新たなドラッグデリバリーシステムについて大阪大学と共同研究契約を締結

News Release

平成 28 年 7 月 13 日
アンジェス MG 株式会社




新たなドラッグデリバリーシステムについて
大阪大学と共同研究契約を締結




当社は大阪大学と、新たなドラッグデリバリーシステム技術に関する共同研究契約を締
結しました。


ドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System、DDS)とは、必要な量の薬物を目標
とする細胞に効率的に送達するための技術です。共同研究の対象となる新規 DDS 技術は、薬
剤を極めて小さな粒子で包み込むことで細胞内に高い効率で導入できる特徴があり、特に
がんや炎症など疾患部位へ効率よく送達されることが示唆されています※1。これまでにな
い DDS として、当社が開発を手がける核酸医薬、遺伝子治療薬、DNA ワクチンへの応用が期
待されます。


当社は、この DDS 技術の開発者の 1 人である大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 分
子病理学 山本浩文教授と共同で、新規 DDS の実用化に向けた適応症の検討と最適な製剤
の開発を目的とした研究を行います。NF-κB と STAT6 という二つの転写因子をターゲット
とする次世代デコイ「キメラデコイ※2」に新規 DDS を組み合わせて動物試験(関節リウマチ
モデル)を行った結果、顕著な効果が示されたことから、まずは、この「キメラデコイ」の
炎症性疾患向けの治療薬への応用を検討いたします。


遺伝子医薬※3は一般に、特定の狙った細胞内において、従来の低分子医薬とは異なる新た
なメカニズムで効果を発揮します。反面、低分子医薬に比べサイズが大きいため細胞内に入
りにくいという課題があります。このため、DDS の開発は遺伝子医薬の実用化において極め
て重要であり、当社は今回の新規 DDS 技術をはじめ様々な DDS の比較・検討を進めていま
す。





※1 新規 DDS はカルシウム、炭酸、リン酸からできた無機構造物で、血中で安定なイオン体として存在

して炎症部位・細胞に効果的に浸透します。これにより内包した遺伝子医薬の効果を効率よく発揮させる

ことができます。



※2 NF-κB/STAT6 キメラデコイ:STAT6 と NF-κB という炎症に関わる二つの重要な因子を同時に抑制す

る働きを持った核酸医薬であり、NF-κB のみをターゲットとした従来のデコイに比べ、炎症を抑える効果

が格段に高いことが期待される次世代デコイです。



※3 遺伝子医薬:当社は遺伝子治療薬、核酸医薬、DNA ワクチンを遺伝子医薬と位置づけ、これを中心と

した研究開発を行っています。

以上




お問い合わせ先

アンジェス MG株式会社 経営戦略本部 経営企画部 広報・IR 担当

TEL: 03-5730-2641





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