JR東日本情報システム様の導入事例を公開

<プレスリリース カテゴリー:サービス導入発表>


2022 年 3 月 1 日
報道関係者各位
アイビーシー株式会社


JR 東日本情報システム様 のシステム運用改善 DX 事例

世界最大級の鉄道事業を支えるシステム安定稼働の取り組み
~ プロアクティブな予防保守対応でサイレント障害の根絶を目指す ~


アイビーシー株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:加藤 裕之、以下 IBC)は、株
式会社 JR 東日本情報システム様のシステム運用改善 DX 事例を公開しました。




利用開始:2018 年 11 月
監視規模・対象:80,000 項目


【導入背景】
JEIS は日本最大の鉄道会社・JR 東日本の根幹となる IT システムを支えるため、複数の監視ツ
ールを駆使してシステムを停止させないための対策に力を入れてきた。全てのシステムを冗長構
成で組み、複数の監視機能や監視製品を組み合わせて IT システムの動作を把握する仕組みを整
備してきた。その結果として、管理するネットワーク環境下における大半の異常検知が可能な状
況になっており、万全の体制で運用をおこなっていた。
しかしながら数年前から「通常通りにネットワークは稼働しているが、なぜか通信遅延が発生し
ている」と言ったような、既存の監視システムでは検知し切れないサイレント障害(ルーターの
エラーパケット増加《※ 下記「サイレント障害事象の例」参照》、インターネット向け回線の輻
輳など)の発生頻度が増加傾向にあり、そのための対応コスト増加に悩んでいた。


さらに、JEIS では原因調査をおこなう際には監視システムに蓄積した過去データを遡って分析し、
原因特定と対策検討をおこない再発防止対策を行っていたが、そのプロセスには膨大な工数が発
生していた。なぜならば必要となるデータの検索と抽出、グラフ化のための二次加工などの作業
を人手でおこなっていたためだ。


なお、その頃 JEIS 社内では次世代データセンターの新規構築計画が進んでいた。本計画内では
運用の改善、高度化も重要なテーマとなっており、前述のサイレント障害への対策や運用業務効
率化の実現もミッションとなっていた。
これらの課題を解決するため、System Answer G3 を導入した。


※ サイレント障害事象の例
システム開発部門や利用ユー
ザーから「業務通信ができない」
と問い合わせがあった。監視シ
ステム上では全く問題がなく、
監視通信の疎通も確認できた。
SSH で接続しても、ルーターの
CPU 負荷やメモリー利用状況
に問題はなかった。
取り急ぎ原因解明よりも復旧を
優先させ、手動でフェイルオーバーを実施した。すると順次業務通信が可能となり、通信が復旧
した。その後の調査で、メインルーターのエラーパケットが増加していたことが判明。
➢ 季節や時間帯・曜日などの要因により、障害と判断するエラーパケットのしきい値を定
められない。 → 可変的なしきい値を設定する必要があった。
➢ TCP 通信(業務通信)が疎通できていない状況だったが監視通信は通っており、異常だ
と検知できなかった。 → さまざまな通信状況を監視する必要があった。


【採用理由】
① 障害予防に必要な分析機能
サイレント障害の検知などを目的とする変動検知機能(ベースライン)が標準機能として
実装されており、カスタマイズ等を必要としないため、負担なく運用開始できる。
② 運用業務効率化を支援するコンサルサービス
製品導入とあわせてレポート自動作成ツールと専門エンジニアによる分析結果報告サービ
スをワンストップで活用することで、障害予防保全に向けた月次のレポーティング運用を効
果的におこなうことができる。


③ 運用者目線の分かりやすい GUI、優れた操作性
必要な時に、誰もが・スピーディに・ほしい情報を確認できるため、属人化のリスクが排
除でき、関係部署間での共有活用ができる。


【効果・感想】
死活 / しきい値監視では気づけない事象をリアルタイムに検知し、復旧時間の短縮に成功
従来の監視システムでは気がつくことが困難であったサイレント障害に対して G3 の変動検
知機能(ベースライン)を用いることで、早期検知、状況把握、原因特定、対策実施、復旧までの
時間が大幅に短くなり、サービスレベル向上、機会損失防止につながっている。


<変動検知機能について>
 収集情報の時間帯、曜日毎の平均値を
自動学習し、ベースラインを作成
 標準偏差を用いた揺らぎを考慮し、稼
働傾向を自動表示
 収集情報と稼働傾向に大きな乖離が
発生した場合には、「いつもと違う動
き」としてアラート通知


クライアントとの情報共有スピードが向上し、安心・安全な業務遂行が実現
クライアント向けの報告や連絡の際に
は、監視システムの情報を都度人手でまと
め上げてレポートを作成しており、タイム
リーな報連相が難しかった。G3 のリアル
タイム性のあるグラフ描画機能や共通
Web ポータル機能を用いることで、レポ
ート作成工数の削減とクライアントから
のさらなる信頼の獲得に成功した。
【更なる高度化への取り組み】
サイレント障害への対策を共同で研究開発
変動検知機能(ベースライン)を活用したサイレント障害の検知と分析精度向上のため、JEIS
はアイビーシーと定期的に意見交換を重ね、下記の機能改良企画を進めてきた。
・「祝日」「イベント」などのイレギュラーなデータによって発生する誤検知アラートの抑制
・過去の特定期間のベースラインを活用した比較検知
この改良版変動検知機能は、2022 年 1 月に製品へ実装された。




<企業情報>【アイビーシーについて】
IBC は、2002 年の設立以来、性能監視分野に特化した事業を展開しており、IT システムの稼働状
況や障害発生の予兆などを把握する IT システム性能監視ツールの開発 販売およびコンサルティ

ングを手掛けています。


社 名:アイビーシー株式会社
本 社:〒104-0033 東京都中央区新川 1 丁目 8 番 8 号 アクロス新川ビル 8F
代 表 者:代表取締役社長 加藤 裕之
設 立:2002 年 10 月
事業内容:IT システム性能監視ツールの開発/販売/サポート
IT システムの性能評価サービス
IT システムの設計・構築、コンサルティング
IoT セキュリティ基盤サービスの開発/提供
各種機器、ソフト販売


<本件に関するお問い合わせ>
■アイビーシー株式会社
電話 :03-5117-2780
E-mail:info@ibc21.co.jp

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