トーマス・ジェファーソン大学での転移性ぶどう膜黒色腫の研究に対するeNK細胞提供に関するお知らせ

2023 年9月 14 日
各 位

会 社 名 株 式 会 社 ヘ リ オ ス
代表者名 代 表 執 行 役 社 長 CEO 鍵 本 忠 尚
( コ ー ド 番 号 : 4 59 3 東 証 グ ロ ース)



トーマス・ジェファーソン大学での転移性ぶどう膜黒色腫の研究に対する
eNK®細胞提供に関するお知らせ


当社は、トーマス・ジェファーソン大学(Thomas Jefferson University: 所在地:ペン
シルベニア州フィラデルフィア)に対し、iPS 細胞由来 NK 細胞を用いた転移性ぶどう膜
黒色腫の免疫療法の研究(以下、本研究と言います。 )に使用する目的で、当社独自の遺伝
子編集技術により特定機能を強化した他家 iPS 細胞由来 NK 細胞(eNK®細胞)の提供を
決定しました。 同大学のシドニー ・キンメルがんセンター (Sidney Kimmel Cancer Center
– Jefferson Health)において、eNK®細胞を用いた転移性ぶどう膜がん細胞の増殖抑制に

関し、実験室モデルでの評価を行います。

今回、トーマス・ジェファーソン大学において、Dr. Mizue Terai を責任者とするチーム
が、 当社の eNK®細胞を使用して 「iPSC 由来 NK 細胞を用いた転移性ぶどう膜黒色腫の免
疫療法(Immunotherapy of metastatic uveal melanoma using iPSC-derived NK cells)

をテーマとして研究を実施します。本研究は、同大学内の The Melanoma Research
Institute of Excellence(MRIE)の募集するチーム研究賞「ぶどう膜黒色腫に対する新規
治療薬の開発」に採用されました。当社は、本研究で使用するための eNK®細胞の提供の
他、本研究に必要な技術支援を行うためトーマス・ジェファーソン大学と eNK®細胞の提
供・技術支援に関する試料提供契約を締結しました。

ぶどう膜黒色腫(眼球黒色腫) 米国において成人の眼内がんで最も一般的なもので、
は、
すべての黒色腫の 5%を占めています。肝臓が主要な転移部位となっています。

当社代表執行役社長 CEO 鍵本忠尚は、次のように述べています。
「トーマス・ジェファーソン大学のシドニー・キンメルがんセンターは、米国における転
移性眼がんの最先端治療施設の一つです。当社は、長年にわたり眼疾患と固形がんの双方
に対する革新的な治療法の開発に取り組んできました。当社は、トーマス・ジェファーソ
ン大学と協力し、eNK®細胞を用いた転移性ブドウ膜黒色腫患者のための革新的な治療法
の開発に協力できることを光栄に思います」

本件は学術研究であり、当社からの細胞提供及び技術支援に対する対価は発 生せず、
2023 年 12 月期業績に対し現時点で影響はありません。今後、開示すべき事項が発生した
場合には、速やかにお知らせいたします。

以上




■ヘリオス eNK®細胞について
eNK®細胞は、 遺伝子編集技術により細胞傷害活性の増強だけでなく、 患者免疫細胞のリ
クルート(呼び込み) や固形がんへの浸潤特性も強化された、当社独自の遺伝子編集 iPSC
NK 細胞プラットフォームです。当社では、自社研究の成果として、eNK®細胞の作製に成
功するとともに、 eNK®細胞がヒト肺がん細胞生着マウスモデル、 ヒト肝がん細胞生着モデ
ルマウス、ヒト中皮腫細胞生着マウスモデル、さらに肺がん患者由来のがんオルガノイド
(F-PDO®: Fukushima Patients Derived Tumor Organoid)に対して抗腫瘍効果を有す
ることを確認しています。 また、 国立研究開発法人国立がん研究センターと共同研究にて、
国立がん研究センターが保有する複数種類のがん種に由来する PDX(Patient-Derived
Xenograft:患者腫瘍組織移植片) マウスを用いて eNK®細胞の抗腫瘍効果等の評価を進め
ております。さらに、国立大学法人広島大学大学院と eNK®細胞を用いた肝細胞がんに対
するがん免疫細胞療法に関する共同研究を、兵庫医科大学と eNK®細胞を用いた中皮腫に
対するがん免疫細胞療法に関する共同研究を進めています。 当社は、eNK®細胞が抗腫瘍効
果をより発揮しやすい固形がんの種類の探索・評価を進めています。

■トーマス・ジェファーソン大学及びシドニー・ キンメルがんセンター (Thomas Jefferson
University and Sidney Kimmel Cancer Center at Jefferson)について
シドニー・キンメル・メディカル・カレッジ(Sidney Kimmel Medical College)とカン
バー カレッジ オブ デザイン エンジニアリング アンド コマース
・ ・ ・ ・ ・ ・ (the Kanbar College
of Design, Engineering and Commerce)を擁するトーマス・ジェファーソン大学は、 1824
年に創立され、 現在では 10 のカレッジと 4 つのスクールから構成され、 8,400 人以上の学
生に 200 の学部課程と大学院課程を提供しています。
ジェファーソン ヘルスのシドニー キンメルがんセンターは、
・ ・ 米国国立がん研究所 (NCI)
より卓越したがん治療・研究の拠点に指定されており、研究室からクリニックまでがんの
あらゆる側面において深く幅広い経験を提供し、診療を変える発見と包括的ながん治療の
センターとして全国的に知られています。シドニー・キンメルがんセンターの使命は、思
いやりを持ち、革新的かつ画期的な発見を通して、がん患者とその家族の生活を向上させ
ることです。詳細については、シドニー・キンメルがんセンターのホームページをご覧く
ださい。

■株式会社ヘリオスについて
再生医療は、世界中の難治性疾患の罹患者に対する新たな治療法として期待されている
分野であり、製品開発・実用化へ向けた取り組みが広がり、近い将来大きな市場となるこ
iPS
とが見込まれています。ヘリオスは、 細胞(人工多能性幹細胞)等を用いた再生医薬品
開発のフロントランナーとして、実用化の可能性のあるパイプラインを複数保有するバイ
オテクノロジー企業です。2011 年に設立、2015 年に株式上場(マザーズ-現東証グロー
ス:4593)し、再生医薬品の実用化を目指して研究開発を進めています。独自の遺伝子編集
技術を用いて免疫拒絶のリスクを低減する次世代 iPS 細胞、ユニバーサルドナーセル
(UDC: Universal Donor Cell)を作製し、がん免疫領域、眼科領域、肝疾患等において、iPS
細胞技術を用いた新たな治療薬の創出のための取り組みを進めています。iPS 細胞由来の
再生医療等製品としての第一候補である HLCN061 は、固形がんに対する殺傷能力を遺伝
子編集により強化した次世代の NK 細胞(eNK®細胞)治療薬です。また、体性幹細胞 再
生医薬品を用いて日本国内における脳梗塞急性期および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に
関する治験を実施し、申請に向け規制当局との協議を進めています。
https://www.healios.co.jp/



本件に関するお問合せ先
IR・財務経理部 ir@healios.jp





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