東京藝術大学「ADワークスグループ『日本画』賞」第1回 受賞者決定

2023 年 4 月 10 日
国立大学法人東京藝術大学
株式会社 AD ワークスグループ


東京藝術大学「AD ワークスグループ『日本画』賞」第1回 受賞者決定
~東京藝術大学美術学部にて授賞式を開催~

国立大学法人東京藝術大学(東京都台東区、学長:日比野 克彦、以下「東京藝術大学」 の美術学部(学

部長:光井 渉) AD ワークスグループ
と (東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:田中秀夫、以下「ADWG」

の共催で 2022 年 12 月に創設した東京藝術大学「AD ワークスグループ『日本画』賞」 (以下
「本賞」 は、東京藝術大学美術学部選考委員会による審査(2023 年 2 月 2 日)
) 、同教授会での最
終承認(同年 2 月 19 日)を経て、第1回受賞者が決定し、 このほど授賞式が執り行われました。
本賞の第 1 回受賞者は、長澤耕平(ながさわ・こうへい)氏、加藤ゆわ(かとう・ゆわ)氏の 2 名
で、審査の結果、同率で両者ともに大賞を授与することといたしました。


受賞者のコメント

大賞受賞:長澤耕平(ながさわ・こうへい)氏

もちろん私自身にとっては大変ありがたい
お話ですし、日本画の素材・材料に対しても
ご支援のお気持ちがおありと聞き、日本画の
世界にとっても良いご縁になったらいいな
という気持ちでいます。今後とも創作に邁進
し精進していきたいと思っています。

長澤耕平氏




大賞受賞:加藤ゆわ(かとう・ゆわ)氏

私の作品はアクリルガッシュで描いており、
伝統的な日本画とは違うものです。そういっ
た自分のスタイルがひとつの「日本画」のあ
り方として認めていただけたことは、私の制
作人生において大きな意味のあることであ
り、大変嬉しく思っております。

加藤ゆわ氏





光井渉 美術学部長 挨拶要旨

美術学部の賞が数ある中で、
「日本画」と名の付く賞は意外と少ない状況です。その中で本賞
では、選考委員の間でも「日本画というのは何なのか」といういろいろな話がありました。受賞
されたお二人の素晴らしさは言うまでもありませんが、藝大においてもこのことを考えるきっ
かけを、AD ワークスグループさんからいただいたように思っております。
私は建築の人間ですが、20 代の終わりから 30 代は実務に携わっており、その時に書いた論
文で学会から賞をいただき、もうやめようかと思っていた時でしたので、それがものすごく励
みになりました。この一番苦しい時期にこういった賞を与えていただく、これが次のステップ、
モチベーションにおいて大きなきっかけになろうと思っております。
お二人の方々も、おそらく一番苦しい時、あるいはその前後だろうと思います。今後ともこ
ういう賞を糧にして、頑張っていただければと期待しています。


田中秀夫 AD ワークスグループ社長 挨拶要旨

関係各位のおかげさまを持ちまして、
「AD ワークスグループ『日本画』
」賞」がこうしてスタート
を切ることができました。たいへん喜ばしく、また誇らしく思います。
受賞のお二方は、これぞ日本画という作品を創作されている長澤さん、一方で独創性の高い作品
を創作されている加藤さん、「日本画」の可能性を引き出すという意味で、AD ワークスグループの企
業理念「変化独創」に相応しい受賞となりました。
せっかくのご縁、できる限りお二方をご支援しつつ、当社グループのビジネスとコラボレーショ
ンする機会も探ってまいります。
また賞の運営自体も、
「小さく生んで大きく育てる」をモットーに始めましたので、年を追うごと
にバージョンアップを図り、対象となる作家の皆様のステップアップを後押ししてまいります。本
日が、そのスタートだと思っております。




左から、
東京藝術大学美術学部長 光井渉/大賞受賞者 加藤ゆわ氏/大賞受賞者 長澤耕平氏
/AD ワークスグループ代表取締役社長 CEO 田中秀夫





【長澤耕平(ながさわ・こうへい)氏】

■プロフィール

生年月日 1985 年 11 月 11 日
学歴 2010 年 3月 東京藝術大学美術学部
絵画科日本画専攻卒業
2012 年 3月 同大学大学院美術研究
科絵画専攻日本画研究
分野修了
2015 年 3月 同大学院博士後期課程
美術専攻日本画研究領
域修了
大学での専攻 日本画
卒業・修了後の 東京藝大日本画研究室で助手・非常勤講師として後進の指導にあたる傍ら、創
活動 画展への出品、全国での個展・グループ展など創作活動を展開している。
創作の基本方針 都市の風景を中心に道々の草花なども描いている。画面の中に「世界」が描け
ているかどうかを大切にしている。
受賞歴 2012 修了制作東京藝術大学買い上げ
2015 野村美術賞 博士修了制作東京藝術大学大学美術館収蔵
2018 第 7 回東山魁夷記念日経日本画大賞展 入選
2019,2020,2022 創画会賞
個展 2014,2016 ギャラリー広岡美術
2019,2022 日本橋三越本店美術サロン
2019 西武池袋本店アートスペース
2021 そごう横浜店美術画廊





