食道がん患者を対象としたS-588410第III相臨床試験に関連する学会発表のお知らせ

2023 年 6 月 29 日
各 位
神 奈 川 県 川 崎 市 川 崎 区 東 田 町 1 - 2
オンコセラピー・サイエンス株式会社
代表取締役社長 嶋田 順一
(コード番号 4564 東証グロース)
(問い合せ先) 管理本部長 水越 潤一
電話番号 044‐201‐6429


食道がん患者を対象とした S-588410 第Ⅲ相臨床試験に関連する学会発表のお知らせ


2023 年 6 月 28 日、第 77 回日本食道学会学術集会にて、当社が塩野義製薬株式会社(本社:
大阪市中央区、代表取締役会長兼社長 CEO:手代木 功)にライセンスアウトしているがん特異
的ペプチドワクチン S-588410 の食道がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験結果に関するプレナ
リーセッションでの発表が行われましたので、その概要をお知らせいたします。


S-588410 は、食道がんにおいて発現の亢進が認められるがん精巣抗原(DEPDC1, MPHOSPH1,
URLC10, CDCA1 および KOC1)に由来する 5 種類の HLA-A*24:02 拘束性ペプチドからなるが
ん特異的ペプチドワクチンです。なお、食道がん患者を対象とした本試験は 2021 年 7 月に完了
したものです。


【発表内容の概要】
演題:食道癌に対するペプチドワクチンによる術後補助免疫療法に関する第Ⅲ相試験
本試験は、ネオアジュバント療法後に食道がんを完全切除手術したリンパ節転移のある HLA-
A*24:02 陽性患者 276 人を対象として、S-588410 投与群とプラセボ群を比較した第Ⅲ相臨床試験
(UMIN000016954)です。
主要評価項目である無再発生存期間(RFS)に関して S-588410 群とプラセボ群を比較したと
ころ、S-588410 群における RFS 延長について統計学的な有意差は認められませんでした。探索
的な部分集団解析では、食道がん発生の部位別の検討により上部胸部食道がん患者で全生存期
間(OS)が有意に延長され、S-588410 投与による皮膚反応 Grade 3 を示した患者集団において
RFS や OS の改善傾向がみられました。
また、副次評価項目のひとつである細胞傷害性 T リンパ球(CTL)の誘導に関しては S-588410
投与により高い誘導率が確認されました。主な副作用は注射部位の皮膚反応であり、重篤な皮膚
反応や Grade 4 以上の副作用は認められませんでした。


以上

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