子宮頸がんおよび卵巣がんに対するペプチドワクチン第II相臨床試験に関する論文公表のお知らせ

2020 年 12 月 2 日
各 位
神 奈 川 県 川 崎 市 高 津 区 坂 戸 3 - 2 - 1
オンコセラピー・サイエンス株式会社
代表取締役社長 朴 在賢
(コード番号 4564 東証マザーズ)
(問い合せ先) 管理本部長 木村 謙二
電話番号 044‐820‐8251


子宮頸がんおよび卵巣がんに対するペプチドワクチン第Ⅱ相臨床試験に関する
論文公表のお知らせ


この度、岩手医科大学の研究グループ(産婦人科 竹内 聡 准教授ら)が、再発・難治性の子宮頸
がんおよび卵巣がん患者を対象に、当社が特許を保有するペプチドワクチンカクテルを投与した第Ⅱ
相臨床試験を実施し、その解析結果をまとめた論文が公表されましたのでお知らせいたします。


岩手医科大学の研究グループは、再発・難治性の子宮頸がんおよび卵巣がん患者を対象とした第Ⅰ
相臨床試験での良好な安全性プロファイルを既に報告しています1)。今回の論文では、有害事象に関
する評価に加え、有効性についての結果がまとめられています。
今回の第Ⅱ相臨床試験においても、注射部位の反応 (15.6%) 以外には重篤な有害事象は確認され
ず、当該ペプチドワクチンの安全性および忍容性が確認されました。臨床効果については、評価可能
な 35 症例の卵巣がん患者のうち、1 症例で完全奏功、7症例で部分奏功となり奏効率2)は 22.9%、病
勢コントロール率3)は 82.9% となりました。また、子宮頸がん患者 15症例では、3症例の部分奏功が
認められ奏効率は 20.0%、病勢コントロール率は 80.0% であり、当該ペプチドワクチンカクテルが
再発・難治性子宮頸がんおよび卵巣がんに対し効果を示すことが確認されました。
これらの結果は、腫瘍特異的ペプチドワクチンカクテル療法が、標準的化学療法での効果が不十分
な再発・難治性の子宮頸がんおよび卵巣がん治療の新たな選択肢になる可能性を示唆するものです。


本論文は、OncoImmunology誌にオンラインで公表されております。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7671072/
(上記リンクでアクセスできない場合は直接URLを入力してください)


<参考文献および用語解説>
1) Takeuchi et al, Anti-cancer Immunotherapy Epitope-peptides Vaccination in Patients with
Refractory/Persistent Disease of Cervical Cancer and Ovarian Cancer (Phase 1 Studies). Cancer Research
Journal. Vol. 7, No. 3, 2019, pp. 106-116.
2) 奏効率:固形がんの治療判定基準(RECIST)で、対象となる治療を受けた患者のうち、完全奏功
(CR)と部分奏功 (PR) を示した患者の割合
3) 病勢コントロール率:RECISTで、CR, PRおよび、腫瘍の大きさの変化が見られない「安定」(SD)
を示した患者の割合
以上

3819