Vecowのホワイトペーパーに当社技術掲載のお知らせ

2021 年6月 25 日


各 位
会 社 名 K u d a n 株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 C E O 項 大 雨
(コード番号 4425 東証マザーズ)
問合せ先 取 締 役 C F O 飯 塚 健
( T E L . 0 3 - 4 4 0 5 - 1 3 2 5 )




Vecow のホワイトペーパーに当社技術掲載のお知らせ

当社のパートナー企業の一社で、組み込みシステム、画像処理、インテリジェント・オート
メーションの分野で業界をリードしている Vecow Co., Ltd.(本社:台湾新北市、以下 Vecow)
のホワイトペーパーに、当社技術に関する内容が掲載されましたことをお知らせいたします。
ホワイトペーパーは全文英語のため、別添資料として掲載内容を公開いたします。


オリジナルのホワイトペーパー詳細(英語)

The Latest Intel Core Processors Drive SLAM in Next-Gen AMRs


Vecow とのパートナーシップに関する詳細:
Kudan と Artisense、Vecow とパートナーシップを締結。統合ソリューションを提供し、自律移
動ロボット(AMR) におけるアプリケーション開発の加速化を目指す。


Vecow との自律移動ロボット(AMR)の共同試作機の公開に関する詳細:
Kudan と Vecow、自律移動ロボット(AMR)の共同試作機を一部公開





<別添資料>
最新の Intel® Core™ プロセッサによる SLAM で次世代の自律移動ロボット(AMR)を実現


次の産業革命―インダストリー5.0―では、協働ロボット(通称、コボット)を活用しながら、
生産効率を向上させることが期待されています。コボットは、従来のロボットとは異なり、ワイ
ヤなどのインフラストラクチャ、安全区画などを必要とせず、人間と一緒に安全に作業・移動す
ることが可能です。これは、製造業から倉庫、ヘルスケアなど、様々な分野に当てはまるでしょ
う。


今日の最先端のコボットは、車輪や脚、プロペラなど様々な移動方式がありますが、いずれにし
ても、自律移動ロボット(AMR)の技術が必要不可欠となっています。AMR には数多くのサブシ
ステムが使用されていますが、なかでも、人工知覚は最も高度な技術であり、ゼロから開発する
には多大な時間とコストが発生してしまいます。


人工知覚の根幹技術である SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)は、コボットに周
囲の環境を認識させ、空間認識も可能にする技術です。一般的には、その技術が深層学習アルゴ
リズムの基盤にもなっており、工場や病院など、人間と共有しうるあらゆる空間において、コボ
ットが自由且つ安全に動き回れるようサポートします。


様々なタイプの SLAM がセンサとの組み合わせで、コボットが自分の位置や周囲の環境を認識で
きるようになります。人工知覚技術を提供している Kudan の子会社、Kudan USA の CEO である村
井太郎は、「この人工知覚と人工知能(AI)のアルゴリズムを融合させることで、コボットは、
A 地点から B 地点までの移動ルートを独自に計画するだけでなく、アクセル、ブレーキ、ステア
リング(舵取り)などの動作をコントロールすることができます」と述べています。




図1:VHub ROS は、状況に応じ迅速に経路を最適化する高度な VSLAM とナビゲーション機能を提供可能





SLAM の種類


AMR 型コボットに搭載されている高度な SLAM には、Direct Visual SLAM と Indirect Visual
SLAM、3D-Lidar ベースの SLAM があります。なお、2D-Lidar ベースの SLAM は、これまでも利用
されていますが、使用できる環境には、環境変化が少ないこと、3次元的な動きがないことな
どの制約が多く存在します。それぞれの SLAM には、カメラ、加速度計(IMU)、GPS、ToF カメ
ラ、Lidar などの異なるセンサを活用しており、これらのセンサが収集したデータは、ソフト
ウェアによって処理され、障害物の回避や経路計画を可能にするマッピングや自己位置推定を
実行します。


Direct Visual SLAM は、CPU の処理能力やカメラの性能が向上したことで、より高精度な 3D 点
群地図を実現します。これにより、特徴の少ない環境のほか、変わりやすい天候や照明環境下
においても、堅牢性に優れたトラッキングが可能になります。


Indirect Visual SLAM については、センサで収集したより限定した特徴点を活用しており、一
般消費者向けのコンピュータやモバイルデバイスでも、リアルタイムで地図作成が可能です。
一方で、Direct Visual SLAM による地図作成は、屋外や特徴の少ない環境でありつつ変化に富
んだ風景に対して堅牢性が求められるユースケースにおいて、特に優位性を発揮します。この
ような従来の SLAM 技術を深層学習と組み合わせることにより、例えば、マッピング・自己位置
推定の過程での動的な対象物の検出・除外の実行など、AMR の適応事例における堅牢性がさら
に強化されることが期待されます。


