Kudan 3D-Lidar SLAM技術アップデート:限られた視野角における低価格LidarスペックでのSLAM

2021 年4月2日


各 位
会 社 名 K u d a n 株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 C E O 項 大 雨
(コード番号 4425 東証マザーズ)
問合せ先 取 締 役 C F O 飯 塚 健
( T E L . 0 3 - 4 4 0 5 - 1 3 2 5 )




Kudan 3D-Lidar SLAM 技術アップデート:
限られた視野角における低価格 Lidar スペックでの SLAM

前回の技術アップデートでは、Kudan 3D-Lidar SLAM (KdLidar)※ のセンサセットアップに
対する安定性と柔軟性に関するものでしたが、今回は KdLidar の Lidar のセンサタイプに対す
る柔軟性の高さについて紹介いたします。




Lidar のタイプと 3D-Lidar SLAM の性能の関係


自動運転・自律走行などの適用事例が拡大し、需要が拡大することで、従来の機械回転式の
ものだけでなく、様々なビーム射出・走査方式の 3D-Lidar が市場に投入されています。SLAM
に用いる Lidar としての適性をみるうえでは、特に次の 4 つの要素が重要となります(下図参
照)。





1)Range(レーザー射程)
2)Spatial resolution(空間分解能)
3)Field of View (視野角:FoV)
4)Frame rate(フレームレート)




1)Range(レーザー射程): Lidar の射程は製品によっては 50m 未満のものもあれば、200m を
超えるものもあります。射程が長ければ長いほど、周囲の様々な構造物の情報を取得できるた
め、SLAM 用途に適しています。
2)Spatial resolution(空間分解能): これは、どれだけ密な点群を生成できるかを示す指
標です。より高い分解能であれば、周辺の構造をより精緻に捉えることができ、SLAM に適した
点群を生成可能です。
3)FoV(視野角): 水平方向と垂直方向、両方の視野角が重要になります。機械回転式の
Lidar であれば水平方向視野角は 360°となり、SLAM には最も適しています。
4)Frame rate(フレームレート): Lidar が1秒間により頻繁に点群をスキャン・生成でき
れば、それだけ各スキャン間の点群の変化は小さくなり、より正確にセンサの動きを把握で
き、SLAM に適しています。


上記は、ある人が、いくつか穴の開いた黒い布で覆われた点滅する懐中電灯を持って、暗闇
の中を歩いていくことに例えることができます。暗闇で、懐中電灯の光が遠くまで届くほど
(レーザー射程)、そして、より多くの穴が黒い布に空いていて光を通すほど(空間分解
能)、周囲の認識を行いやすくなります。また、もちろん光が届く範囲が広いほど(FoV)、そ
して1秒に1回点滅するのではなく1秒に10回点滅するように頻繁に光るほど(フレームレ
ート)、同様に周囲の認識が行いやすくなります。


しかし、SLAM 適性という観点だけでみると、これらの要件を全て満たすような Lidar が理想
的であるものの、そのような Lidar は非常に高価なものとなり、多くの適用事例ではコストの
観点で現実的ではありません。そのような状況においては、SLAM ソフトウェアの性能で、





Lidar ハードウェア自体のスペックを補い、適用事例に見合った自己位置推定精度・安定性を
実現する必要があります。


KdLidar の Lidar タイプやスペックにおける柔軟性


下記の動画では、Livox 社の Horizon というモデルを用いて収集したデータを KdLidar に入
力し、SLAM を行い自己位置推定と点群地図作成を行っています(このデータセットは Livox 社
ウェブサイトで入手可能です)。この Lidar モデルは、他の Lidar に比べても非常に低価格で
ある一方、FoV(視野角)は 水平方向 81.7°× 垂直方向 25.1°となっており、視野角という
観点では、SLAM 用途の使用が難しい Lidar といえます。この動画では、KdLidar がこの視野角
の限られた Lidar においても安定して自己位置推定を行い、Lidar を搭載した自動車の細かい
動きも正確に再現している様子が分かります。また、こちらのデモは、GPS や Inertial
Measurement Unit (IMU)といった他のセンサの補助なしに行っています。


Livox 社の Horizon センサを使った KdLidar のデモ動画:https://youtu.be/gRjD5_QBrhU




KdLidar は、それぞれの Lidar ハードウェアの性能を最大限活用しながら、より正確かつ安
定した位置推定の提供が可能なうえ、ユースケースの要件を満たしつつ、より安価な Lidar の
使用を可能にします。このような Lidar タイプやスペックへの柔軟性の高さによって、より
様々なロボティクスや自動運転、マッピング&サーベイなどの領域における KdLidar の導入が
加速しています。


※:3D-Lidar センサ情報から周辺環境マッピングと自己位置認識を同時にリアルタイムで行う技術。Lidar の普及に伴

い自動運転・自律走行・マッピングといった領域での活用が進んでいる。





【Kudan株式会社について】
Kudan(東証上場コード: 4425)は機械(コンピュータやロボット)の「眼」に相当する人工知
覚(AP)のアルゴリズムを専門とする Deep Tech(ディープテック)の研究開発企業です。人
工知覚(AP)は、機械の「脳」に相当する人工知能(AI)と対をなして相互補完する Deep
Tech として、機械を自律的に機能する方向に進化させるものです。 現在、Kudan は高度な技術
イノベーションによって幅広い産業にインパクトを与える Deep Tech に特化した独自のマイル
ストーンモデルに基づいた事業展開を推進しています。
詳細な情報は、Kudan のウェブサイト(https://www.kudan.io/?lang=ja)をご参照ください。


■会社概要
会 社 名:Kudan株式会社
証券コード:4425
代 表 者:代表取締役 CEO 項 大雨


■問い合わせ先
ir@kudan.eu





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