マイクロバイオームのパイオニア、マイバイオティクス社と資本提携

平成 30 年7月 30 日
各 位
会 社 名 アンジェス株式会社
代表者名 代表取締役社長 山田 英
(コード番号 4563 東証マザーズ)
問合せ先 経営戦略本部長 平崎誠司
電話番号 03-5730-2641



マイクロバイオームのパイオニア、マイバイオティクス社と資本提携
- マイクロバイオーム事業の可能性を探索 -



当社は、本日開催の取締役会において、イスラエルのバイオテク企業である MyBiotics Pharma
Ltd.(以下マイバイオティクス社)との資本提携を決議いたしました。体内の微生物の生態系であるマ
イクロバイオーム(微生物叢(びせいぶつそう))は次世代の医薬研究開発分野として世界的に高い注
目を集めており、当社はこの領域のパイオニアであるマイバイオティクス社と提携することでマイク
ロバイオームの事業可能性を探ります。


マイバイオティクス社は、世界に先駆けて腸内細菌を含む常在菌の培養、製剤化において、その品
質や腸内における生存率を向上させる技術を開発しています。これは、マイクロバイオーム医薬の実
用化に必須の重要な技術であり、同社はマイクロバイオームの事業化競争において高い優位性を持っ
ています。すでに、開発製品パイプラインの中で胃腸疾患や婦人科系疾患については大手製薬企業と
ライセンス契約を締結して製品化を目指しています。また、感染症や抗生剤使用による下痢症等につ
いても開発中です。今回の資本提携において当社はマイバイオティクス社に一部資本参加し、今後、
具体的な協力の可能性を検討して参ります。


マイクロバイオームの中でも、特にヒト腸内細菌叢は腸内フローラと呼ばれる代表的な存在であり、
胃腸疾患、感染症、炎症疾患、肥満、糖尿病、自己免疫疾患のみならず、自閉症など精神疾患にも関
係しているという報告もあり、世界的に多くの研究機関やバイオ企業が競って研究を進めています。
マイクロバイオーム研究は、医薬品に限らず健康食品やサプリメントなど幅広く適用が可能であり、
今年 6 月に米国ボストンで開催されたバイオインダストリー協会の総会(BIO)でも、マイクロバイ
オームは次世代のバイオ医薬品として取り上げられました。


今回の資本提携に関し、当社代表取締役社長の山田英は以下のように述べています。
「マイバイオティクス社との資本提携は、マイクロバイオーム研究を国際展開する上で極めて重要
な位置づけにあります。マイクロバイオームの製品化は、将来的には先進国の高齢化による医療費高
騰に対する対応策として、まさに自分自身で健康を管理するセルフメディケーションにも繋げる可能
性があり積極的に対応していきたいと考えています。健康維持にはマイクロバイオームが主役を演ず
る日が到来するのではないかと期待しています。

当社は現在、臨床開発以降の段階にある自社プロジェクトとして、重症虚血肢を対象とした HGF 遺
伝子治療薬、椎間板性腰痛症向けの核酸医薬(NF-kB デコイオリゴ)
、高血圧 DNA ワクチンの3プロ
ジェクトを進めています。また、本日別途開示の通り、カナダ Vasoumune 社と共同開発契約を締結し
ました。今後の成長のために開発品パイプラインのさらなる拡充を目指しており、今回の資本提携は
それに向けた取り組みの一環です。


なお、本件による平成 30 年 12 月期通期の業績への影響につきましては、他の要素も含め現在精査
中であり、業績予想の修正が必要な場合には速やかに開示いたします。


以 上



ご参考
・マイバイオティクス社
本社: 2 Ilan Ramon, Israel
CEO: Didi Daboush, MSc, MBA
設立: 2014 年 6 月
資本金及び資本準備金: 約$1M(2017 年 12 月末時点)
事業内容: マイクロバイオームの研究開発


・マイクロバイオームとは
マイクロバイオームは、ヒト微生物叢のゲノムとそれが発現する遺伝子群および微生物叢と
ヒトの相互作用を含む広い概念を表しています。この微生物叢とヒトは共生しており、ヒトの
身体は微生物叢との集合体といえます。近年では生活習慣の変化がマイクロバイオームの生理
状態の変化を誘導しそれが各疾患の増加に関係しているとの報告があり、研究が盛んに行われ
ています。

5460