タマゴから電池材料が誕生 卵殻膜の産業利用プラットフォーム構築 NEDO「バイオものづくり革命推進事業」に採択

会 社 名 株式会社ファーマフーズ
代 表 者 名 代表取締役社長 金 武祚
上場取引所 東証プライム市場(2929)
本社所在地 京都市西京区御陵大原 1 番地49
電 話 番 号 075-394-8600
News Release
各位 2023 年 9 月 27 日

タマゴから電池材料が誕生 卵殻膜の産業利用プラットフォーム構築
NEDO 「バイオものづくり革命推進事業」に採択

株式会社ファーマフーズ(本社:京都市西京区、代表取締役社長:金武祚)は、国立研究開発法人新エネル
ギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が公募する「バイオものづくり革命推進事業※」プロジェクトに応募し、採
択されました。今後、繊維、農業及びナノファイバーを原料とした電子材料素材など幅広い産業利用に適した特性を持
つ「卵殻膜素材」を開発・量産化のための投資を行っていきます。


卵殻膜の高付加価値分野への応用
日本国内では年間 263 万トンの鶏卵が利用され、それに伴い 26 万トンの卵殻及び卵殻膜が産業廃棄物として
発生しています。この廃棄物中には、機能性タンパク質資源である卵殻膜が、約1万トン含まれています。ファーマフーズ
は、この卵殻膜を衛生的に分離回収し、産業利用するサプライチェーンを構築し高付加価値分野への応用を目指して
います。


繊維、農業及びEV電池など幅広い産業利用を試みる
今回、卵殻膜のアップサイクルによる、3つの領域における事業化が委託および助成事業として採択されました。社会
実装を見据え、NEDOの補助を受けながら、今後 5 年から 8 年間で総額 50 億円超の研究開発投資及び設備投資
を行っていきます。



卵殻膜
ハイブリッド繊維
卵殻膜・卵殻膜
複合物 卵殻膜
ハイブリッド繊維
26万t/年 1万t/年

鶏卵263万t/年
※日本国内の鶏卵の
年間生産量
蓄電素材
卵殻膜ナノファイバー


液状化卵殻膜 バイオ
機能性タンパク質である卵殻膜を使いやすい スティミュラント
状態に加工し、様々な産業へ展開


卵殻膜ペプチド

(1) ハイブリッド繊維
卵殻膜加水分解物を再生セルロース繊維と混錬して繊維化することで、カシミヤ等の動物性繊維の物理的性
質に近づくことを見出しています。本事業では需要の急拡大に伴い、市場価格の高騰が続くカシミヤの安価で高品
質な代替素材を開発し、アパレルメーカーへの販売を目指します。


(2) 新規蓄電素子材料
卵殻膜加水分解物をナノファイバー化することで、電気的特性に優れた蓄電素子の材料開発が可能であること
を見出しました。今後、需要が急拡大する蓄電素子市場に向けて、メーカーへの原料販売を目指します。
(3) 農業用バイオスティミュラント(BS)ペプチド
ファーマフーズは、ENEOS株式会社と共にベンチャー企業へ出資して卵殻膜肥料販売会社を立ち上げ、家庭
用園芸肥料の発売を計画しています。また、卵殻膜ペプチドの農作物への収量増大効果や耐病性などを評価し、
良好な結果を得ています。日本国内において、農作物の収量向上についての定量的なエビデンスを持つBSの製
品はまだ少なく、既存の販路を活用して市場への浸透を目指します。


卵殻膜のアップサイクルによる市場を創出する
卵殻膜から衣類、電子材料、バイオスティミュラントが開発できれば、今まで食品原料としてのみ用いられてきた鶏卵に
新たな付加価値が生じ、養鶏産業が新たな材料産業としての側面を持つこととなります。
また、廃棄された卵殻・卵殻膜は年間数十万トンの二酸化炭素を発生していると試算されるため、本事業が社会実
装されることにより、数十万トンの二酸化炭素の排出回避が期待されます。
当社は、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向け、事業の中核で目標達成を追求していくものであるとの考
えのもと、本事業の成長が持続可能な社会の実現に貢献できるよう市場創出を図ってまいります。


本研究開発の概要

1. 名称 卵殻膜の総合的活用プラットフォームの構築

信州大学、(株)バッカス・バイオイノベーション、ダイワボウレーヨン(株)、三洋化
2. 委託先/共同研究先
成工業(株)、(株)浅井農園、(株)ベジドリーム栗原




以上
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※バイオものづくり革命推進事業とは
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する事業。
未利用資源の収集・原料化、微生物等の改変技術、生産・分離・精製・加工技術、社会実装に必要な制度や標
準化等のバイオものづくりのバリューチェーン構築に必要となる技術開発及び実証を一貫して支援する。
事業期間:2023 年度~2032 年度、予算額:約 3,000 億円(事業期間総額)





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