オンキヨー株式会社 事業紹介6 振動センサーの新展開

報道資料 2021 年 3 月 8 日

オンキヨー株式会社 事業紹介⑥ 振動センサーの新展開

オンキヨーグループのオンキヨー株式会社は、2021 年 1 月 29 日付「当社グループのご紹介について」で、ご説明の通
り、音楽配信やブランドコラボレーション事業、また Onkyo AI のノウハウを利用した新たなビジネスの創出を主事業として
おります。
2 月 12 日よりスタートしましたオンキヨー株式会社の主要事業のご説明について、第 6 回目は、当社で開発しており
ます振動センサーを活用した新しい取り組みについて説明いたします。


開発の背景
当社でのオーディオ技術を新分野に展開する上で、他社に優位性を誇れる技術として、低ノイズ回路基板開発、設
計技術があります。オーディオではノイズは大敵であるため、ノイズを低減するための回路基板設計技術を当社技術とし
て培ってまいりました。また、音の専門家として、音に対する信号処理技術、解析技術を保有しております。これらのオー
ディオで培った技術を社会に貢献できる分野へと展開するべく、取り組みを開始いたしました。


取り組み内容
AI 技術が発達してきた現在、人手で行っている業務が次々と AI 技術を活用して置き換わり、改善されています。
当社では、当社がこれまで保有してきたオーディオ技術で培った「音の技術」と「AI 技術」を組み合わせて新しい分野へ
の提案を進めております、開発中の研究開発は主に以下となります。


・ 振動センサーを活用した自動で自動車の走行数カウントが可能な交通量調査への適用
・ 橋やトンネルといったインフラへの当社センサーを活用した点検、保全および状態監視の適用
・ 人の心音や呼吸音を取りこみ、体の異常を予測するデジタル聴診器システム


交通量調査は定期的、また不定期にも実施されており、その際、高速道路や主要道路では様々な技術を使ってカ
ウントがされていますが、地方では人手を使った手動のカウントがまだ多く実施されています。今後、自動化、常設化で
のリアルタイムでの交通状況把握をターゲットにし、簡単に配置、埋め込みが可能な振動センサーを開発、また、そのセ
ンサーから得られた振動データから車の走行数のカウント、および車種(大型車、小型車)を推定する AI アルゴリズム
を開発しております。本開発は、現在奈良先端科学技術大学院大学と共同研究を行い、複数の研究会にて論文発
表しており、数々の賞をいただくなど成果を上げております。これらの実用化に向けて事業化を進めてまいります。
また、この振動センサー技術および AI 技術を応用して、橋やトンネルのインフラ事業の点検、状態監視への展開を
考えております。そのため、京都大学との共同研究を開始し、今後、利用用途を検討してまいります。


さらに、この振動センサーを人の振動検知ととらえ、デジタル聴診器の開発を進めております。人の心音、呼吸音など
を音や振動として取り込み、当社の低ノイズ設計されたアンプで増幅することにより、一般の聴診器とほぼ同等の音とし
て聴くことが可能です。得られた聴診音をデータとして蓄積し、AI 技術を駆使して、以前の音との変化を確認し、一定
以上の変化がある場合に、注意を促したり、医師への連絡を行うシステムを開発しています。また、聴診音をインターネッ
トを経由して医師に届けることができますので、遠隔での治療が実現可能です。今後のオンライン治療への活用を目標
とし、人に役立てることができるシステムの開発を進めてまいります。本研究は、富山大学医学部と共同研究を行ってお





り、プロトタイプの評価などを行っていただいております。このようにこれまでのオーディオ技術の新たな活用分野として展開
を進めており、事業領域の拡大を今後も進めてまいります。


次ページに画像付きで詳しく解説いたします。




【関連リンク】
◆富山大学との遠隔、ホームドクター制度に向けてのデジタル聴診器の研究開発締結のお知らせ
~オンライン診療での遠隔治療サポートを目指す~(2020 年 8 月 3 日付)
https://onkyo.com/news/images/20200803_PR_toyama-univ_d-choshinki.pdf


◆路側設置振動センサによる交通量推定システムの開発と論文発表のお知らせ
~奈良先端科学技術大学院大学との産学共同研究を実施~(2020 年 11 月 17 日付)
https://onkyo.com/news/images/20201117_PR_NAIST-kyodoukenkyu.pdf


◆交通量推定用振動センサシステムに関する英語論文誌掲載のお知らせ
~奈良先端科学技術大学院大学との産学共同研究の成果~(2021 年 2 月 5 日付)
https://onkyo.com/news/images/20210205_NAISTSensorsMaterials.pdf


◆振動センシング技術を活用した橋梁等の構造物の解析・異常検知の研究について
~京都大学 構造力学研究室との共同研究を開始~(2021 年 2 月 26 日付)
https://onkyo.com/news/images/20210226_KyotoUniversity.pdf





