ダイキン工業様の導入事例を公開

<プレスリリース カテゴリー:サービス導入発表>


2022 年 4 月 26 日
報道関係者各位
アイビーシー株式会社



ダイキン工業様 のシステム運用改善 DX 事例

事業の DX を支える、IT インフラの健全性を獲得!
~ 年間のネットワーク負荷傾向とユーザー利用状況を予測し、トラブルを未然に防止 ~


アイビーシー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:加藤 裕之、以下 IBC)は、
ダイキン工業株式会社様のシステム運用改善 DX 事例を公開しました。




利用開始:2018 年 10 月 ~ System Answer G3
監視規模:15,000 項目
監視対象:ネットワーク回線、機器


【導入背景】
ダイキン工業の基幹システムを支えるダイキン情報システムでは、国内約 2 万ユーザー、グロー
バル約 10 万ユーザーが利用するネットワークインフラを監視・運用している。


System Answer G3 の導入は、2018 年 5 月に発生した Microsoft 365(当時は Office 365)のメ
ールの受信障害がきっかけである。この日はゴールデンウィークが明けてから初めての営業日で
あり、朝に全ユーザーが一斉に約1週間分のメールを受信したことで、社内に設置している
Microsoft 365 用認証サーバー周辺で輻輳が起こり、メールの送受信が全く出来なくなってしまっ
た。Microsoft 365 へのアクセス数減少にともない、障害自体は自然復旧したが、輻輳が発生した
原因がどこにあるのか(サーバー、ネットワーク機器、ケーブルなど)が不明なままであった。


長期連休明けの一斉メール受信が障害のきっかけであることは明白であったため、次回の連休明
けにも同じ事象が発生する可能性は極めて高かった。そのため、夏期休業期間である 8 月までの
約 3 ヶ月間で輻輳の原因となったポイントの特定および対策をおこない、問題を根本解決する必
要があった。


【採用理由】
■スポットコンサルティングサービスの利用
上記の問題解決のために既存ベンダーに相談し、紹介されたのが、アイビーシーのスポットコ
ンサルティングサービスだった。優れた調査ツール(System Answer シリーズ)を持ち、さらに
ネットワークや Microsoft 365 についての知見もあることが確認できたため、必ず障害の原因を
特定してくれると確信して、コンサルティングサービスの利用を決定した。


コンサルティングでは、ダイキン社内のルーター、L3 スイッチ、ファイアウォール、プロキシサ
ーバー、ロードバランサーを中心に各機器の詳細なリソース情報を System Answer G3 と
Quality Analyzer Option で取得し、そのデータを元に原因の調査をおこなった。その結果、以下
の 2 つが障害の原因であると特定できた。


1.青線の箇所でパケットロス
が発生していたため、プロキシ
サ ー バ ー か ら Microsoft 365
への通信と、WAP サーバーか
ら AD サーバーへの通信が遅
延していた。また、L3 スイッ
チとメール振り分けルーター
間の全ての通信が 1 本のライ
ンで往来しており、大量のネッ
トワーク通信が発生した時に
ボトルネックとなっていた。
2.利用しているロードバランサー
のセッション数上限が 15 万 3000
件なのに対し、Microsoft 365 のセ
ッ ショ ン数 が日常 的に 14 ~ 15
万件に達していた。利用者増加時に
はここがボトルネックになっていた。




この 2 点に対する処置をおこなった結果、2018 年 8 月の夏期休暇明けは障害が発生すること
なく業務を開始できた。


■System Answer G3 の常設決定
Microsoft 365 の利用にあたっては、他企業のアセスメントを過去 2 回受け、ネットワーク環
境に問題がないという確認が取れていた。それにもかかわらず今回の障害が発生したのは、ユー
ザーの活用ケースの増加をとらえきれていなかったことが原因であった。再発防止のためには常
時ネットワーク状態を監視して傾向をとらえ、その傾向から外れた場合にはいち早く検知し、問
題が発生する前に対処することが不可欠であると判断した。


