NF-kB デコイオリゴ アトピー性皮膚炎治療薬(軟膏製剤) 国内第III相臨床試験が終了

News Release

平成 28 年2月 16 日
アンジェス MG 株式会社




NF-κB デコイオリゴ アトピー性皮膚炎治療薬(軟膏製剤)
国内第Ⅲ相臨床試験が終了


当社の自社開発品で核酸医薬である NF-κB デコイオリゴ DNA を用いたアトピー性皮
膚炎治療薬(軟膏製剤)について、国内で実施中の第Ⅲ相臨床試験における最後の症例の観
察期間(投与後に症状の変化を観察する期間)が終了し、試験が実質的に完了しましたので
お知らせいたします。


本臨床試験は、顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者約 200 例を対象
として当該治療薬の有効性と安全性を確認する、プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試
験です。平成 27 年 3 月より被験者への投与を実施しておりましたが、この度、全症例の観
察期間が終了いたしました。今後は、各症例のデータを回収し、解析を行います。良好な結
果が得られた場合には、国内で中等症以上の顔面のアトピー性皮膚炎を適応症として本年
中に承認申請を行う予定です。


なお、当社はアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患を対象とした NF-κB デコイオリゴ DNA
の独占的販売権に関して、塩野義製薬と契約しております。




以上





<ご参考>
- 用語の解説 -
1. NF-κB( nuclear factor-kappa B)
遺伝子は、生体の恒常性を維持する上で重要な働きを担っていますが、ほとんどの遺伝子は
普段発現しておらず、必要な時に必要な遺伝子が発現できるように発現の制御を司ってい
る蛋白質が転写因子です。NF-κB は、炎症や免疫が活性化する時、活性酸素などによる酸
化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時に、細胞が炎症反応や免疫反応を惹起させ
るため活性化する主要な転写因子です。 実際に、NF-κB の活性化は、アトピー性皮膚炎、
乾癬、関節リウマチなど異常な炎症や免疫関連の疾患を引き起こし、病態を悪化させること
が指摘されています。


2. デコイオリゴ
遺伝子は、転写因子が染色体DNAに直接結合することで発現しますが、デコイオリゴは、
その染色体DNAの転写因子結合部位と同じDNA配列を含む二重鎖の短い核酸で、体内
に投与すると転写因子が染色体DNAに結合することを阻害して遺伝子の働きを抑えます。


3. NF-κB デコイオリゴ (NF-κB decoy oligodeoxynucleotide) DNA
NF-κB デコイオリゴ DNA は、NF-κB 結合部位のDNA配列をもつデコイオリゴであ
り、転写因子そのものを標的とすることから、既存の薬剤と比較して特異性、標的分子に対
し確実に効果が発揮されるなど有効性の面で治療薬として優位性があると考えられ、また
副作用の面でも軽減することが期待されます。




お問い合わせ先

アンジェス MG株式会社 経営戦略本部 経営企画部 広報・IR 担当

TEL: 03-5730-2641





3603