3D Lidar ベースの SLAM は、レーザーを素早く照射し、その反射を測定しながら、X、Y、Z 軸方
向の計測をリアルタイムに行い、3D の空間データを収集することで、位置や距離推定の精度を
高めています。なお、より高い精度と生産性を実現するためには、最適な SLAM の種類とセンサ
構成を選択する必要があります。


例えば、Kudan は、先進的な 3 種類の SLAM を、ミュンヘンに本社を構える Kudan のグループ会
社である Artisense と共に、Kudan GrandSLAM ソフトウェアとしてパッケージ化しています。
Kudan USA CEO の村井は、
「その柔軟性と幅広い構成オプションにより、高価ないし複雑なセン
サを必要とせずとも、商用グレードの性能が実現可能です」と述べています。メリットとして
は、主に、高精度、短い処理時間、強固なシステムの安定性、地図の拡張性(スケーラビリテ
ィ)
、統合におけるシンプルさ、そして、クロスプラットフォームにおける高い互換性などが挙
げられます。


GrandSLAM ソフトウェアによる情報をベースに、その上に、経路計画と制御機能が搭載されて
います。センサが収集したデータを処理し、コボットが自分の位置や障害物の位置などを含む
空間を認識しながら、安全に移動するほかに、様々なタスクを実行できるようにサポートしま
す(図2)






図2. Kudan GrandSLAM ソフトウェアは、精度を向上させるために、

各コボットの適応事例に最適な SLAM 提供が可能




ゲームチェンジャー:AMR 開発キット


AMR 市場に参入したばかりの開発者にとっては、コボットの構築には高額な初期費用と専門知
識を得るための多額の時間的投資が必要となります。しかし、開発を容易にするためのソリュ
ーションが用意されています。


「VHub ROS 開発キットは、そのようなハードルを乗り越えるのに役立ちます」と Vecow のプロ
ダクトマネージャーである Kev Wang 氏は述べています。
「この開発キットは、AMR を構築する
ための堅牢で、安全性・安心性・信頼性に優れたワンストップの一気通貫型のソリューション
を提供しており、AI のトレーニング時間を 30%も短縮することが可能です。また、SLAM ソフ
トウェアの他に、4 つの AI モデルを同時にサポートし、実装・統合に要する時間を 1/3 に短縮
します。



本開発キットは、クラウドベースのコンピューティングシステム、センサ、ソフトウェアをサ
ポートしており、Vecow のパートナーとの実証済み商用グレードのソリューションが付属して
提供されています。さらに、VHub ロボットオペレーティングシステム(ROS)ソリューション
の一部である本キットは、Intel または NVIDIA のいずれかのプロセッサに対応しており、ROS2
フレームワークと、空間認識とロボット制御用の SDK、及び常に結果がプログラム実行のたび
に変化しない確定的な EtherCAT ネットワークが含まれています(図3)






図3. Vecow の VHub ROS ソリューションは、幅広い分野でコボットの開発時間の短縮に貢献



Wang 氏は続けて、
「このキットは、コストを削減しつつ、開発プロジェクトの成功率を高め、
産業向け用途における多くの分野でコボット開発の実現を可能にするとともに、必要な開発人
員を削減し、製品開発における効率性を向上させています」と述べています。


Perception SDK はソフトウェアの統合時間を短縮


VHub ROS ソリューションに含まれる Perception SDK は、開発時間を短縮し、高い信頼性を維
持するために必要不可欠なものであり、Kudan の GrandSLAM ソフトウェアのような、SLAM ライ
ブラリを実装するための ROS2 フレームワークを含むソフトウェア・パッケージを統合していま
す。なお、その SLAM ライブラリは、直接 API での形式、ROS ラッパー、いずれの形でも提供可
能です。


Perception SDK では、コンピュータービジョン AI とロボット制御機能を提供しています(図
4)
。この SDK には、トレーニングエンジンと推論エンジンが組み込まれており、200 以上もの
学習済み AI モデルをサポートしているほか、ニューラルネットワークの最適化と高速化を実現
する NVIDIA の技術と Intel の OpenVINO ツールキットにも対応しています。また、この SDK に
は、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)をサポートするロボット制御コンポーネ
ントが含まれており、リアルタイムでの動作、アクチュエーション、I/O 制御、そして、時間
確定性イーサネット(EtherCAT)における通信などの開発が可能になります。





「高い信頼性という面では、センサドライバをはじめとするソフトウェアコンポーネントが業
界標準の認証を受けていることも大きな理由の一つです。そのなかには、RTOS も含まれていま
す」と Wang 氏は言います。「また、Intel の産業向けエッジ・コントロール・プラットフォー
ムとの互換性により、Perception SDK を用いて開発された様々な IT/OT アプリケーション間の
相互運用性とポータビリティ性を実現しています。