System Answer G3 は、日常的な傾向をとらえるベースライン機能や、突発的な異常に対してい
ち早く検知できるトレンドライン機能などをデフォルト機能として備えている。これらの特徴と
ダイキン工業 / ダイキン情報システムが求める条件が一致していた。また、スポット分析サービ
スで受けた親身で的確なアドバイスにもアイビーシーの技術力・サポート力の高さを実感し、
System Answer G3 の導入を決定した。


【効果・感想】
System Answer G3 の導入から今日に至るまで、長期休暇明けのトラブルは一度も発生すること
なく、IT 基盤の安定稼働を実現できている。


System Answer G3 は操作性に優れ、収集した大量のデータを瞬時にグラフ表示でき、表示期間
も瞬時に切り替わるため分析が速やかにおこなえ、問題発生時の調査ではとても重宝している。
また、ブックマーク機能を活用して、各工場・拠点ごとにルーターの CPU 使用率 / トラフィッ
ク量 / パケット数をまとめた「常に確認する」グループや、「連休明けには必ず確認する」グル
ープなどを作成している。システム環境や利用状況に合わせた確認ポイントをグループ化し、誰
でもすぐに IT システム全体から特定業務システムや特定工場・拠点の状況判断ができるように
カスタマイズできる機能がとても役に立っている。


今後、Microsoft 365 関連に留まらず、全ネットワーク回線、全ネットワーク機器を System
Answer G3 で監視していく。


【活用ポイント】
■System Answer G3 を活用したネットワーク負荷状況報告資料の作成
System Answer G3 で取得したデータをもとに作成したネットワーク負荷報告資料を、3 ヶ月
ごとにダイキン情報システム社員全員に共有している。




通称 “ネットワーク天気予報” と呼んでいるこの資料は、System Answer G3 で収集したデータ
をもとに今後のネットワーク負荷予想を「晴れ」「曇り」「雨」で表現している。販売担当者や工
場勤務者など、普段は別拠点にいたり、ネットワークに関する知識が少ない人でも、どこの回線
が混んでいてどこの回線の増強が必要なのかを一目で確認することができる。


【更なる高度化への取り組み】
年末年始、GW、夏期休暇といった年間のネットワーク負荷や利用状況の特徴をとらえ、未来の
IT リソース状況が予測できる様になれば、人が気づけないことがカバーでき、より安定した IT
システム環境を整えられると考えている。


System Answer G3 の将来予測オプションでは、将来的にリソースがしきい値を超える時期を予
測する「キャパシティ予知機能」、昨年の月別実績値と今年の経過月の実績値から将来月の予測値
を算出する「昨対比較機能」などにより、トラブルの原因を先回りして対処することができる。
人手による分析負荷の軽減のため、活用を検討中である。


System Answer G3 を導入してから現在まで、有線環境を中心に監視してきた。今後は社内の無
線 LAN 環境やクラウド環境にも監視範囲を広げていきたい。無線 LAN・有線 LAN・WAN の
全体を一元的に監視していくことで、障害時の切り分けがより迅速化できると期待している。


近年、会社の事業・経営における IT 活用の重要性がより増してきている。2018 年の System
Answer G3 導入から、ネットワークの健全性を容易に確認する手段を手に入れることができた。
今後は DX やデジタル化の取り組みを進めて事業・経営の成長を支えていくために、引き続き
System Answer G3 を活用していく。




<企業情報>【アイビーシーについて】
IBC は、2002 年の設立以来、性能監視分野に特化した事業を展開しており、IT システムの稼働状
況や障害発生の予兆などを把握する IT システム性能監視ツールの開発 販売およびコンサルティ

ングを手掛けています。


社 名:アイビーシー株式会社
本 社:〒104-0033 東京都中央区新川 1 丁目 8 番 8 号 アクロス新川ビル 8F
代 表 者:代表取締役社長 加藤 裕之
設 立:2002 年 10 月
事業内容:IT システム性能監視ツールの開発/販売/サポート
IT システムの性能評価サービス
IT システムの設計・構築、コンサルティング
IoT セキュリティ基盤サービスの開発/提供
各種機器、ソフト販売


<本件に関するお問い合わせ>
■アイビーシー株式会社
電話 :03-5117-2780
E-mail:info@ibc21.co.jp

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