合した頭⽪⽤ローションを⽤いて頭⽪ケアをした結果、
⽩髪が⽬⽴たなくなった。使⽤者 16 名中 14 名に⽩髪の減少効果が⾒られた。


《⽤語解説》
* ⽇本⾊素細胞学会学術⼤会(参考 http://www.jspcr.jp/index.htm)
メラニン⾊素に関する⼤学や企業の研究者、⽪膚科医等が⼀堂に会し、美⽩や⽩髪などに関する研究や事例等を発
表する1年に⼀度開かれる学会。Best Presentation 賞は、⾊素細胞研究の進歩に寄与する独創的な研究に与えら
れる賞です。本年度は参加者の投票により、全発表演題の内 1 テーマが選出されました。




■リリースに関するお問い合わせ先
広報室 東京都中央区京橋 2-2-1 京橋エドグラン
TEL 03-3517-3915 FAX 03-3273-3211
株式会社ミルボン/本店︓⼤阪市都島区、社⻑︓佐藤⿓⼆、証券コード︓4919(東証1部)

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