メスキュージェナシス社からの技術移転および特許実施許諾契約の締結に関するお知らせ

2022 年3月2日
各 位
会 社 名 コスモ・バイオ株式会社
代表者名 代表取締役社長 櫻井 治久
(コード3386)
問合せ先
役職・氏名 常務取締役総務部長 柴山 法彦
電 話 03-5632-9600




メスキュージェナシス社からの技術移転および特許実施許諾契約の

締結に関するお知らせ

このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、メスキュージェナシス株式会社(本社:
東京都中央区、代表取締役社長 北村 幸一郎、以下「MJ社」)より、同社が保有する VHH 抗体
に係る技術の移転とこれに関連する特許の実施許諾のための契約を締結いたしましたので、お知
らせいたします。





1.技術移転および実施許諾を受ける特許の概要
(1)技術移転の概要
cDNA ディスプレイ法注1)による重鎖抗体注2)の可変領域・VHH 抗体のスクリーニング技
術(以下、「本技術」)
(2)実施許諾を受ける特許
発明の名称 :mRNA-ピューロマイシン-タンパク質連結体作製用リンカー
特許登録番号:4318721
なお、本特許は、移転技術の実施にあたり必要な特許技術です。


2.技術移転の理由
当社は、本技術の移転および特許実施許諾を受け、免疫動物を使用しない抗体作製方法の開発
を行い、
「cDNA ディスプレイ法による重鎖抗体の可変領域・VHH 抗体のスクリーニングサービス」
として提供を行う予定です。これにより、当社抗体作製受託サービスのラインアップを充実させ、
より研究者の目的に合った抗体の提供を行います。
一般的に、抗体作製には免疫動物を使用します。一方で、動物福祉の観点から実験動物を使用
しない動物実験代替法による研究開発が求められており、抗体についても免疫動物を使わない抗





体作製技術が求められています。
MJ社から VHH 抗体のスクリーニ
ング技術を導入することで、動物
を使用しない抗体を提供可能とな
ります。
また、本技術では、 抗体とい
VHH
うラクダ科動物にみられる特殊な
構造の抗体を人工合成して用いる
ことで、抗体の安定性や特異性を
向上させています。 抗体は、
VHH 軽
鎖(図の VL、CL)を持たず、また定 図︓抗体構造の⽐較

常領域は CH1 を含まない2鎖(図の CH2、CH3)で構成されています。この抗体の可変領域を VHH と
呼び、分子量が小さいため遺伝子組換えによる合成が容易という特徴があります。また、温度変
化に対して安定なため、さまざまな実験環境下での利用が期待されます。
MJ社は、cDNA ディスプレイ法を用いたペプチド医薬品の開発や創薬支援サービスを提供して
おりますが、このたび当社はこの技術をMJ社から導入し、免疫動物を使用しない cDNA ディスプ
レイ法による VHH 抗体のスクリーニングサービスとして、製薬会社、臨床検査会社、化粧品会社、
食品会社およびアカデミアの基礎研究分野に向けて提供する予定です。受託サービスの提供開始
の際には、改めてお知らせいたします。


3.スケジュール
契約締結日:2022 年3月2日
受託サービスの提供開始:2022 年8月頃(予定)


4.業績見通しに与える影響
本件自体による当期の連結業績に与える直接の影響は軽微ですが、当社グループは、今後も
受託サービスのラインアップを充実させることで、基礎研究現場の研究活動の一助となり、
人々の健康を守るための生命科学研究を支えてまいります。
以上


《用語解説》

注1)cDNA ディスプレイ法

cDNA ディスプレイ法とは、cDNA にタンパク質を提示(ディスプレイ)させる技術。他のディスプレイ技術で

あるファージディスプレイ法と異なり無細胞系でタンパク質を発現させるため細胞毒性の影響を受けず、ま

た、mRNA ディスプレイ法よりも安定性が高く、短時間で膨大な多様性を持つタンパク質ライブラリをつくりだ

すことができる。

注2)重鎖抗体

重鎖抗体とは、通常の抗体に含まれる 2 本の軽鎖を持たない抗体のことで、ほ乳類ではラクダ科動物のみが

持つ抗体。



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