膀胱がん患者を対象としたS-588410第II相臨床試験結果論文公表のお知らせ

2022 年 6 月 7 日
各 位
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オンコセラピー・サイエンス株式会社
代表取締役社長 朴 在賢
(コード番号 4564 東証グロース)
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電話番号 044‐820‐8251


膀胱がん患者を対象とした S-588410 第Ⅱ相臨床試験結果論文公表のお知らせ


当社が塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)にライセン
スアウトしているがん特異的ペプチドワクチン S-588410 の膀胱がん患者を対象とした第Ⅱ相臨
床試験結果をまとめた論文が公表されましたのでお知らせいたします。


S-588410 は、膀胱がんにおいて発現の亢進が認められるがん精巣抗原(DEPDC1, MPHOSPH1,
URLC10, CDCA1 および KOC1)に由来する 5 種類の HLA-A*24:02 拘束性ペプチドからなるが
ん特異的ペプチドワクチンです。
塩野義製薬株式会社は、日本および欧州で標準的化学療法後の進行性もしくは転移性尿路上
皮がん患者 81 名を対象に、S-588410 の単剤維持療法としての有効性および安全性を S-588410 群
と観察群とで比較した第Ⅱ相臨床試験を実施し、2021 年 2 月の米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシ
ンポジウム(ASCO the 2021 Genitourinary Cancers Symposium)でその結果を報告しておりました
が、この度、試験結果をまとめた論文が Bladder Cancer 誌に掲載されました。


【試験結果概要】
S-588410 群の細胞傷害性 T 細胞(CTL)の誘導に関しては、投与後 12 週間で 45 例中 42 例
(93.3%)の患者でペプチド 5 種のいずれかを認識する CTL の誘導が確認され、奏効率(完全
奏功+部分奏功)は、S-588410 群で 8.9%(45 例中 4 例;観察群 0%)でした。奏効率に腫瘍の
大きさが変化しない状態を加えた病勢コントロール率は、S-588410 群で 22.2%(45 例中 10 例;
観察群 13.9%)であり、無増悪生存期間(PFS)の中央値は S-588410 群 18.1 週に対して観察群
が 12.5 週、全生存期間(OS)の中央値は S-588410 群 71 週に対して観察群が 99 週でした。な
お、S-588410 投与による安全性に対する新たな懸念は認められず、有害事象として S-588410 群
で最も頻度が高かったのはこれまでにも報告されていた注射部位の反応(45 例中 42 例 93.3%)

でした。


以上の結果は、S-588410 の高い CTL 誘導能と安全性を示しており、進行性もしくは転移性
膀胱がん患者の新たな維持療法の一つとなる可能性を示すものです。


論文は、Bladder Cancer 誌にオンラインで公表されております。
https://content.iospress.com/download/bladder-cancer/blc211592?id=bladder-cancer%2Fblc211592
(上記リンクでアクセスできない場合は直接 URL を入力してください)
以上

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