オートタキシン阻害性アプタマーによる増殖性硝子体網膜症の予防効果の発見

News Release


2023 年 11 月 7 日
各 位
株式会社リボミック
(コード番号:4591 東証グロース)


オートタキシン阻害性アプタマーによる増殖性硝子体網膜症の予防効果の発見


株式会社リボミック(東京都港区、代表取締役社長 中村義一、以下「リボミック」)と日
本大学医学部視覚科学系眼科学分野・長岡泰司教授(現 旭川医科大学教授)との間で進め
てきました増殖性硝子体網膜症(PVR)の予防薬の開発研究において、当社の開発品 RBM-
006(抗オートタキシン・アプタマー)に優れた PVR 予防作用があることが明らかにな
り、その成果が学術誌 International Journal of Molecular Sciences に ONLINE
掲載されましたので、お知らせいたします(2023 年 11 月 3 日付)。


学術誌名 International Journal of Molecular Sciences
論文タイトル The Effect of Anti-Autotaxin Aptamers on the Development of
Proliferative Vitreoretinopathy
論文 URL https://www.mdpi.com/1422-0067/24/21/15926


PVRは多種の細胞が網膜表面、網膜内、硝子体腔内で増殖膜を形成し、当該増殖膜が
収縮することによって網膜に皺襞形成や牽引性網膜剥離が生じ る病態であり、放置す
ると失明に至ります。また、網膜剥離の手術後や眼球に強い衝撃が加わることで起き
る非穿孔性眼外傷において生じる合併症であり、硝子体手術などの治療によっても重篤な視
力障害や失明に至ることが多く、現在のところ有効な予防法は存在しません。


日本大学医学部視覚科学系眼科学分野では網膜剥離をはじめ網膜疾患治療に高い実績があ
り、長岡泰司教授らの保有するPVRの動物(豚眼)モデルにおいて、RBM-006の優れた予
防効果が発見されました。現在、長岡教授らのグループとは、当社開発品RBM-007(抗
FGF2アプタマー)によるPVR予防作用の検証が行われており、その結果を踏まえた上で、
PVR予防薬の臨床試験の実施を検討する予定です。なお、本件に関しては、日本国特許庁に
対して日本大学と共同で、第二医薬用途特許の出願を行なっております(2023年1月13日
付開示)。


なお、本件によるリボミックの2024年3月期業績への影響は軽微です。


【オートタキシン】
Autotaxin(オートタキシン)は脂質メディエーターのLPA(リゾホスファチジン酸)の合
成酵素であり、特発性肺線維症を始めとする複数の疾患においてLPAやAutotaxinの亢進が
見られ、新規治療薬の標的として注目されている。


以 上
【本件に関するお問い合わせ先: 知財学術部 https://www.ribomic.com/contact.php 】

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