東京証券取引所様の導入事例を公開

<プレスリリース カテゴリー:サービス導入発表>


2022 年 2 月 28 日
報道関係者各位
アイビーシー株式会社



東京証券取引所様 のシステム運用改善 DX 事例
日本最大の証券取引市場を支えるネットワークの安定稼働
~ JPX グループの基幹ネットワーク 「arrownet」 を守り続けて 13 年間 ~


アイビーシー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:加藤 裕之、以下 IBC)は、株
式会社 東京証券取引所様のシステム運用改善 DX 事例を公開しました。




利用開始
➢ 2009 年 7 月:System Answer
➢ 2015 年 2 月:System Answer G2
➢ 2022 年 4 月:System Answer G3


【導入背景】
2007 年ごろ、東京証券取引所において株式売買システムである arrowhead の開発に合わせ、高
速かつ高信頼なネットワークシステムとして arrownet を開発する計画が始動した。ネットワー
クシステムとその監視システムの構築、維持・運用の計画を立案していく中で、機器の異常をい
ち早く検知し、システムを止めずに先回りの事前対策をおこなうには、ネットワーク機器・サー
バーのパフォーマンス情報などの性能データの管理が必要であった。


それまでのネットワークシステムでは一元管理した監視システムはなく、障害が発生した際には
SE の判断でトラブル原因の範囲にあたりをつけ、機器のログを調査したりパケットキャプチャ
によるトラブルシュートをおこなっていた。そのため、維持・保守・運用に多くのメンバーが携
わることになる arrownet では、誰でも障害原因の絞り込みや切り分けをおこなえる性能管理ツ
ールが必要であった。また、JP1 などの統合監視ツールは元々使用していたが、これらの用途は
主にアラートのメッセージ検知であった。そこでいくつかの性能監視ツールを調査した結果、
『死
活監視からの脱却』をコンセプトとし、Web GUI で手軽にネットワーク全体の可視化を可能にす
る性能監視ツール「System Answer(初代)
」を知り、導入を決定した。


■システム概要
現物株式などの売買取引をおこなう
「arrowhead」 「ToSTNeT」 デリバテ
や 、
ィブ売買取引をおこなう「J-GATE」など
の売買系システム、その他清算系システ
ム、情報系システムなど、日本取引所グ
ループ(東京証券取引所、大阪取引所、
東京商品取引所など)におけるすべての
通信は「arrownet」と呼ばれるネットワ
ークシステムを基幹として稼働してい
る。取引参加者やベンダーとの通信、各
システム間の通信、監視端末等の接続な
ども arrownet を経由しておこなわれる。


この arrownet を構成する数百台におよぶネットワーク関連機器を System Answer G3 で監視し
ている。G3 の設定・管理等は東京証券取引所の IT 開発部情報システム担当が担っており、日々
の運用には情報システム担当のみならず IT サービス部をはじめとする運用部門や関連ベンダー
など数十名におよぶメンバーが利用している。


【採用理由】
① 導入が簡単
OSS や海外製品では、運用担当者が自ら MIB 情報などを調べなければならず、属人
化や設定ミスなどのリスクが発生する。System Answer は各社の MIB テンプレート(現
在は 128 社に対応)があらかじめ用意されているので、設定ミスがないのはもちろん、
監視登録の工数を削減することができた。
② 誰でも扱いやすい GUI
どの機器がどこに繋がっているのか、アラート発生個所はどこかを一目で把握でき、
Web GUI 上でクリックしていけば自分の見たい機器にすぐたどり着ける。多くのメン
バーが携わる arrownet のネットワーク運用においては、経験年数や担当部門に関わら
ず全員が扱いやすいツールであることが重要であった。


③ グラフ表示の素早さ
複数のグラフを見比べながら状況分析をおこなう場合、他社ツールと比べて表示速度が
非常に早いことが役に立っている。System Answer のグラフは表示期間を選択するとほ
ぼ瞬時に描画され、期間を変更してもすぐに反映されるため、ストレスフリーに使用で
きる。


【効果・感想】
◆性能情報を日々管理し、障害の予防へ
arrownet に流れる通信には売買システムの相場情報などの取引に不可欠な重要情報が含まれ、
数秒でもシステムが停止すると投資家にクリティカルに影響を与えてしまう。例えばネットワー
ク機器のバッファーメモリーがいっぱいになって溢れてしまった場合、一般的な業務通信であれ
ばデータを再送すれば済むが、株式売買においては投資判断に支障をきたしたり、約定通知(売
買成立の通知)が遅れたりする可能性がある。日ごろから機器の性能情報を蓄積し、将来的な障
害の予兆を検知して事前に対策することで、トラブルを未然に防ぎ、決して止まってはいけない
システムの安定稼働を実現させている。


◆JP1 との棲み分け
JP1 は障害検知、System Answer は
性能監視という形で使い分けている。
JP1 から挙がってきたアラートメッセ
ージをもとに System Answer で詳細
調査および原因特定をおこなう。System Answer でなければ検知できないエラーパケット、廃棄
パケットなどの性能データのアラートもすべて JP1 に集約して監視している。


◆設定変更作業にかかる時間を大幅短縮
System Answer G3 で実装された自動登録機能により、機種ごとにあらかじめテンプレートを
作っておけば、新しい機器がリンクアップした際に自動で監視を始めることができるようになっ
た。自動登録と CSV 登録を場合に応じて使い分けることで、設定作業に掛かっていた時間を大
幅に短縮することができた。
【今後のプラン】
現在、各ネットワーク区
間のトラフィック量を
日次と月次でまとめた
レポートを作成して分
析し、帯域増強の要否
や、障害の予兆となる挙
動が無いかの判断に使
用している。また、
arrownet のネットワークを提供している一部顧客(金融他機関)に向けたネットワーク使用状況
の定期レポート作成にも活用している。顧客向けレポートは G3 内で機器に紐づけられたユニー
ク ID から各機器のデータを CSV で出力し、専用の Excel マクロで生成している。


System Answer の API オプションでは、ボタンひとつで簡単に Word 形式のレポートを生成す
ることができる。G3 で取得しているデータであればトラフィック量以外の性能情報も取りまと
めることができ、顧客向けレポートの作成においては担当者の工数削減も望めるので、今後はこ
れまでのレポートと G3 のリアルタイム性のあるレポートを併用して、障害のおこらないシステ
ム運用と更なる高度化を目指していきたい。




<企業情報>【アイビーシーについて】
IBC は、2002 年の設立以来、性能監視分野に特化した事業を展開しており、IT システムの稼働状
況や障害発生の予兆などを把握する IT システム性能監視ツールの開発 販売およびコンサルティ

ングを手掛けています。


社 名:アイビーシー株式会社
本 社:〒104-0033 東京都中央区新川 1 丁目 8 番 8 号 アクロス新川ビル 8F
代 表 者:代表取締役社長 加藤 裕之
設 立:2002 年 10 月
事業内容:IT システム性能監視ツールの開発/販売/サポート
IT システムの性能評価サービス
IT システムの設計・構築、コンサルティング
IoT セキュリティ基盤サービスの開発/提供
各種機器、ソフト販売
<本件に関するお問い合わせ>
■アイビーシー株式会社
電話 :03-5117-2780
E-mail:info@ibc21.co.jp

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