NC-6300:米国第1b/II相臨床試験の第1b相パートにおけるポジティブな成績がClinical Cancer Researchに掲載

2020 年 5 ⽉ 11 ⽇
<各位>
ナ ノ キ ャ リ ア 株 式 会 社
代 表 取 締 役 社 ⻑ 松 ⼭ 哲 ⼈
( 4 5 7 1 東 証 マ ザ ー ズ )
問合せ先 IR担当 ⼟屋 千映⼦
電 話 番 号 0 3 - 3 2 4 1 - 0 5 5 3


NC-6300︓⽶国第1b/II相臨床試験の第1b相パートにおけるポジティブな成績が
Clinical Cancer Researchに掲載


当社が⽶国で軟部⾁腫を対象として開発しておりますNC-6300の第1b/II相臨床試験の第
1b相パートについて、ポジティブな成績が5⽉7⽇に⽶国癌学会誌であるClinical Cancer
Researchに掲載されましたのでお知らせします。


 NC-6300 に特異的な有害事象は発⽣せず、内包薬であるエピルビシン特有の副作⽤で
ある悪⼼・嘔吐や⾻髄毒性については改善傾向が認められた。
 臨床的に問題となる⼼機能低下は認められず、⻑期投与の可能性が認められた。
 登録された⾎管⾁腫 2 例中 2 例は、ともに PR(奏功)を⽰した。
 複数の免疫チェックポイント阻害剤の治療でも進⾏した悪性⿊⾊腫の患者さんにおい
て、⻑期の病勢安定が認められた。


NC-6300は、希少がんである軟部⾁腫をターゲットとした開発を推進しており、⽶国に
てオーファンドラッグ指定を受けております。当社は、本試験結果を踏まえ、治療法のな
い領域において新たな医薬品の早期提供を⽬指す⽬的で、⾎管⾁腫に絞り込んだ追加10例
の拡⼤臨床試験を2019年10⽉より実施しております。


タイトル︓ A Phase 1b Dose-Escalation Trial of NC-6300 (Nanoparticle Epirubicin)
in Patients with Advanced Solid Tumors or Advanced, Metastatic, or
Unresectable Soft Tissue Sarcoma
著者︓ Sant P. Chawla, Sanjay Goel, Warren Chow, Fadi Braiteh, Arun Singh,
Juneko E. Grilley Olson, Atsushi Osada, Iulian Bobe, Richard F. Riedel
電⼦版︓ https://clincancerres.aacrjournals.org/content/early/2020/05/07/1078-0432.CCR-20-0591.abstract




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発表概要詳細は次項でご案内しております。併せてご確認ください。
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【論⽂要旨】
第 1b 相パートは NC-6300 単剤での最⼤耐量(MTD︓Maximum Tolerated Dose)お
よび第 II 相試験の推奨⽤量(RP2D︓Recommended Phase 2 Dose)の推定を主要エン
ドポイントとし、さらに安全性および抗腫瘍効果を評価する⽬的で、⽶国 7 施設で実施さ
れました。
NC-6300 は 3 週間に 1 回投与され、本試験には 29 名の固形がん患者さん(うち、17
名が軟部⾁腫)にご参加いただきました。


 本試験の登録症例は過去に抗がん剤治療を施⾏し、副作⽤による継続困難や有効性が
得られず治療中⽌となった集団でした。
 35%の症例がアンスラサイクリン投与経験者でした。
 MTD は 185 mg/m2、RP2D は 150 mg/m2 と決定しました。これらは⽇常診療で⽤
いられるエピルビシンよりも⾼い⽤量です。
 NC-6300 に特異的な有害事象は発⽣せず、エピルビシン特有の副作⽤である悪⼼・嘔
吐や⾻髄毒性は認められましたが、発現頻度の減少や重症度の低減傾向が認められま
した。
 ⻑期投与例においても、臨床的に問題となる⼼機能低下は認められませんでした。
 抗腫瘍効果について画像評価の得られた 28 例において、反応率は 11%、病勢コント
ロール率は 64%でした。軟部⾁腫集団においては、反応率は 18%、病勢コントロー
ル率は 76%でした。
 部分奏功(PR︓Partial Response)は⾎管⾁腫 2 例、⼦宮内膜間質⾁腫 1 例で認めら
れました。
 免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ単剤、ペンブロリズマブ単剤ならびにニボ
ルマブ・イピリムマブ併⽤療法)の投与で不応となった悪性⿊⾊腫の症例においても、
9 カ⽉という⻑期に渡って病勢安定(SD︓Stable Disease)が認められました。


※NC-6300(エピルビシンミセル)
当社独⾃技術「ミセル化ナノ粒⼦」を⽤いたパイプラインのひとつで、がん細胞内に取り込ま
れた後に、細胞内環境に反応して内包した抗がん剤であるエピルビシンを⼤量に放出する機能を
付加した pH 応答性ミセル製剤です。エピルビシンはアンスラサイクリンと呼ばれるクラスの薬
の 1 つです。本剤は、正常細胞への影響をより抑え、細胞内での薬剤⼤量放出により、抗腫瘍
効果を増強できることをコンセプトに開発を推進しています。


※2 軟部⾁腫
脂肪、筋⾁、⾎管などの軟部組織に発⽣する悪性腫瘍。アメリカ国⽴がん研究所によると、ア
メリカにおける成⼈の軟部⾁腫の新規発症患者数は約 12,000 例/年と推定されています。軟部
⾁腫は世界的に、希少がんの 1 つとして認識されています。⾎管⾁腫は軟部⾁腫の 2-3%を占
めると報告されています。




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