セラミックス封止用レーザーガラスフリットの開発

2016 年 5 月 27 日
日本電気硝子株式会社




セラミックス封止用レーザーガラスフリットの開発


日本電気硝子株式会社(本社:滋賀県大津市 社長:松本元春)は、従来品より熱膨張係数が低く、
セラミックスへの濡れ性*1 を向上させたレーザーガラスフリットを世界で初めて開発し、サンプル
出荷を開始しました。 月 1 日から開催される
6 「JPCA Show 2016
(第 46 回国際電子回路産業展)

(於:東京ビッグサイト)に出展します。
(*1 濡れ性: 部材表面に均質に広がり強固に固着(反応)する性質)


イメージセンサや LED など、光の透過性が求められる半導体素子のセラミックスパッケージには、
透明なガラスリッド(ふた)とセラミックス製キャビティ(容器部)が使用され、それらの部材の
封止には、低温で封止できる樹脂が使われるのが一般的です。しかしながら、樹脂による封止は、
強度や気密性、耐久性に課題があり、高い信頼性が必要な用途では非常に高価な金スズハンダが封
止材料として使われています。一方、レーザーガラスフリットは、レーザー光を封止部に局所照射
することで、実装した素子に熱ダメージを与えないことが最大のメリットですが、従来品はセラミ
ックスとの熱膨張差や濡れ性の悪さから、レーザー出力を上げなければならず、結果としてガラス
リッドが熱衝撃で割れやすいなどの問題点がありました。


このような中、当社はガラスリッドとセラミックス製キャビティとの封止に最適なレーザーガラ
スフリットの開発に成功しました。


<本製品の特長と、得られる効果>
① セラミックスに近い熱膨張係数(6.5~7.2ppm/℃)
(従来品比10%低減、当社調べ)
(効果)
・封止後の降温過程における各部材の収縮差が低減し、
部材の破損が減少
② セラミックスとの濡れ性に優れる
(効果)
・レーザー出力を10%低減(従来品比、当社調べ)
できるため、低温での封止が可能となり、熱衝撃に
よるガラスリッドの割れを抑制 レーザーガラスフリットの使用例
<今後のビジネス展開>
殺菌装置などでの用途拡大が期待される深紫外 LED においては、パッケージの封止材料を、樹脂
からレーザーガラスフリットに置き換えることで、深紫外 LED の信頼性向上や長寿命に貢献できま
す。また、過酷な環境での長期信頼性が必要な車載用セラミックスパッケージや 2 枚のガラス基板
で発光素子を封止する有機 EL に使用すれば、レーザー封止工程のタクトタイム短縮や歩留まり向上
が期待できます。


<当社からのご提案>
当社からは、今回開発したレーザーガラスフリットに加え、このレーザーガラスフリットと有機
溶剤を均一分散させたペースト、レーザーガラスフリット塗布済みガラスリッド(様々な熱膨張係
数に対応可能)、および LTCC*2製キャビティの提供が可能であり、セラミックスパッケージへの
様々なご要望にお応えできます。
(下記参考図、青字部分ご参照下さい。)
(*2 LTCC: Low Temperature Co-fired Ceramics、低温同時焼成セラミックス)




<深紫外 LED パッケージの組み合わせ例(ご参考)>


高膨張紫外線高透過ガラス(当社開発品) 紫外線高透過ガラス(当社開発品)
熱膨張係数:6.6ppm/℃ 熱膨張係数:4.2ppm/℃
レーザーガラスフリット



LED 素子




紫外線高反射 LTCC(当社開発品) アルミナ 窒化アルミニウム
熱膨張係数:6.6ppm/℃ 熱膨張係数:7.0~7.4ppm/℃ 熱膨張係数:4.6ppm/℃




日本電気硝子株式会社 〒520-8639 滋賀県大津市晴嵐二丁目 7 番 1 号
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