三菱マテリアル株式会社とのリチウムイオン電池リサイクルにおける共同開発に関するお知らせ-ブラックマスからのレアメタル精製技術を確立し事業化へ-

2022年12月2日
会 社 名 株式会社エンビプロ・ホールディングス
代 表 者 名 代表取締役社長 佐 野 富 和
(コード番号:5698 東証プライム)
問 合 せ 先 取締役 管理管掌 竹 川 直 希
(TEL. 0544-21-3160)


三菱マテリアル株式会社とのリチウムイオン電池リサイクルにおける
共同開発に関するお知らせ
~ブラックマスからのレアメタル精製技術を確立し事業化へ~


当 社 及 び 当 社 連 結 子 会 社 の 株 式 会 社VOLTA(本 社 : 静 岡 県 富 士 市、代 表 取 締 役 社 長 : 今 井 健 太、以 下
「VOLTA」、当社とVOLTAを総称して「当社グループ」)は、三菱マテリアル株式会社(本社:東京都千代田
区、執行役社長:小野直樹、以下「三菱マテリアル」)と、事業化を前提とした、リチウムイオン電池(以下
「LIB」)のリサイクル工程で製造されるブラックマス(*1)を原料としてリチウム、コバルト、ニッケルを
回収・精製する湿式製錬技術の開発に着手しましたのでお知らせいたします。

(*1:LIBを放電・乾燥・破砕・選別したリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓)




1.背景
レアメタルを含有するLIBは、スマートフォンなどのモバイル機器や家電製品に広く利用されています。ま
た、ハイブリッドを含む自動車のEV化により、これからもLIBの需要は拡大していく見込みです。

一方で、主要な電池材料であるリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルは近い将来の供給不足が懸
念され、地下資源の開発に加え、材料のリサイクルや代替材料の開発などの対策が、産業界全体における成長
戦略の重要な課題となっています。


2.共同開発の主な目的
本共同開発では、相互に培ってきたノウハウと湿式製錬技術を融合することで開発を加速し、ブラックマス
を原料として、レアメタル回収の事業化に向けた技術開発に取り組みます。これらレアメタルを高効率で回収
するリサイクル技術の確立により、LIBの処理からLIB材料の安定供給まで一貫したLIB to LIBのリサイクルシ
ステムの構築に貢献してまいります。


3.共同開発内容
当社グループ、三菱マテリアルによる共同開発となり、LIBのリサイクル工程で製造されるブラックマスか
らのリチウム、コバルト、ニッケルの高効率回収プロセスの確立を目指します。
図:LIBリサイクルフローと共同開発領域


4.代表者コメント

株式会社エンビプロ・ホールディングス 代表取締役社長 佐野富和

リチウムイオン電池のリサイクル分野は中国や韓国が先行していち早く事
業化し、年々その規模を拡大しつつあります。

一方日本ではLIBリサイクルの一次加工にあたるブラックマス製造を担う
会社は複数あるものの、次の工程である製錬分野で事業化している会社はま
だありません。

三菱マテリアル社との今回の共同開発契約は、LIB to LIBのクローズド
ループ実現を目的にしており、資源安全保障の観点からも国益にかなう取り
組みです。

当社はリサイクル業界で70年余に渡り生業を営んできました。私はこの
際、これまで培ってきたリサイクル技術やノウハウを惜しみなく提供して本
プロジェクトを必ずや成功裡に導く覚悟です。

三菱マテリアル株式会社 執行役常務 髙柳喜弘

当社はこれまでも、銅製錬所におけるシュレッダーダストやE-Scrapの
処理、家電リサイクル工場への出資をはじめとして、各事業分野において
リサイクルを積極的に推進してまいりました。

このたびエンビプロ・ホールディングス社とともに、湿式製錬によるリ
チウムイオン電池のブラックマスからのレアメタル回収という新たなリサ
イクルの事業化に向けて共同開発することとなりました。

当社がこれまで培ってきた製錬技術を最大限に活かして本プロジェクト
を成功させ、早期の事業化を目指すとともに、リチウムイオン電池材料の
安定供給とそのリサイクルシステムの構築に貢献していきます。
5.会社概要

(1) 名 称 株式会社エンビプロ・ホールディングス

(2) 所 在 地 静岡県富士宮市田中町87番地の1

(3) 代 表 者 代表取締役社長 佐野 富和

傘下事業会社(総合リサイクル、トレーディング、障がい福祉、 環境コンサルティング
(4) 事 業 内 容
他)の経営管理、 並びにそれに付帯する業務

(5) 資 本 金 15億 2,483万 656円

(6) 設 立 2010年

(7) URL https://www.envipro.jp/



(1) 名 称 株式会社VOLTA

(2) 所 在 地 静岡県富士市大野 55-1

(3) 代 表 者 代表取締役社長 今井 健太

(4) 事 業 内 容 リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の充電式電池のリサイクル事業

(5) 資 本 金 4億円

(6) 設 立 2018年

(7) 株 主 株式会社エンビプロ・ホールディングス 100%

(8) URL https://www.env-volta.jp/



(1) 名 称 三菱マテリアル株式会社

(2) 所 在 地 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号

(3) 代 表 者 執行役社長 小野 直樹

(4) 事 業 内 容 銅加工事業、電子材料事業、加工事業、金属事業、環境・エネルギー事業

(5) 資 本 金 1,194億 5,700万円

(6) 設 立 1950年

(7) URL https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/



6.今後の見通し

本共同開発は、中長期的に当社グループの業績及び企業価値の向上に資するものと考えておりますが 2023
年6月期に与える影響は軽微です。今後、本件に関してお知らせすべき事項が生じた場合は、速やかにお知ら
せいたします。



7.本件に関するお問い合わせ先
株式会社エンビプロ・ホールディングス 経営企画部

TEL:0544-21-3161

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