出光興産、OPTCおよび丸紅によるバイオマスPTAのサプライチェーン構築について

2023 年 12 月 21 日
各 位
会 社 名 出 光 興 産 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長 木 藤 俊 一
(コード番号:5019 東証プライム市場)
問 合 せ 先 経理財務部 IR 室長 茂 木 大 輔
(TEL : 03 - 3213 - 9307)


出光興産、OPTC および丸紅によるバイオマス PTA のサプライチェーン構築について
- ペットボトルなどの原料となる PET 樹脂のバイオマス化に寄与 -


出光興産株式会社(以下、「出光興産」)、Oriental Petrochemical (Taiwan) Co., Ltd.(以下、「OPTC」)、
丸紅株式会社(以下、「丸紅」)の 3 社は、植物などを由来とするバイオマスナフサを原料とした、バイオマス
高純度テレフタル酸(*1)(以下、「バイオマス PTA」)のサプライチェーンを構築することに合意しました。
バイオマス PTA の製造は、台湾において 2024 年の開始を予定しています。台湾でのバイオマス PTA の
製造は初めての事例です。




本事業のサプライチェーン図

本サプライチェーンでは、出光興産がマスバランス方式(*2)にてバイオマスナフサからバイオマスパラキ
シレン(*3)(以下、「バイオマス PX」)を製造します。PET 樹脂において世界有数の製造会社である Far
Eastern New Century Corporation のグループ会社で、PTA メーカーの OPTC がバイオマス PX を原料とし
てバイオマス PTA を製造します。丸紅は、サプライチェーン構築における全体のマネジメントやバイオマス製
品のマーケティングを担います。


PET 樹脂はペットボトルなどの原料となるプラスチックで、約 70%の PTA と約 30%のエチレングリコールで
構成されています。バイオマス PTA とバイオマスエチレングリコールを使用することにより、100%バイオマス
由来の PET 樹脂の製造が可能となります。バイオマスエチレングリコールは、既に普及しているバイオマス
エタノールを原料とするため製造が進んでいますが、PTA のバイオマス化が課題となっていました。
本サプライチェーンでは、PTA の原料である PX をバイオマス化することで PET 樹脂のバイオマス化に向
けた課題を解決するとともに、CO2 排出量の削減に寄与します。


バイオマスナフサは、植物を由来とする原材料などから製造されることから、石油由来のナフサと比べて
CO2 排出量を抑制することが可能です。出光興産が製造するバイオマスナフサ由来のバイオマス PX は、
持続可能な製品であることを証明する国際認証「ISCC PLUS 認証」(*4)を取得しています。また OPTC も、
2024 年に「ISCC PLUS 認証」を取得予定です。


3 社は、今回新たに構築したサプライチェーンを通して、プラスチック産業の CO2 削減および低炭素社会
の早期実現に貢献していきます。




(*1)高純度テレフタル酸(PTA):芳香族カルボン酸の一つ。PTA(約 70%)とエチレングリコール(約 30%)
を反応させることでポリエチレンテレフタラート(PET)が作られる。PET 樹脂はポリエステル繊維やペット
ボトル用樹脂の原料となる。
(*2)マスバランス方式:原料から製品への加工・流通工程において、ある特性を持った原料(例:バイオマス
由来原料)がそうでない原料(例:石油由来原料)と混合される場合に、その特性を持った原料の投入
量に応じて、製品の一部に対してその特性の割り当てを行う手法。複数の生産工程を経て製品化に至
る化学産業では、サプライチェーンのバイオマス化を推進させる手段としてマスバランス方式が有効とさ
れている。




(*3)パラキシレン(PX):芳香族炭化水素の一つ。ポリエステル繊維やペットボトル用樹脂の原料となる高純
度純度テレフタル酸(PTA)の原料として用いられる。
(*4)ISCC PLUS(International Sustainability and Carbon Certification)認証:バイオマスなどの持続可能な
原材料を用いた製品のサプライチェーンを管理・担保する国際的な制度、マスバランス方式の採用が
認められている。
<出光興産概要>
会社名 :出光興産株式会社
本社所在地 :東京都千代田区大手町一丁目 2 番 1 号
設立 :1940 年(創業年:1911 年)
代表者 :木藤 俊一
事業内容 :燃料油、石油化学、潤滑油、電子材料、電力・再生可能エネルギー、石油・ガ
ス開発、石炭などの分野でグローバルに事業を展開
ウェブサイト :https://www.idemitsu.com/jp/




<OPTC 概要>
会社名 :Oriental Petrochemical Taiwan Co., Ltd.
本社所在地 :台湾、桃園市觀音區觀音工業區經建四路 47 號
設立 :1987 年
代表者 :Eric Chueh
事業内容 :台湾最大の PTA 製造能力を持つ OPTC は、Far Eastern New Century Group (FENC
Group)の 1 社であり、同グループ石油化学部門の中枢を担う。FENC Group は台湾を
代表するコングロマリット企業であり、石油化学をはじめ、化繊・紡織・アパレル・
セメント・ホテル・金融など、多角的に事業を展開
ウェブサイト :http://pta-trade.com.tw/product.htm


<丸紅概要>
会社名 :丸紅株式会社
本社所在地 :東京都千代田区大手町一丁目 4 番 2 号
設立 :1949 年
代表者 :柿木 真澄
事業内容 :ライフスタイル、情報ソリューション、食料、アグリ事業、フォレストプロ
ダクツ、化学品、金属、エネルギー、電力、インフラプロジェクト、航空・
船舶、金融・リース・不動産、建機・産機・モビリティ、次世代事業開発、
次世代コーポレートディベロップメント、その他分野における輸出入(外国
間取引を含む)及び国内取引、各種サービス業務、内外事業投資や資源開発
等の事業活動を多角的に展開
ウェブサイト :https://www.marubeni.com/jp/


以 上

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