効率的ながん細胞同種移植試験用トランスジェニックマウスの導入について

2020 年 3 月 26 日
各 位
会 社 名 株式会社トランスジェニック
代表者名 代表取締役社長 福 永 健 司
(コード番号 2342 東証マザーズ)
問合せ先 取 締 役 船橋 泰
( 電 話 番 号 03 -6551 -2601)

効率的ながん細胞同種移植試験用トランスジェニックマウスの導入について




株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡市)は、国立大学法人京都大学(学
長:山極 壽一、京都市、以下「京都大学」
)医学研究科教授(現連携大学院教授) 武藤 誠先生ら
が開発した効率的ながん細胞同種移植試験※1用「変異ルシフェレーストランスジェニックマウス
(C57BL/6J-Tg(CAG-mLuc2)Mmt 以下「Tg(mLuc)マウス」」及び「変異 GFP トランスジェニックマウ

ス(C57BL/6J-Tg(CAGmEGFP)Mmt 以下「Tg(mGFP)マウス」」の個体生産及び販売について、京都大

学とライセンス契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。
本契約締結により、当社は当該 Tg(mLuc)マウス 及び Tg(mGFP)マウスの生産・販売サービス提供
が可能になり、今後、農林水産省の承認後に販売を開始いたします。


このたびライセンス契約しました Tg(mLuc)マウス 及び Tg(mGFP) マウスは、発光しない Luc
(ル
シフェラーゼ)または蛍光を発しない GFP 遺伝子が導入された個体です。しかし、Luc や GFP タン
パクは発現しており、これらに対して免疫寛容になっています。がんの治療効果の検証や転移等の
研究には、従来は、Luc や GFP でマーキングされた腫瘍細胞を移植(がん細胞同種移植試験)して
いましたが、ルシフェラーゼまたは GFP が異物として認識され、腫瘍形成が阻害されていました。
本マウスでは Luc や GFP でマーキングされた腫瘍細胞が拒絶されることはなく、野生型マウスに比
べ 100 倍の高い効率で腫瘍を形成するマウスです。さらに、形成された腫瘍は肺や肝臓に転移し、
発光や蛍光を測定することでがん転移の追跡も可能です。
Tg(mLuc)マウス 及び Tg(mGFP) マウスは、免疫機能を保持していることから、今後、がんの免
疫療法の研究など多様ながん治療法の開発と検証等創薬研究に貢献することが期待されます。


なお、販売開始は 2020 年下期の予定であることから、本件による 2020 年 3 月期及び 2021 年 3
月期の業績への影響は軽微ですが、研究需要の高いがん領域の遺伝子改変マウスの導入により、積
極的に業績拡大につなげてまいります。


当社関連製品・サービス:モデルマウス製品ラインナップ

◆ご参考
※1 がん細胞同種移植試験
がん細胞同種移植試験は、マウスがん細胞を同系のマウスに移植して腫瘍を形成させ、抗
がん剤の薬効評価を行う試験です。
以上

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