生体組織・細胞・試料の固定化材『TetraFix』の販売開始に関するお知らせ

2023 年9月4日
各 位
会 社 名 コスモ・バイオ株式会社
代表者名 代表取締役社長 櫻井 治久
(コード 3386 東証スタンダード)
問合せ先
役職・氏名 専務取締役総務部長 柴山 法彦
電 話 03-5632-9600


生体組織・細胞・試料の固定化材『TetraFix』の
販売開始に関するお知らせ

当社は、2023年7月5日付でジェリクル株式会社(以下「ジェリクル社」)と共同開発契約を締
結し、生体組織・細胞・試料を固定化する基質となる材料の研究用試薬としての製品化開発を進め
ております。このたび、研究用試薬として、生体組織・細胞・試料の固定化材『TetraFix』(テト
ラフィックス)を販売開始することといたしましたので、お知らせいたします。



1.『TetraFix』の概要
生きた組織や細胞、あるいはその他の試料を三次元で高密度に保持するための構造材料は多くあ
りません。細胞や試料が拡散してしまったり、活性を失ったり、組織の構造が損なわれたりすると
いう課題がありました。『TetraFix』は、ジェリクル社の有するテトラゲル技術注)を用いて、ジェ
リクル社と当社が共同開発した、生体組織・細胞・試料の固定化材です。生体組織等の三次元の生
命現象を維持しながら培養したり実験に使用したりすることができる立体構造素材です。


2.『TetraFix』の用途
『TetraFix』は、2種類の液体を使用時に混和して、生体組織・細胞・組織に添加することで、組
織を任意の立体に固定化するよう設計された試薬です。生体組織等に添加するだけで、生きたまま
簡単に固定でき、乾燥させることなく数週間安定した組織培養を維持することができ、顕微鏡等で
の観察が続けられます。生体試料や細胞の変化の様子などの観察に有用で、幅広い基礎研究はもと
より、医療技術の発展にも役立つものと期待されます。





3.製品の特徴、販売開始日および希望販売価格
製品の特徴:2種類の水溶液を混和して細胞や生体組織に添
加するだけで立体構造を維持することができ、
数週間固定したまま、顕微鏡等で観察できる
※製品紹介ページはこちら
販売開始日:2023年9月4日
希望販売価格:35,000円(5回分)


なお、本件に関するジェリクル社からのプレスリリースを以下のページからご覧いただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000075662.html


4.業績見通しに与える影響
当社はジェリクル社より、国内の研究用試薬分野に向けた『TetraFix』の独占販売権を許諾され
ております。当期の連結業績に与える直接の影響は軽微ですが、基礎研究に活用を拡げることで、
医療技術の進歩に寄与するものです。次期以降も引き続き精力的に製品販売を進めてまいります。


以上


《用語解説》

注)テトラゲル技術

テトラゲル技術は東京大学工学部の酒井崇匡教授により開発された新しいゲル技術です。4 分岐構造を有し、お

互いに反応し合う異なる末端を持つ 2 種類のポリマー(規則的な繰り返しの構造単位でできている分子量の大きい

分子)を混ぜ合わせることにより、均一な網目構造を持ったゲルを作成することが可能です。

テトラゲルはこのような均一な網目構造を有しているため、従来難しいと言われていたゲルの物性の制御を可能

にし、ゲルのさまざまな物性を自在にデザインすることが可能となります。




図:テトラゲルの構造





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