ジェリクル社との生体組織・細胞・試料を固定化する基質となる材料の共同開発契約締結に関するお知らせ

2023 年7月5日
各 位
会 社 名 コスモ・バイオ株式会社
代表者名 代表取締役社長 櫻井 治久
(コード 3386 東証スタンダード)
問合せ先
役職・氏名 専務取締役総務部長 柴山 法彦
電 話 03-5632-9600


ジェリクル社との生体組織・細胞・試料を固定化する基質となる
材料の共同開発契約締結に関するお知らせ


このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、ジェリクル株式会社(以下「ジェリク
ル社」)と、生体組織・細胞・試料を固定化する基質となる材料の共同開発契約を締結し製品化
を目指すことといたしましたので、お知らせいたします。



1.共同開発契約の概要について
当社は、ジェリクル社より本開発の背景となる技術情報および製造にかかわる技術情報の提供を
受け、研究用試薬としての「生体組織・細胞・試料を固定化する基質となる材料」の製品化を目指
します。共同開発契約において、当社はジェリクル社より、研究用試薬分野に向けた製品をジェリ
クル社と独占的に共同開発し製品化する権利を受けており、また、当社は製品化後、日本国内にお
いて研究用試薬市場に独占的に販売する予定です。


2.技術概要について
ヒトのからだのような生体環境を体外で実験として模倣する試験研究が広く試みられている中
で、生きた組織や細胞、あるいはその他の試料を三次元で高密度に保持するための構造材料は多く
ありません。このために細胞や試料が拡散したり、活性を失ったり、組織の構造が損なわれたりす
るという課題がありました。ジェリクル社は、分子の網目構造(ゲル)技術の第一人者として、ゲ
ルの固まる時間、溶ける時間、粘性、伸縮性などのさまざまな物性を自在にデザインすることがで
きる独自技術を持っています。ゲルとは、溶媒中の三次元網目構造を持つ高分子で形成される、
「固
体と液体の中間の物質の状態」を言います。身の回りには、食品(ゼリーやご飯)
、医療用品として
はコンタクトレンズなどがあり、また、体内組織にもゲル様組織があります。
本開発では、ジェリクル社のテトラゲル技術注)を用いて「生体組織・細胞・試料を固定化する基
質となる材料」を開発するもので、通常は生命現象が停止されてしまうゲル中でも、テトラゲル中
で細胞や組織・器官を生命現象を維持しながら培養したり実験に使用したりすることができます。


当社は、本共同開発を通じてテトラゲル技術を用いた製品を世に送り出すことで、医療技術の発
展はもとより、それを支える幅広い基礎研究に役立てていただけることと考えております。生命科
学の進歩に資するため、着実な共同研究開発と製品化を進めてまいります。


3.契約締結日およびスケジュール
契約締結日:2023 年7月5日
製品の提供開始:2023 年9月上旬(予定)


4.ジェリクル社の概要
会社名 ジェリクル株式会社
代表者の役職・氏名 代表取締役 増井 公祐
所在地 東京都文京区本郷3丁目 38 番 10 号さかえビル 2F
設立年月 2018 年8月1日
ホームページ https://gellycle.com/


なお、本件に関するジェリクル社からのプレスリリースを以下のページからご覧いただけます。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000075662.html


5.業績見通しに与える影響
本件による当期の連結業績に与える直接の影響は軽微ですが、次期以降も引き続き精力的に製品
開発、販売を進めてまいります。
以上


《用語解説》

注)テトラゲル技術

テトラゲル技術は東京大学工学部の酒井崇匡教授により開発された新しいゲル技術です。4 分岐構造を有し、お

互いに反応し合う異なる末端を持つ 2 種類のポリマー(規則的な繰り返しの構造単位でできている分子量の大きい

分子)を混ぜ合わせることにより、均一な網目構造を持ったゲルを作成することが可能です。

テトラゲルはこのような均一な網目構造を有しているため、従来難しいと言われていたゲルの物性の制御を可能

にし、ゲルのさまざまな物性を自在にデザインすることが可能となります。




図:テトラゲルの構造



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