全国初、宮崎県西米良村にて佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸3社との村営バスによる貨客混載を3月23日から開始

2020 年 3 月 23 日
西米良村
佐川急便株式会社
日本郵便株式会社
ヤマト運輸株式会社
日本工営株式会社



全国初、宮崎県西米良村にて佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸3社との
村営バスによる貨客混載を 3 月 23 日から開始します
~村営バス(自家用有償運送)による貨客混載を経由した、
西米良村の配送事業「ホイホイ便」の本格運行開始~

宮崎県西米良村、佐川急便株式会社(以下「佐川急便」、日本郵便株式会社(以下「日本郵便」、ヤ
) )
マト運輸株式会社(以下「ヤマト運輸」(社名は50音順で列記)と日本工営株式会社(以下「日本工

営」 は、
) 宮崎県西米良村の小川地区にて村営バス(自家用有償旅客運送車両によるコミュニティバス)
による、貨客混載を経由した配送事業「カリコボーズのホイホイ便」
(以下「ホイホイ便」)の本格運行
を、2020(令和2)年3月 23 日よりスタートいたします。
ホイホイ便は、西米良村の中心部である村所地区から小川地区までの約 21km の区間で、旅客と宅配
荷物を村営バスに載せた貨客混載として運行したのち、小川地区で村の委託配達員が村営バスから宅配
荷物を受取り、各戸へ配達いたします。
西都市~西米良村(村所驛)間では、宮崎交通株式会社(以下「宮崎交通」
)とヤマト運輸、日本郵便
による貨客混載が既に実施されており、ホイホイ便の運行開始により、西米良村は複数の貨客混載を運
行する地域となります。
ホイホイ便は、各社の宅配荷物の共同配送のほか、地区住民や村内事業者が、村所地区と小川地区の
間で荷物の輸送(以下「村内便」)を行う手段としても活用します。
貨客混載の取組は、既に全国各地で実施されていますが、佐川急便、日本郵便、ヤマト運輸の3社が
共同で実施する取組は全国初であり、また、村営のコミュニティバス(白ナンバー)で実施することは極
めて画期的な取組となります。
このような人とモノの移動統合化の取組みにより、人口減少および高齢化が進展する地域での効率的
な配達モデルの確立、村営バスの維持、村内の物流サービスの円滑化、CO2の排出量の抑制による環
境負荷の低減、委託配達員による高齢者の見守りなど、総合的な住民サービスの展開・向上を行ってま
いります。
なお、ホイホイ便実施に至る調査検討及びコーディネートに関しては、日本工営福岡支店が技術支援
を行っております。





背 景
西米良村の北東部に位置する小川地区(総世帯数 55 世帯・人口 87 人、令和 2 年 2 月末現在)は、高
齢化率が約 58%と高い地区で、人口減少及び少子高齢化が進展する中、生活サービスを維持していくた
めの仕組みづくりが必要となっています。
現在、当該地区は、自家用有償旅客運送によるコミュニティバス(白ナンバー)として村営バス小川
線が平日に1日3往復、土日祝日に1日1往復運行していますが、人口減少により輸送人員が低迷し、
運営が厳しい状況にあります。一方、宅配事業者にとっては、集配効率が低下しつつある状況となって
います。

検討の経緯
上記の背景から、過疎地において人とモノの輸送を同時に行う貨客混載事業、かつ宅配荷物の共同配
送に取り組むことで、小川地区の輸送系サービス水準を維持するとともに、村営バス運行関係者および
宅配事業者の負担軽減を図る仕組みの確立を目指し、2010(平成 22)年から日本都市計画学会九州支部
に設置された研究分科会にて独自に可能性の調査が実施され、検討が積み重ねられてきました。
その成果をもとに、2015(平成 27)年に「地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築に関するモ
デル事業」
(国土交通省)の採択を得て、
「ホイホイ便プロジェクト協議会」
(会長:吉武哲信九州工業大
学教授)が立ち上げられ、関係機関・事業者を巻き込んだ本格的な検討が開始されました。
2018(平成 30)年度は、宮崎県の地域公共交通生産性向上促進事業に基づき「貨客混載促進検討会」
(委員長:吉武哲信九州工業大学教授)を立ち上げ、その中で貨客混載事業の可能性調査等を実施して
当該地区を選定しました。国土交通省九州運輸局宮崎運輸支局からは、村営バスによる少量貨物有償運
送の許可(道路運送法第 78 条第 3 号)をいただき、ご指導を賜りながら、2019(平成 31)年 3 月に日
本郵便とヤマト運輸の協力のもと、実証運行を実施しました。
この間の広域的な動きとして、2015(平成 27)年 10 月より、宮崎交通とヤマト運輸が、西都市と西米
良村を結ぶ路線バスで宅配荷物を輸送する貨客混載事業を開始しました。2018(平成 30)年 2 月には、
日本郵便が加わり、国内初の路線バスによる宅配事業者 2 社の荷物の共同輸送を開始するなど、過疎地
を対象にした物流効率化に向けた取組が行われてきました。
貨客混載の面から見ると、このたび本格運行を開始するホイホイ便は、西都市から西米良村までの宮
崎交通バスによる「本線」に対し、西米良村の中心部と小川地区を結ぶ「支線」を村営バスで担う位置
づけとなります。
なお、2017(平成 29)年9月の制度改正により、貸切バスやタクシーなどで貨物輸送と旅客輸送の「か
けもち」が可能になり、かつ積載可能な貨物量の上限(350kg)の緩和など、貨客混載事業に係る規制が大
きく緩和される傾向にあり、事業を推進する上では追い風となっています。
全国的に人口減少が進行する中、貨客混載の仕組みを活用することで、過疎地での輸送サービスを持
続可能なものにする1つのモデルを確立していきたいと考えています。

