白髪・抜け毛・細毛に関わる頭皮常在菌に対し効果的な成分を特定

News Release
2021 年 5 月20日


白髪・抜け毛・細毛に関わる頭皮常在菌に対し効果的な成分を特定

~シソ科植物に含まれる「ロスマリン酸」の有効性を確認~

美容室向けヘア化粧品メーカーの株式会社ミルボン(本社:東京都中央区 代表取締役社長・佐藤龍二)は、静
岡県公立大学法人 静岡県立大学(学長・尾池和夫)との共同研究で、頭皮の慢性炎症*1 に関わる頭皮常在菌*2
の一種、コリネバクテリウム属細菌*3 を効果的に減少させる成分として、シソ科植物に含有される「ロスマリン酸」の有効
性を確認しました。本研究は以下の学会で報告されました。


【外部発表】
発表学会:日本農芸化学会 2021 年度大会
発表タイトル:頭皮常在菌の制御を目的とした天然成分の探索
発表日:2021 年 3 月 20 日


【研究の背景】
毛髪が生える土台である頭皮を健康に保つことは、美しい毛髪の育成や維持に重要です。これまでミルボンでは、頭
皮の赤味(慢性炎症)が増えることが、抜け毛や細毛、白髪の増加に繋がることを捉えていました。さらにこの炎症には
頭皮常在菌のバランスが関与することを見出していました。
https://www.milbon.co.jp/files/pdf/news/2018/07/20180718130205_1.pdf
その際、4種のシソ科植物エキスがコリネバクテリウム属細菌の増殖を抑制し、頭皮常在菌バランスを整える効果を有
することを見出していましたが、その有効性の主成分の特定には至っていませんでした。
植物エキス内の有効成分が特定出来れば、その成分を活用することでケアの効果コントロールもしやすくなると考え、
本研究では、天然成分の高度な解析技術を持つ静岡県立大学 食品栄養科学部 食品分析化学研究室 熊澤茂
則教授と共同で、植物エキス内の有効成分の特定を試みました。




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【研究の成果】
1. シソ科植物エキス内の有効成分の特定
コリネバクテリウム属細菌に対して高い増殖抑制効果を有するシソ科植物エキスについて分析を行った結果、「ロスマ
リン酸」が共通成分であることを特定しました(図1)。




※日本農芸化学会 2021 年度大会
熊澤茂則教授より提供


図 1 ロスマリン酸がシソ科植物エキス内の共通成分であることを特定
4 種のシソ科植物エキスの HPLC クロマトグラム


2. ロスマリン酸のコリネバクテリウム属細菌増殖抑制効果
ロスマリン酸は、コリネバクテリウム属細菌に対して高い増殖抑制効果を有することが確認されました。また、その効果
は濃度依存的であることも確認されました(図2)。




図 2 ロスマリン酸は濃度依存的にコリネバクテリウム属細菌増殖を抑制する

【今後の展望】
本研究は、2021 年秋以降発売の頭皮ケア美容液から順次応用していきます。




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《用語解説》
*1 慢性炎症
外部からの細菌の進入に対して急激に反応する炎症を急性炎症と呼ぶことに対し、進行が緩やかに長く持続するものは
慢性炎症と呼ばれている。慢性炎症が頭皮で起こると、頭皮の持続的な赤みに繋がる。


*2 頭皮常在菌(スカルプフローラ)
ヒトの身体に存在している細菌の中で、多くのヒトで共通して確認され、共生しているものを常在菌と呼ぶ。その中でも頭
皮に存在しているものを頭皮常在菌と呼ぶ。その存在が植物のように群生しているため、お花畑=フローラと呼ばれており、
頭皮常在菌はスカルプフローラと呼称される。


*3 コリネバクテリウム属細菌
ヒトの身体に存在している常在菌の一種であり、棍棒状の様態を持つコリネバクテリウム属の細菌。特に頭皮では多く存
在しており、ミルボンではこれまで、白髪・抜け毛・細毛に関わる細菌であることを確認してきた。




■リリースに関するお問い合わせ先
広報室 東京都中央区京橋 2-2-1 京橋エドグラン
TEL 03-3517-3915 FAX 03-3273-3211
株式会社ミルボン/本社:東京都中央区、社長:佐藤龍二、証券コード:4919(東証1部)




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