株式会社Cancer Precision Medicineとのペプチド合成委受託契約締結に関するお知らせ

平成 30 年 11 月 30 日
各 位
会 社 名 コスモ・バイオ株式会社
代表者名 代表取締役社長 櫻井 治久
(コード3386)
問合せ先
役職・氏名 取締役総務部長 柴山 法彦
電 話 03-5632-9600



株式会社 Cancer Precision Medicine との

ペプチド合成委受託契約締結に関するお知らせ


このたびコスモ・バイオ株式会社(以下「当社」)は、株式会社 Cancer Precision Medicine
(本社:神奈川県川崎市、以下「CPM社」)と、がん免疫療法のためのペプチド合成に関す
る委受託基本契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。





1.契約の目的および内容
本契約は、CPM社のネオアンチゲン解析(*1)により得られた結果に基づきCPM社が委託す
るペプチドを、当社が合成して納品するものです。
CPM社は公益財団法人がん研究会 がんプレシジョン医療研究センター(センター長:中村祐
輔氏)と共同研究契約を締結しており、リキッドバイオプシー(*2)、ネオアンチゲン解析など、
がん遺伝子解析に特化したサービスを医療機関ならびに研究機関に提供しております。
本契約の締結によりCPM社は、ペプチド合成を当社に委託してがん免疫療法におけるペプチ
ド合成期間の短縮を図るとともに、CPM社が行うがん検体を用いたネオアンチゲン解析サービ
スに、当社が合成したペプチドをCPM社から医療機関ならびに研究機関に提供するサービスを
付加したものを、パッケージ化して提供します。
がん免疫療法は、免疫システムを介した画期的ながん治療法として注目されています。ネオア
ンチゲンは、がん細胞に生じた体細胞変異(*3)に由来する新規抗原で、がん免疫療法の理想的な
標的と考えられています。ネオアンチゲン予測(*4)は、個別化がん免疫療法として有効ながんワ
クチンを開発するための重要なステップです。


2.契約相手先の概要
CPM社は、オンコセラピー・サイエンス株式会社の連結子会社です。
(1)名称 株式会社 Cancer Precision Medicine
(2)所在地 神奈川県川崎市高津区坂戸三丁目二番一号


(3)代表者の役職・氏名 代表取締役社長 藤谷 京子
(4)事業内容 がん遺伝子の大規模解析検査ならびにがん免疫療法の研究開発


3.契約締結日
平成 30 年 11 月 30 日


4.今後の見通し
本件による当社の当期の連結業績に与える影響は軽微ですが、中長期的収益に寄与する重要な
契約であり、がんに対するテーラーメイド医療に資する製品を安定供給するものです。当社グルー
プは今後もペプチド事業について積極的な事業展開を図ってまいります。今後、適時開示が必要
になった場合には速やかに公表してまいります。
以上


《補足説明》
*1 ネオアンチゲン解析

がん細胞に生じた体細胞変異(*3)に由来し、免疫細胞の標的となる新規抗原(ネオアンチゲン)を解析する手法です。
*2 リキッドバイオプシー
がんは、遺伝子の異常によって引き起こされる病気です。シーケンス技術の進展により血液や尿などの液体(リキッド)を利用して、
がんの存在を見つけることができるようになりました。がん細胞に由来するDNAが非常に少量ですが血液中や尿中に混入してお
り、これを高感度に検出することができるようになったためです。この液体を利用して調べる方法を、リキッドバイオプシーと呼んで
います。CTなどの画像診断よりも早く、再発を見つけることができる可能性があります。また、がん組織を採取することは患者さん
に大きな負担となり、合併症の危険を伴いますが、リキッドバイオプシーは、負担が非常に軽いので頻回に検出を行うことができ
ます。

*3 体細胞変異:

遺伝子変異には、親から受け継ぐ先天的なものと生まれた後に起こる後天的なものがあります。体細胞変異は後者の後天的な

変異です。先天的な変異は、からだのすべての細胞のもとになる生殖細胞中の DNA に起こるため、体細胞のすべてに変異が

受け継がれます。一方、後天的な変異は、とある細胞のみに変異が起こり、その細胞が増殖して増えた細胞のみに変異が受け

継がれます。

*4 ネオアンチゲン予測:

がんで発現している変異遺伝子からコンピュータアルゴリズムによって患者の HLA 分子に結合する遺伝子変異を含むネオアン

チゲンペプチドを予測します。ネオアンチゲンペプチドは免疫系において、がん細胞への攻撃の目印となり、非常に強力ながん

細胞特異的免疫反応を誘発します。





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