【お問い合わせ】
西米良村役場 むら創生課 TEL:0983-36-1111
佐川急便株式会社 東京本社 経営企画部 広報課 TEL:03-3699-3614
日本郵便株式会社 経営企画部 広報室 報道担当 TEL:03-3477-0546
ヤマト運輸株式会社 広報戦略部 TEL:03-3543-3411
日本工営株式会社 コーポレートコミュニケーション室 TEL:03-5276-2454



【参考資料】

位置図

小川地区


「ホイホイ便」運行区間
(村所⇔おがわ作小屋村 約 21km)




宮崎交通 村所線(西都市~西米良村)

西米良村営バス 小川線





事業の概要

1.村所地区⇒越野尾地区⇒小川地区

村所地区および越野尾地区において、村営バスの後部空きスペースに宅配荷物を積み込み、そこ
から小川地区まで人とモノの両方を載せた「貨客混載」運行を行います。小川地区の集落拠点施設
「おがわ作小屋村」の前で、村の委託配達員が村営バスから宅配荷物を引き取り、小川地区内の各
戸へ配達します。
小川地区へ輸送する宅配荷物の積み込み場所は、以下の通りです。
・佐川急便、ヤマト運輸:湖の駅(越野尾地区)
・日本郵便:村所郵便局(村所地区)
・村内便 :村所驛(村所地区)



2.小川地区⇒村所地区

村の委託配達員が、小川地区の郵便ポストから収集した郵便物、および地区の住民から集荷した
荷物を、集落拠点施設「おがわ作小屋村」の前で村営バス上り便(村所行)に積み込み、村所地区
まで人とモノの両方を載せた「貨客混載」運行を行います。
村所地区における荷下ろし場所は、以下の通りです。
・日本郵便:村所郵便局
・村内便:村所驛



ホイホイ便のイメージ

小川地区
一般住民等
(加工品・農作物含む)
中心拠点 集落拠点
配送 (おがわ作小屋村)
依頼 持ち込まれた荷物の
一時保管、村営バス
商店・商工会 への受け渡しを行う


宅配事業者
集配委託 地区内は村の 買物支援
・接続 【拠点となる施設】 村営バス 委託配達員が 集荷支援
村所地区:村所驛 配達 見守りサービス, etc.
越野尾地区:湖の駅 ヒトとモノの輸送



西都方面からの
客貨混載便
※ヤマト運輸・日本郵便の
貨物を混載輸送



交通事業者
(宮崎交通)



ホイホイ便実証運行(平成 31 年3月)の様子

①村所地区 ⇒ 越野尾地区 ⇒ 小川地区

村所地区
(村所驛)


小川へ運ぶ荷物を積載 村所驛を出発




越野尾地区
(湖の駅)


ヤマト運輸の荷物を 村営バスにヤマト運輸
受取り、一時保管 の荷物を積載




小川地区
(作小屋村前)


村の委託配達員が 配達完了
荷物を受取り


②小川地区 ⇒ 村所地区

小川地区
(作小屋村前)


地区の郵便ポストから収集
郵袋を村営バスに積載
した郵便物を郵袋に収納



村所地区
(村所郵便局)



村営バスが郵便局前に 郵便局員が郵袋を受取り、
到着 輸送完了

ホイホイ便プロジェクト協議会・貨客混載促進検討会 構成員

構成員
九州工業大学大学院工学研究院 教授 吉武 哲信
大分大学経済学部 教授 大井 尚司
日本郵便(株)九州支社
日本郵便(株)村所郵便局
ヤマト運輸(株)宮崎主管支店
佐川急便(株)高鍋営業所
宮交ホールディングス(株)
宮崎交通(株)
(一社)宮崎県タクシー協会
(一社)宮崎県トラック協会
小川作小屋村運営協議会
西米良村商工会
西米良村村民課
西米良村福祉健康課
西米良村むら創生課 (ホイホイ便プロジェクト協議会 事務局)

国土交通省九州運輸局宮崎運輸支局
宮崎県総合交通課 (貨客混載促進検討会 事務局)

宮崎県中山間・地域政策課
日本工営(株)福岡支店 (ホイホイ便プロジェクト協議会及び貨客混載促進検討会 事務局)





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