図4. Perception SDK は、ソフトウェアの統合及び検証時間を短縮



ハードウェアの選択で開発を効率化


開発プロセスをさらに簡素化するために、開発者は、Perception SDK を実行する VHub ROS ソリ
ューションを搭載したハードウェアを選択することができます。これにより、複数のセンサやソ
フトウエアのインプットを取り込みつつ、いくつかの周辺機器にコマンドを出力できる低遅延
のコントローラを備えた AMR 技術を活用することで、様々なコボットの構築が容易になります。
その結果、マルチタスクや処理負荷などによらない一貫性のあるオペレーションに優れ、安全性
と信頼性が向上したコボットの実現が期待できます。


また、各オプションについては、Direct Visual SLAM ないし Indirect Visual SLAM、3D Lidar
SLAM などの Kudan GrandSLAM ソフトウェアと連携できるように十分な処理能力とメモリが用意
されています。





図5. VHub ROS は、実績のあるハードウェア、ソフトウェア、ツールを単一のプラットフォームに

統合し、AMR のさまざまな要件に最適化した 3 種類のキットとして提供


AMR に実装する際には、
「VHR SPC-7000 Series Starter Kit」
「VHR ABP-3000 Series Development
Kit」
「VHR ECX-2200 PEG Series AI-Driven Kit」など、Vecow の一連の製品が選択肢として存
在します(図 5)
。Starter Kit では、超小型のファンレス組込みボックスに第 11 世代の Inter
Core i7/i5/i3 プロセッサ(Tiger Lake)を搭載しています。また、1-GigE LAN や 2.5-GigE LAN、
10-Gbit USB などの標準的な I/O を搭載しています。


Development Kit では、第 8 世代 Intel Core U シリーズ・プロセッサ(Whiskey Lake)を、超
薄型のファンレス組込みボックスに格納されています。 つの PoE+のチャネル付きの 4 つの GigE

LAN ポート、1 つの Mini PCIe ポート、2 つの DDR4 ソケットを備えています。最後に、Ai-Driven
Kit では、ワークステーショングレードの第 10 世代の Intel Xeon/Core i9/i7/i5/i3 プロセッ
サと、NVIDIA Tesla/Quadro/GeForce グラフィックス、4 つの PoE+チャネル付きの 6 つの GigE
LAN ポート、2 つのフロントアクセス SSD トレイを搭載しています。なお、3 つのプラットフォ
ームはいずれも、産業用途に適した広い温度範囲で動作可能です。


多様なユースケースで需要拡大


より多くの分野でコボットのニーズが高まるにつれ、SLAM ベースの AMR プラットフォームの需
要が高まることになります。ピックアンドプレース、パッケージング、パレタイズ(荷物の積み



上げ)などを行うコボットによる倉庫やサプライチェーンでの最適化は重要な適用領域ですが、
他の多くの業界でもこの技術の価値が認められています。医療用のコボットは、臨床現場や研究
室で働くことができ、プロセス用のコボットは、接着、ドリル、溶接を行うことができます。工
作機械用のコボットについては、機械の搬入・搬出を行うことが可能で、フィニッシング用のコ
ボットは、研削・デバリング・研磨、マシンビジョンを搭載したコボットは品質検査を行うこと
ができます。


非常に多くの適応事例があり、今後も増えることが予想されるため、SLAM と AMR の分野に参入
するベンダーが増えています。そこで、Vecow は AMR の研究開発に投資するだけでなく、他の企
業との提携を進めています。Kudan のほかには、PLUG-IN Electronic、Foxconn、Innocon、Compal
communications、Virtuoso Robotics や HPC Systems などがあります。




図6. VHub ROS は、包括的なエコシステムを備えたスマートな AMR ソリューション



「SLAM と AMR が産業を変革する可能性はまさに無限大です」と Wang 氏は述べています。
「そし
て、私たちはこの技術に携わることができて大変光栄です。」




詳細については、Vecow HP(www.vecow.com)にてご確認ください。
お問い合わせ先は、info@vecow.com まで。





【Kudan株式会社について】
Kudan(東証上場コード: 4425)は機械(コンピュータやロボット)の「眼」に相当する人工知
覚(AP)のアルゴリズムを専門とする Deep Tech(ディープテック)の研究開発企業です。人工
知覚(AP)は、機械の「脳」に相当する人工知能(AI)と対をなして相互補完する Deep Tech と
して、機械を自律的に機能する方向に進化させるものです。 現在、Kudan は高度な技術イノベ
ーションによって幅広い産業にインパクトを与える Deep Tech に特化した独自のマイルストー
ンモデルに基づいた事業展開を推進しています。
詳細な情報は、Kudan のウェブサイト(https://www.kudan.io/?lang=ja)をご参照ください。


■会社概要
会 社 名:Kudan株式会社
証券コード:4425
代 表 者:代表取締役 CEO 項 大雨


■問い合わせ先
ir@kudan.eu





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