藻類で土砂流出を防ぐ特許技術をNETIS登録

News Release
報道関係各位 日本工営株式会社
2018 年 2 月 13 日

日本工営 藻類で土砂流出を防ぐ特許技術を NETIS 登録
~ 環境配慮しながら治水・治山し災害を防止 ~

日本工営株式会社(本社:東京都千代田区、社長:有元龍一、以下「日本工営」)は、藻類を活用し
て草木の植生を促し、土壌表面の侵食を防止する技術(
「BSC 工法」
)を開発し、国土交通省の新技術
活用システム(NETIS※)に登録しました。


BSC(バイオロジカル・ソイル・クラスト/Biological Soil Crust)とは、土壌表面が藻類やコケ等
で覆われることで環境が改善し、崩壊後の斜面に草などが生え、追って木が生えてくるという、いわゆ
る植生遷移の初期に見られる自然現象です。
「BSC 工法」はこの藻類の特性に着目し、通常数年かかる初期の植生遷移を 2 週間から1か月とい
う短期間で形成させる技術として、日本工営と国立研究開発法人土木研究所が共同で 2009 年に特許を
取得しています。日本国内はもとより北極から南極まで世界中に広く分布する土壌藻類を培養・資材化
し、既存の吹付機器等を用いて崩壊地やのり面等の地表面に散布することで、植物が育つ基盤が維持さ
れ、さらに植生の促進によって地盤を強化し、岩石や地層が削られることを防止します。
樹脂等の薬剤を使用し基盤を固化していた既存の工法に比べて、ありふれた土壌藻類を資材として用
いる本工法の新規性と、地域生態系に配慮しながら様々な場所に適用でき、容易かつ安価に実施できる
汎用性などが高く評価され、NETIS 登録へと至りました。


「BSC 工法」の開発のきっかけは、沖縄で実施していた赤土対策の研究中に、土壌藻類が発達して
いる場所の土砂流出量が少ないのを偶然発見したことでした。その後、BSC を形成した畑では流出土
砂量が 1/10~1/20 程度に低減されることを実証するなど研究を重ねると共に、藻類培養技術を有する
株式会社日健総本社(本社:岐阜県羽島市)と共同で、土木資材としての製品化を進めてきました。今
後は土木分野の治水・治山活用に加えて、農業分野での活用についても検討を進めます。


日本工営は、今後も総合技術コンサルタントとしての強みを活かし、積極的な技術開発と幅広いコ
ンサルティングサービスを提供してまいります。


*NETIS(新技術情報提供システム)国土交通省が新技術情報を事
業へ活用・促進する事を目的に整備しているデータベース
http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/NewIndex.asp




北海道での適用例
(向かって右側が BSC 工法実施後)

―お問合せ先―
日本工営株式会社 経営企画部 コーポレートコミュニケーション室
TEL :03-5276-2454 Email: info@n-koei.co.jp ホームページ:http://www.n-koei.co.jp/
■NETIS 登録情報
新技術名称 : 侵食防止及び植生の自然侵入促進をはかる土壌藻類資材
登録番号 : OK-170002
登録日 : 2018 年 1 月 11 日
NETIS ホームページ:
http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/Search/NtDetail1.asp?REG_NO=OK-170002




BSC 資材




崩壊箇所への BSC 資材吹付

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