DNA治療ワクチン事業に進出、事業の第3の柱を構築 ~来年初めから豪州で高血圧DNAワクチンの臨床試験を開始~

News Release

平成 28 年 7 月 8 日
アンジェス MG 株式会社




DNA 治療ワクチン事業に進出、事業の第 3 の柱を構築
~来年初めから豪州で高血圧 DNA ワクチンの臨床試験を開始~




当社は次世代の遺伝子医薬である DNA 治療ワクチン事業に本格進出します。最初の開発
品として高血圧 DNA ワクチンの臨床試験を 2017 年第1四半期からオーストラリアで開始し
ます。


DNA 治療ワクチンは遺伝子の本体である DNA を治療目的のワクチンとして利用した医薬
品であり、次世代の治療ワクチンとして期待されます。当社はこれまで、大阪大学と共同で
高血圧治療を対象とした DNA ワクチンの開発を進めてきましたが、動物モデルで有効性を
確認し各種非臨床試験の完了に目処がついたことから、臨床開発に乗り出すことにいたし
ました。年内に現地の倫理委員会の審査を経て規制当局に試験実施届けを提出し、来年第1
四半期に被験者への投与を開始する予定です。24 名の被験者に投与し、安全性と探索的な
効果の確認を目指します。


ワクチンには特定の病気への罹患を防ぐ予防ワクチンと罹患後の治療に利用する治療ワク
チンの二つがありますが、当社は治療ワクチンの開発を目指します。DNA ワクチンでは、たんぱ
く質の設計図である DNA そのものを体内に導入し、目的の抗原※1を体内で作ることにより高い
ワクチン効果を発揮し、かつ効果が持続するのが大きな特徴です。がんやアレルギー疾患、さら
には一部の慢性疾患の治療にも応用できる可能性があり、将来的に大きな市場に成長する可能
性があります。


当社が最初にターゲットとする高血圧の分野では、既に多くの経口医薬品が販売されていま
すがこれらの薬は毎日忘れずに服用する必要があり、服薬アドヒアランス※2 は必ずしも高くあ
りません。注射剤である DNA ワクチンは、一度投与すれば服用なしで長期間に渡って高い効果が
持続することが期待され、特に服用の難しい高齢の方を中心に患者さんの利便性は大幅に向上
します。高血圧治療の医薬品市場は国内だけで、主力の ARB(アンジオテンシン II 受容体拮抗
薬、国内市場約 5000 億円)を含め 8000 億円以上と巨大であり、この一部を代替することを目指
す高血圧 DNA ワクチンには非常に高い事業性が期待されます。また、発展途上国では、薬価の高



い ARB は有用性が高いにも関わらず医療経済上の問題から使用は限定されており、発展途上国
でのニーズも極めて高いと考えられます。


当社はこれまで、HGF 遺伝子治療薬と NF-kB デコイオリゴ核酸医薬を事業の 2 本柱として開発
を進めてまいりました。DNA 治療ワクチンには、市場面からの将来性が高く、かつ HGF 遺伝子治
療薬で培ってきた当社の DNA 関連技術をそのまま生かせるという利点があります。このため、将
来の成長を目指し、DNA 治療ワクチンを事業の 3 本目の柱として位置づけます。


今回の高血圧 DNA ワクチンに加え、自己免疫疾患やがんを対象とした別の DNA 治療ワクチン
でも当社は阪大と共同研究を進めています。さらに、この分野で製品開発を手がける他企業との
提携を通して、今後、DNA 治療ワクチン分野で製品パイプラインを拡充し、将来的に大きな収益
を生む事業に育てることを目指します。




※1 ワクチンは生体の免疫反応を利用した医薬品です。抗原は生体の免疫システムが認識する異物のこ

とで、抗原が体内に入ると、生体は抗原を攻撃する分子(抗体)を作り出し、異物を排除しようとします。

ワクチンは、特定の抗原を体内に導入することで、その抗原に対応した免疫反応を引き起こすことで効果

を発揮します。



※2 決められた指示通りに医薬品を服用すること。

以上




お問い合わせ先

アンジェス MG株式会社 経営戦略本部 経営企画部 広報・IR 担当

TEL: 03-5730-2641





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