“振動センサー” の新展開


オンキヨー株式会社

2021.3.8
”振動センサー” 開発の背景と取り組み内容
“音”を測定する技術で培ったノウハウを活かす

“振動センサー”開発の背景 現在の取り組みテーマ
オーディオメーカーの大敵 “ノイズ” 振動センサーの具体的な研究開発
ノイズの発生の要因 “音”の技術 “AI” 技術
電気的な干渉 物理的な振動 その他
交通量調査への活用
敵を知るための “測定する技術” 道路の振動解析

”音”の測定 ”振動”の測定
⚫ 周波数測定 音の測定ノウハウを活かし
健全性調査への展開
⚫ 音圧測定 構造物の異音検知
”振動センサー”
⚫ インパルス応答測定 経時的な変化から耐久性診断
を開発
など
デジタル聴診器の開発
さらにノイズ低減のための 心音や呼吸音を取りこみ
“信号処理技術”と“解析技術” 可視化・記録 デジタル聴診器
(イメージ)


「音」の “測定”→“信号処理”→ “解析” 技術を 取り付け面全体がスピーカーになる
「振動」にも活かして“振動センサー” を開発 背面を閉じる必要がなく広い用途が可能

振動センサーを使ったビジネス展開
交通量調査サービス

振動センサーによる交通量の自動測定提案 (実証実験中)

環境音 交通量調査の現状
5年に一度の大規模 路側に置くだけの簡単設置
人海戦術による
奈良先端科学技術 交通量調査統計より 目視測定
大学院大学 測定手法 振動センサー
道路の振動解析 100
計測用機材
その他 33% 手動計測器
80 ⚫ 精度のバラつき
28% 30%
⚫ 高コスト

65% 人手 赤外線センサーによる 振動波形のAI学習 測定データ処理
機械測定
40 57%
52% 恒久的に設置することで
振動センサー 20 機械
赤外線装置 リアルタイムデータの活用
交通量調査 12%14% ⚫ 設置の難しさ
0 7% 自動運転時代へ向けた道路情報提供サービス
H17 H22 H27 ⚫ 高コスト
(情報選択API提供)

渋滞予測 実証実験にて車両カウント制度90%以上達成(弊社規定)
耐久予測 交通量調査の定量化とそれを活用したサービスが可能
振動センサーを使ったビジネス展開(構想)
異常検知・健全性評価サービス

振動センシング技術による構造物の異常検知・健全性評価

環境音 構造物の耐久調査の現状
トンネルの耐久検査 熟練工による 振動センサーによる異音検知
打鍵検査
京都大学 ⚫ 天井部(設備等の落下予知)
⚫ 路面部(ひび割れ・陥没等)
(要検討)
構造物の振動解析
⚫異音判定のバラつき
⚫高コスト

ドローンなどによる
⚫ 橋脚の繋ぎ目 振動センサー
橋梁の耐久検査 目視検査 ⚫ 中間地点 (イメージ)
(要検討)

振動センサー 構造物に恒久的に
(イメージ) 取り付けて測定
⚫目視判定のバラつき
異音検知・耐久調査 ⚫高コスト

故障発見後の「事後保全」が主流 常時監視の「予防保全」へ
健全性診断
耐久予測 恒久設置で異音を検知して事前の事故防止へ
振動センサーを使ったビジネス展開(構想)
デジタル聴診器開発

デジタル聴診器による生体音の可視化・記録・経時変化確認

生物/生体音 アナログ聴診器による診療
“聴診音”が診察の入り口 デジタル聴診器よる診療
富山大学 知識と経験で聴きとった音で診断
記録と クラウドへ
DB構築
可視化
デジタル聴診器
72 アップロード
≒ 98 ⚫ 波形の可視化
22 = ⚫ 経時変化観察も可能
デジタル聴診器 心音
(イメージ)
肺音
胎児音 心音
など 肺音
胎児音
など

生体検診 医師の診断 デジタル聴診器 医師の診断

医師の聴覚と経験で診断 リモート診療も可能に

家庭用自動診療 プロトタイプを製作し評価中
リモート診療 家庭での簡易診断、さらにAIとの連携で異常の事前アラートなどへ
音、振動センサー活用した独自の解析技術


マイク・振動センサーで 特徴を抽出し 対象物の自動測定
データ取得 AI学習機能を活用 恒久的モニタリング

音測定技術の活用 音解析技術の活用 AI技術の適用



低 特
ノ 徴
マイク イ 抽
ズ 出
増 処 機械学習
幅 理
物体の移動検知
振動センサー 物体の異常検知
データベース化 物体の属性検知


音や振動を測定しAI技術を活用した独自の解析技術を新たな社会インフラへ提案する

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