HIF社と合成メタノール(e-メタノール)に関する共同検討を開始

2023 年 12 月 1 日
各 位
会 社 名 出 光 興 産 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長 木 藤 俊 一
(コード番号:5019 東証プライム市場)
問 合 せ 先 経理財務部 IR 室長 茂 木 大 輔
(TEL : 03 - 3213 - 9307)

HIF 社と合成メタノール(e-メタノール)に関する共同検討を開始

出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤 俊一、以下「当社」)は、南
米・北米・豪州などで合成燃料(e-fuel)の製造を行う HIF Global の子会社である HIF USA と、同グ
ループからの合成メタノール(e-メタノール)の調達および合成メタノールの事業開発に向けた検討
に共同で取り組むことを合意しました。


合成メタノール(e-メタノール)は、大気中などから回収した CO2 と再生可能エネルギー由来の水
素を合成することで生成されます。需要が今後も拡大すると見込まれる船舶燃料として直接利用する
ことができるほか、合成メタノールからは、合成ガソリン、合成 SAF(Sustainable Aviation Fuel:
持続可能な航空燃料)、合成ディーゼルなどの合成燃料(e-fuel)や、合成化学品を選択的に製造す
ることが可能です。化石燃料から製造されるメタノールと異なり CO2 そのものを原料とするため、最
終製品の利用までを含めた製品ライフサイクル全体において、低炭素化に大きく寄与します。


HIF USA は米国テキサス州マタゴルダにおいて、年産 140 万トン規模の合成メタノール製造施設の
起ち上げに取り組んでいます。当社は本年3月に HIF Global と合成燃料分野における戦略的パート
ナーシップに関する MOU を締結し、同グループと合成燃料の早期社会実装に向けて各種検討を進めて
きました。本合意はその進捗の一環であり、今回、同グループからの合成メタノールの調達および合
成メタノールの事業開発に向けた検討に共同で取り組むことを合意しました。


メタノールは常温常圧下で液体であり、貯蔵・輸送・供給においては、タンクやパイプラインなど
当社の既存設備の活用が可能です。当社は、環境負荷が少なく高い汎用性を持つ合成メタノールのサ
プライチェーン構築を目指し、安価な再生可能エネルギーを利用して合成メタノールの製造が行える
海外からの調達や、船舶燃料用途としての需要開拓と補油(バンカリング)設備の整備、国内での合
成燃料・合成化学品の生産についての検討を加速します。




合成メタノールサプライチェーンのイメージ
HIF 社による当社訪問時の写真
(左から、当社CNX戦略室長 田中洋志、当社取締役 澤正彦、HIF Global President and CEO Cesar Norton、当社代表取締役社長
木藤俊一、HIF Global COO Clara Bowman、当社代表取締役副社長 丹生谷晋、HIF Asia Pacific CEO Ignacio Hernandez)




当社は 2022 年 11 月に発表した「中期経営計画(2023~2025 年度)」において、下記3つの事業領
域の社会実装を通じ、事業ポートフォリオ転換を推進することを表明しました。




本取り組みは当社が掲げる 2050 年のカーボンニュートラル社会の実現に向けた3つの事業領域の
うち「一歩先のエネルギー」「多様な省資源・資源循環ソリューション」の開発と社会実装に向けた
取り組みと位置付けています。


■HIF について
HIF Global は、低コストの再生可能エネルギーをベースに、水素を既存のインフラで輸送・利用可
能な液体合成燃料に変換するプロジェクトを推進する、世界有数の企業です。HIF という社名は「地
球の脱炭素化を可能にする Highly Innovative Fuels を提供する」という会社の理念を表しており、
HIF Latam、HIF USA、HIF Asia Pacific、HIF EMEA など、グローバルに事業を展開しています。2022
年 12 月にチリのマガジャネスにある Haru Oni 実証プラントから初めての合成燃料の生産を成功させ
ており、2024 年には米テキサス州での商業規模の HIF Matagorda プラントの建設を開始する予定で
す。また、HIF Global にとって豪州で初となるタスマニア州でのプラント建設を、2022 年 7 月に発
表しています。 URL:https://hifglobal.com/
以上

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