次世代アッセイ機器によるプロファイリングシステム開発成功のお知らせ

2023 年 5 月 24 日
各 位


会 社 名 カルナバイオサイエンス株式会社
代表者名 代表取締役社長 吉野 公一郎
(コード:4572)
問合せ先 取締役経営管理本部長 山本 詠美
(TEL.078-302-7075)


次世代アッセイ機器によるプロファイリングシステム開発成功のお知らせ


当社は、次世代モビリティーシフトアッセイ機器として、ScieX 社の BioPhase8800 を使
用したプロファイリングシステムの開発に成功しましたのでお知らせします。
また、この次世代システムによるプロファイリングサービスを紹介したプロモーション
動画が、5月9日、10 日の日程でイギリス、ロンドンで開催された学会 Kinase 2023: 10th
SCI / RSC Symposium on Kinase Inhibitor Design において初公開されました。当社ホー
ムページにおいても公開いたしましたので、ご参照下さい。
https://www.carnabio.com/common/images/product/video_top_msa.mp4
当社提供プロファイリングサービスでは、マイクロ流体環境キャピラリー電気泳動シス
テムによるキナーゼプロファイリングを PerkinElmer 社の EZ Reader II を測定機器として
実施・提供しております。この EZ Reader II は既に装置販売が終了されており、機器メー
カーより消耗品提供を含むサポートが 2024 年末で完全終了となる旨が発表されています。
この状況を受けて当社では、これまで当社サービスをご利用頂いているお客様に継続的な
実験データを提供し続けることを必達の目標とし、様々な代替技術を用いて新たな実験シ
ステム開発を試みて参りました。その結果、Sciex 社の BioPhase 8800 を測定機器として採
用することにより現在 EZ Reader II を用いて提供中の全てのキナーゼをターゲットとした
プロファイリングサービスの継続的な提供が可能であることを確認いたしました。
EZ Reader II を用いて提供しているマイクロ流体環境キャピラリー電気泳動システム、
モビリティーシフトアッセイによるキナーゼプロファイリングでは、リン酸化された基質
とされていない基質の両方が検出される為、リン酸化された基質のみしか検出できない他
の多くのキナーゼアッセイよりも正確かつ高品質のデータが得られます。当社はこのシス
テムで得られるデータに寄せられた世界中のキナーゼ研究者の高い信頼に応えるべく、現
在提供しているデータ結果と連続性のあるデータの取得が可能な実験システムの開発を模
索し、BioPhase 8800 システムによるサービス展開に辿り着きました。
高効率生物製剤解析 8 本キャピラリー電気泳動システム BioPhase 8800 システムは、本
来バイオ医薬品の複数サンプルを同時処理する為に開発された高感度且つハイスループッ



トな分析用機器ですが、当社受託試験開発チームは独自の努力でこのシステムをこれまで
EZ Reader II で使用している蛍光標識された基質ペプチドの分離に応用することにより、
現行サービスで提供している各キナーゼターゲット反応のアッセイ条件を変更することな
く、検出機器のみの変更で測定方法を移行させることに成功いたしました。加えて、専用に
プログラミングしたロボットアームによるプレート処理を BioPhase 8800 と連動させるこ
とにより、現行サービス提供での高いスループットを新サービスでも実現することが可能
となりました。
生化学の世界では少しの実験環境および条件の変更が試験結果に影響を及ぼす為、同じ
実験原理を用いても、従来のデータと継続したデータを担保できるシステムの開発は至難
であり、高い知識を用いて粘り強く緻密に実験を繰り返すことが求められます。この様な背
景がありながら、当社では数多くの壁を独自の創意工夫で乗り越え、この度の発表に至りま
した。
今後、当社では引き続き更なる測定条件の最適化による効率化やデータ解析の自動化な
どに取り組み、BioPhase 8800 を用いた次世代プロファイリングサービスの来春開始を目指
し準備を進めて参ります。
以 上





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