SAF原料の確保と北米でのビジネス展開を視野に全農グレインと協業

2024 年4月 11 日
各 位
会 社 名 出 光 興 産 株 式 会 社
代 表 者 名 代表取締役社長 木 藤 俊 一
(コード番号:5019 東証プライム市場)
問 合 せ 先 経理財務部 IR 室長 茂 木 大 輔
(TEL : 03 - 3213 - 9307)


SAF 原料の確保と北米でのビジネス展開を視野に全農グレインと協業

出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤俊一、以下「当社」)は、全国農業協
同組合連合会の子会社である全農グレイン株式会社(本社:米国・ルイジアナ州コビントン市、以下:全農グ
レイン)と、「SAF サプライチェーン構築の戦略的協力」に関する覚書(MOU)を、このたび締結しました。本締
結は、持続可能な航空燃料(SAF)製造技術のひとつである HEFA※1技術向けの多様な植物油原料確保を
目的としており、今後、北米での SAF ビジネス展開を目指すと共に、国内への植物油原料供給も視野に検討
していきます。




協業のイメージ図


SAF の需要拡大に対応するためには、製造技術の確立とフレキシブルな原料調達が必要です。当社は、
2030 年までに年間 50 万 KL の SAF 供給体制構築を目標として掲げており、千葉事業所内にて GI 基金を
活用した ATJ※2 技術導入による実証生産、徳山事業所内にて HEFA 技術による SAF 製造の検討を実施し
ています。
HEFA 技術には原料として植物油等が使用されておりますが、SAF 需要の世界的な拡大需要に対応して
いくには、HEFA 原料油の確保が課題となっています。今回、原料油の確保を目的に、米国において穀物メ
ジャーに匹敵する規模で事業展開する全農グレインと協業することで、大豆油を中心とした植物油・その裏作
でカバークロップ(緑肥)として栽培される非可食油糧種子由来の植物油の活用を検証します。


協業内容は以下の通りです。


・米国および日本において、全農グレインが扱う大豆を搾油し、HEFA 原料とする SAF ビジネス機会の開
発および当社の SAF 製造への原料供給
・北米での油糧種子原料(大豆の裏作としてカメリナ・カリナタ・冬作菜種※3 を想定)の商業化に向けた検
討、実証実験および開発
・原料として利用するポンガミア※4の搾油残滓の日本国内での飼料としての利用研究
当社は、SAF 製造技術の確立、原料の多様化を通し、国産 SAF の社会実装を推進します。また、長期的
には、SAF ビジネスのみならず国内において使用済みプラスチックの回収など、多様で地球環境に優しい
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、全国農業協同組合連合会との協業の検討を進めて参ります。


※1 HEFA: Hydroprocessed Esters and Fatty Acids

植物油などを水素化処理して得られる水素化エステル・脂肪酸。この製造技術・プロセスは、SAF の国際規格「ASTM D7566

Annex2」として認証されている。

※2 ATJ:Alcohol to Jet

エタノールから SAF を製造する技術・プロセスで、SAF の国際規格「ASTM D7566 Annex5」として認証されている。

※3 カメリナ・カリナタ・冬作菜種:

非可食用のアブラナ科の植物。大豆・とうもろこし・小麦等の輪作作物としても使用される。

※4 ポンガミア:

東南アジアやオセアニアに分布する非可食のマメ科植物。種子からの油収量効率の高い樹木であり、SAF 原料としての活用が

期待されている。



■全農グレイン 概要
(1) 所在地 :1127 Highway 190, East Service Road Covington, LA 70433, United States of America
(2) 代表者 :社長&CEO チャールズ・コルバート
(3) 事業内容 :1979 年に全国農業協同組合連合会グループの米国における日本向け穀物輸出基地
として設立。保有する穀物輸出エレベーターや内陸集荷基盤の増強を図り、世界最大
の船積能力を有する施設として強固な集荷・輸送・輸出の一貫サプライチェーンを構
築。

以 上




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