Kudan 3D-Lidar SLAM技術アップデート:非GPS環境下での自己位置推定

2021 年4月 23 日


各 位
会 社 名 K u d a n 株 式 会 社
代表者名 代 表 取 締 役 C E O 項 大 雨
(コード番号 4425 東証マザーズ)
問合せ先 取 締 役 C F O 飯 塚 健
( T E L . 0 3 - 4 4 0 5 - 1 3 2 5 )




Kudan 3D-Lidar SLAM 技術アップデート:
非 GPS 環境下での自己位置推定

3D-Lidar を用いた SLAM は、様々な環境においても非常に安定した自己位置推定アプローチ
として注目されています。その中でも特にその強みを発揮するのが、屋根や天井などに覆われ
たエリアや様々な構造物が林立している「アーバンキャニオン」と言われるエリアのような非
GPS 環境です。今回の技術アップデートでは、GPS が使えず位置推定が難しい環境下において、
Kudan 3D-Lidar SLAM(KdLidar)※1 がどのように動作するのかについて紹介いたします。




非 GPS 環境下での 3D-Lidar SLAM がもたらす価値

多くの屋外での適用事例では、GNSS と INS(Inertial Navigation System: GNSS と IMU を組
み合わせた装置)が現状の主な位置推定アプローチとして活用されています。これらは、前述
のようなアーバンキャニオンや橋梁の下、屋内環境においては、正確な位置情報の出力が難し
く、時間と共に誤差の大きな出力となる可能性が高いです。このような状況では、十分な精度
を保つために他の位置推定アプローチを活用する必要があります。



SLAM は、これらの非 GPS 環境においても、固定のインフラストラクチャを必要とせず、他の
センサを統合することで解決することが可能です。3D-Lidar は、明暗や自然光に関わらずとも
正確な深度情報を取得できるため、Lidar SLAM はこのような非 GPS 環境において非常に有効と
なります。自動化・自律走行化のさらなる加速と 3D-Lidar の低価格化が進行することで、
Lidar SLAM は、より高い投資対効果(ROI)をもたらすようになることが期待されています。


KdLidar: ループクローズなしでの屋根つきエリアでの正確な自己位置推定

下記のデモ動画では、Kudan の 3D-Lidar パートナーの 1 社である Ouster 製※2 の OS1-64 を活
用しながら、マッピングソリューションプロバイダ兼南米における Ouster の販売代理店である
Dymaxion※3 が収集したデータを用いて、KdLidar をテストしています。約 1.7km 程度の幹線道
路を走行し、最後の約 500m は、速度減速帯を伴った非 GPS 環境下である屋根つきエリアを走行
しています。


KdLidar は、GNSS や IMU といった他のセンサを統合することも可能ですが、今回は純粋に
3D-Lidar からのデータのみを入力して KdLidar をテストしています。デモ動画が示すように、
軌跡はルート全体で非常に滑らかで、屋根つきエリアでのスピードバンプによる細かい車体の
動きも正確に再現しているのがわかります。


デモ動画:https://youtu.be/VTqJEm420MQ




ロボティクスやマッピング・サーベイ領域での適用事例で、KdLidar は付加価値を提供する
ことのみならず、その性能はインフラストラクチャの点検領域での課題やニーズにも応えるこ
とができます。



Dymaxion S.A.S.の CEO である Gustavo Guevara 氏のコメント
「南米のインフラ点検関連領域において、3D-Lidar SLAM は強い需要があります。例えば、近
日開始予定のプロジェクトでは、24,000km もの道路に対して電柱・電線の点検作業のためにマ
ッピング技術が必要ですが、もし、3D-Lidar SLAM を活用せず、高性能 INS やモバイルマッピ
ングシステムをこれらの点検作業に用いた場合、莫大な費用がかかるでしょう。インフラ設備
の老朽化で、このような大規模プロジェクトは今後更に必要になります。Kudan の Lidar SLAM
は、我々がテストした他の Lidar SLAM に比べて優れた性能を示しており期待しています。」


インフラ点検・維持管理の市場規模は非常に大きく、日本国内で年間 4.5 兆円にのぼり、今
後さらに拡大していくとされています※4。Kudan にとっての重要領域の一つとして、この市場
でのニーズに更に応えられるよう開発を進めてまいります。


※1 3D-Lidar センサ情報から周辺環境マッピングと自己位置認識を同時にリアルタイムで行う技術。Lidar の普及に伴

い自動運転・自律走行・マッピングといった領域での活用が進んでいる。

※2 Ouster について詳細はこちら:https://ouster.com/

※3 Dymaxion についての詳細はこちら:http://dymaxion.co/

※4 出展:国土交通省所管分野における社会資本の将来の維持管理・更新費の推計(国土交通省の参考資料より)

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg6/181130/pdf/sankou.pdf




【Kudan株式会社について】
Kudan(東証上場コード: 4425)は機械(コンピュータやロボット)の「眼」に相当する人工知
覚(AP)のアルゴリズムを専門とする Deep Tech(ディープテック)の研究開発企業です。人
工知覚(AP)は、機械の「脳」に相当する人工知能(AI)と対をなして相互補完する Deep
Tech として、機械を自律的に機能する方向に進化させるものです。 現在、Kudan は高度な技術
イノベーションによって幅広い産業にインパクトを与える Deep Tech に特化した独自のマイル
ストーンモデルに基づいた事業展開を推進しています。
詳細な情報は、Kudan のウェブサイト(https://www.kudan.io/?lang=ja)をご参照ください。


■会社概要
会 社 名:Kudan株式会社
証券コード:4425
代 表 者:代表取締役 CEO 項 大雨


■問い合わせ先
ir@kudan.eu





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