■これまでの主な作品




汐入の風景

麻紙に膠彩・岩絵具・銀箔・洋箔
162.1×162.1cm
第 46 回創画展 創画会賞




螢坂の風景

楮紙に膠彩・岩絵具・銀箔
72.7×90.9cm
第 45 回春季創画展 春季展賞




崖側の空き地・街の明かり

楮紙に膠彩・岩絵具
72.7×90.9cm
第 47 回春季創画展





【加藤ゆわ(かとう・ゆわ)氏】

■プロフィール

生年月日 1984 年 10 月 16 日
学歴 2007 年 3月 東京藝術大学美術学部
デザイン科 卒業


2011 年 3月 同大学大学院美術研究
科デザイン専攻描画装
飾研究室(中島千波研
究室)修了


大学での専攻 学部:デザイン 修士:デザイン(描画・装飾)
卒業・修了後の 修了後、2014 年まで同大学の教育研究助手を務める。
活動 主に日常的な女性の姿をモチーフとして描く。画廊や百貨店、アートフェ
アを中心に作品を発表。
創作の基本方針 日常に取材し、生々しくお茶目、そして美しい女性を描く。見立て、言葉
遊びなどを交えて愉しいものを目指す。無駄なものは極力描かず、線は統
制のとれた端正なものにする。
受賞歴 メトロ文化財団優秀賞(修了制作)
個展 2010 「加藤ゆわ洋画展」77gallery(東京)
2012 「加藤ゆわ洋画展」(松坂屋名古屋本店)
2013 「日本画加藤ゆわ新作展 ことばあそび、そのた」77gallery(東京)
2015 「クレパス誕生 90 年記念特別展―加藤ゆわキュートに描くクレパス
画―」サクラアートミュージアム(東京)
2022 「加藤ゆわ個展 たべしゃべり よそおい なまめく」高島屋日本橋
本店美術画廊X





■これまでの主な作品




茹る

89.4×145.5cm
天竺綿キャンバスパネル、
アクリルガッシュ




暑い日のたのしい立ち話

53.0×100.0cm
天竺綿キャンバスパネル、
アクリルガッシュ




おめかし三艶

100.0×100.0cm
木製パネル、アクリルガッシュ





ご参考:東京藝術大学「AD ワークスグループ『日本画』賞」とは…


【3 つの特徴】

① 39 歳までを対象とし、2 年間継続支援
東京藝術大学美術学部を卒業又は同大学大学院美術研究科を修了した 39 歳以下の、日本画創作活
動を継続的に行っている方の中から、しかるべき審査手続きを経て大賞 1 名、特別賞 1 名を選出
します(対象は「作品」ではなく「人」。大賞は賞金 50 万円/翌年に活動支援金 25 万円、特別賞は

賞金 30 万円/翌年に活動支援金 15 万円を授与、2年間にわたって創作活動を継続支援します。
※ 前述の通り、今般については同率で両者ともに大賞とし、それぞれの受賞者に
賞金 40 万円/翌年に活動支援金 20 万円を授与することといたしました。
② 「日本画」の定義を柔軟に設定
日本画の定義や境界線は比較的曖昧であると言われております。そこで、日本画の優れた作家を
輩出している同大学美術部の日本画研究室・デザイン研究室・保存修復日本画研究室から推薦さ
れた方が創作する作品を、本賞では「 」付きで「日本画」と呼ぶものと定義いたしました。
③ 「AD ワークスグループ『日本画』展」
(仮称)への出品
また各受賞者には「ADワークスグループ『日本画』展」(仮称)に出品する権利を付与します。
活動のための資金的支援のみならず、発表の場を合わせて提供するという趣旨です。


【なぜ日本画なのか】

ADWG は、前身が渋沢栄一も設立に関わった染物事業者(明治 19 年、青木染工場)であり、そ
の技術を積極的に海外展開するなど、日本文化の一端を担った経緯があります。そうした流れに鑑
み、日本文化の伝統継承に寄与するべく、まずは日本画というジャンルを選択したものです。




以上




本件に関するお問い合わせ:
株式会社 AD ワークスグループ
広報室 高場
ディスクロージャー統括室 山口・中家
E-mail:pr@re-adworks.com





12549