製造業に精通したデータサイエンティストの育成に向けて滋賀大学と共同研究を開始

2020 年 10 ⽉ 29 ⽇
各 位
会 社 名 住友⾦属鉱⼭株式会社
代表者名 代表取締役社⻑ 野崎 明
(コード番号 5713 東証第 1 部)
問合せ先 広報 IR 部 草薙 英昭
(TEL. 03−3436−7705)


製造業に精通したデータサイエンティストの
育成に向けて滋賀⼤学と共同研究を開始


住友⾦属鉱⼭株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:野崎 明、以下「当社」)
と国⽴⼤学法⼈滋賀⼤学(本部:滋賀県彦根市、学⻑:位⽥ 隆⼀、以下「滋賀⼤学」)
は、このほど製造プロセスのデータ解析教育に関する共同研究を開始いたしました。
本共同研究では、データサイエンスを学ぶ学⽣に、実際の製造現場に近いプロセスの解
析⽤データを作成する実験機会を当社が提供することで、実践的なデータ解析の教材を開
発することを⽬的としています。本取組みを通じ、産学連携で製造業に精通したデータサ
イエンティストの育成を⽬指します。


滋賀⼤学は、⽇本で初めて「データサイエンス学部」を設置し、これまで多様な業種の
企業と連携しながら、データ分析や⼈材育成の分野で成果を挙げてきました。今般、当社
を実践的な教育に資する協⼒ができる企業と評価いただき、共同研究の開始に⾄りまし
た。


両者は、製造プロセス解析実習⽤に模擬プロセスデータを提供するための共同研究契約
を締結し、2020 年 9 ⽉に当社から滋賀⼤学データサイエンス学部河本薫教授の研究室へ実
験装置を提供して本格的に共同研究を開始しました。


具体的には、晶析(結晶の発⽣と成⻑)プロセスを例に、粒度分布や粒径の経時データ
を採取しながら、実際の製造現場で発⽣するそれらの調製等の課題を、データ解析により
解決する実証実験を⾏います。
当社が滋賀⼤学へ提供した装置は、晶析プロセスで微粉の結晶を作成しながらリアルタ
イムに粒度測定できるもので、反応条件の変化と粒度分布の変化の因果関係をデータ解析
できます。任意に晶析条件を変えることで、教えたい解析技術に応じたデータを作成可能
です。


近年、製造業においては AI や IoT などデジタル化の急速な進展によって、取り扱うデ
ータ量も膨⼤かつ複雑化しています。そうしたなか、データに基づき製造現場の課題を解
決するデータサイエンティストの重要性が⾼まっています。しかし、データ解析の結果を
製造現場で活⽤するためには、統計的な分析能⼒だけでなく、操業に関する専⾨知識や課
題解決に資するデータを⾒極める 技術が必要です。
これまで当社においても、⼦会社のタガニート HPAL 社のオートクレーブ⼯程や脱亜鉛
⼯程におけるデータ活⽤など、IoT からデータ解析までを実現させるための様々な技術開
発を⾏い、実応⽤に⾄るまでの⼀通りの技術開発の⽬処が⽴ちました。今後、培ったデー
タ解析技術を様々な製造プロセスの品質管理および予防保全へ応⽤するために、本格的な
データ解析が活⽤できるデータサイエンティストの⼈材確保と育成が課題になっていま
す。今回の共同研究は、データサイエンスを教える⼤学が⾃ら製造プロセスの模擬データ
を作成し学⽣に⽣きた教材を提供できるようになる、おそらく世界初の⾮常に画期的な試
みです。これにより「統計解析系の基礎教育」のみならず「実践的な製造業向けの応⽤教
育」が可能になります。


両者では、本共同研究を通じて、製造業に精通したデータサイエンティストの育成に取
り組み、⽇本のものづくり⼒強化に貢献してまいります。また、当社においては、本取組
みを通じて「2030 年のありたい姿」で掲げている「⾼い技術⼒で資源を⽣み出す企業」の
実現を⽬指してまいります。




(当社提供の実験⽤装置を囲んで)
以 上

4781