次世代型キメラデコイに関する研究発表について

News Release

平成 30 年4月9日
アンジェス株式会社



次世代型キメラデコイに関する研究発表について


当社は、核酸医薬である NF-κB※1デコイオリゴ DNA 及び次世代型キメラデコイ※2につ
いて大阪大学と共同で研究を進めておりますが、この度、喘息治療に関する次世代型キメラ
デコイの研究論文が核酸医薬の専門誌である Molecular Therapy – Nucleic Acids に掲載
されました(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2162253117303049)
ので、以下のとおりお知らせいたします。


本論文では、マウスを使った動物実験においてキメラデコイを気管内に投与した結果、喘
息の原因である炎症を引き起こす生体内物質の増加を抑え、気管内の炎症を抑制する効果
があったこと等が報告されています。これらの結果はキメラデコイが喘息に対する有効な
予防薬、治療薬となる可能性を示唆するものです。


当社では、NF‐κB デコイオリゴ DNA につき椎間板性腰痛症治療薬として米国での P1b 相
臨床試験を本年2月より実施しておりますが、従来の NF‐κB デコイオリゴ DNA に比べ炎
症を抑える効果が格段に高いことが期待されている次世代型キメラデコイにつきましても
引き続き開発に取り組んでまいります。


以上


※1 NF-κB (nuclear factor-kappa B)
遺伝子は生体の恒常性を維持する上で重要な働きを担っていますが、ほとんどの遺伝子は普段機能してお
らず、必要な時に必要な遺伝子が発現(遺伝子の情報を基にたんぱく質が作られ機能を発揮すること)す
るよう制御しているたんぱく質が転写因子です。NF-κB は、活性酸素による酸化ストレスなどの刺激が外
部から加わった時に、細胞が炎症反応や免疫反応を引き起こすために活性化する主要な転写因子です。 実
際に、NF-κB の過剰な活性化は、アトピー性皮膚炎、乾癬、関節リウマチなど異常な炎症や免疫関連の疾
患を引き起こし、病態を悪化させることが指摘されています。

※2 キメラデコイ
キメラデコイは STAT6 と NF-κB という炎症に関わる二つの重要な因子を同時に抑制する働きを持った核
酸医薬。




お問い合わせ先

アンジェス株式会社 経営戦略本部 経営企画部 広報・IR 担当

TEL: 03-5730-2641

2910