ストレスチェック「医師の面接指導」実態調査

2016 年 11 月 2 日
プレスリリース 株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメント
報道関係各位 代表取締役社長 鳥越 慎二
(JASDAQ コード 8769)

ストレスチェック「医師の面接指導」実態調査

高ストレスの要因は「仕事の量・労働時間」「上司との関係」
人事部は医師面接および就業上の措置に関して一定の評価
株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:鳥越 慎二、以下「当社」)は、本年
9 月に従業員 50 人以上の企業(団体)におけるストレスチェック担当者 188 人を対象に、ストレスチェックにおける医師面接
の取り組みに関するインターネット調査を実施しました。



【調査結果のポイント】

 医師の面接指導の対象者が、高ストレスの要因として医師に指摘された項目は「仕事の量・労働時間」、
「上司との関係」

 最も多くとられた就業上の措置は「業務の軽減・変更」

 医師の面接指導制度について「有意義である」としたのは約 6 割。
「就業上の措置の効果」などに意義を
認めている。


産業医経験が豊富な精神科医師で、面接指導も担当する深澤 健二医師(当社メディカルアドバイザー)は、本調査結果
も踏まえて「医師の面接指導制度の現状と課題」について以下のように解説しています。

【深澤医師のコメント】

 医師面接の最も重要な役割は、面接指導対象者が高ストレスとなっている業務上の原因を把握し、その
改善策を会社側に伝えることである。
 面接指導医師としての経験上、面接指導を希望する従業員は“就業上の問題を解決してもらい、何とか
して職場に適応したい”という希望を持った方が多い。また面接指導対象者には、現に精神疾患を抱え
主治医の元で治療中である方が一定数含まれている。
 そのため、面接指導担当医師は対象者の状態を適切に把握すると同時に、職場の実情も踏まえた適切な
意見書を会社側に出すことが求められる。
 意見書を踏まえて現場が業務や勤務時間の調整など就業上の措置を行う際、対応に慣れていない現場に
対し、人事部は事例の紹介やアドバイスなど「社内コンサルタント」機能を担うことが必要になる。その
ため産業医や外部のメンタルヘルス機関などの専門家などとも必要に応じて連携し、支援を受けることも
重要になる。
 当社の経験から、医師の面接指導を希望した従業員の割合は 0.5~1.5%程度と極めて低いことを踏まえる
と、制度の性質上職場に知られたくないキャリアやプライベートの相談では面接指導は利用されにくいと
想定されるため、匿名で気軽に利用できるカウンセリング窓口等を合わせて設置することが望ましい。


【調査結果】

Q1.お勤めの職場・企業(団体)において、高ストレスの要因であると医師の面接指導で指摘された項目で多かったものを
三つまで教えてください。

60%
52.7
49.5

39.4
40%
31.9

19.7 19.1 17.6
20%

6.4
-
0%
な仕 上 仕 同 部 個 パ そ 指
ど事 司 事 僚 下 人 ワ の 摘
の と の と と や ハ 他 さ
量 の 内 の の 家 ラ れ
、 関 容 人 関 族 、 た
全体
(188) 労 係 ( 間 係 の セ 項
働 質 関 問 ク 目
時 ) 係 題 ハ は
間 ラ な





 高ストレスの要因であると医師の面接指導で最も多く指摘された項目は、「仕事の量、労働時間など」(52.7%)。
次いで「上司との関係」(49.5%)、「仕事の内容(質)」(39.4%)、「同僚との人間関係」(31.9%)と続く。
 「個人や家族の問題」は 2 割弱にとどまる。




Q2.お勤めの職場・企業(団体)で、面接指導を受けた従業員のうち、就業上の措置(就業制限、要休業など)が必要だと
意見が付いた方の割合を教えてください。(お答えは一つ)

60%
54.0


40%
27.8

18.2
20%



0%


% % %
以 ~ 未
上 5 満
全体
(176) 0







 高ストレスの要因であると医師の面接指導で、指摘された項目がある方のうち、就業上の措置が必要だと
意見があった割合は「10%未満」(54.0%)が最も多い。次いで「10%~50%未満」(27.8%)、
「50%以上」(18.2%)
と続く。
 面接指導が必ずしも就業上の措置につながっているわけではないことが読み取れる。

Q3.前問で回答された、面接指導の結果、就業上の措置(例:労働時間の制限、異動など)が必要であると意見があった
従業員のうち、実際に会社が就業上の措置をとった割合を教えてください。(お答えは一つ)


60%

(参考)就業上の措置をしなかった理由
43.6
40% • 本人がその措置を希望していない
33.6
• 周囲の理解が得られにくい
22.9
• 当人に余人をもって代えられないスキルや経験があり、
20%
措置による影響が大きい
• 人事部の人員に余裕がなく、対応ができない
0% • 権利の乱用につながる恐れがある
5 1 1 など

% % %
以 ~ 未
上 5 満
全体
(140) 0







 面接指導により就業上の措置が必要であると意見があった従業員のうち、実際に会社が就業上の措置を
とった割合について最も多いのは、
「10%未満」(43.6%)。一方、
「50%以上」とした企業は 33.6%である。
 本人の意思や周囲の環境により、必要な就業上の措置が取られないケースが多いことがわかる。




Q4.実際に会社が就業上の措置をとった項目を以下からお答えください。(お答えはいくつでも)

80%
72.9

57.9 57.1
60%
43.6
40%


20%

1.4
0%
業 外労 異 休 そ
務 労働 動 暇 の
の 働時 、 ・ 他
軽 の間 就 休 就
減 禁の 業 職 業
全体
(140) ・ 止制 場 の 上
変 な限 所 指 の
更 ど、 の 示 処
時 変 置
間 更



 実際に会社が就業上の措置をとった項目で最も多い回答は、「業務の軽減・変更」(72.9%)。次いで「労働時間の
制限、時間外労働の禁止など」(57.9%)、「異動、就業場所の変更」(57.1%)、「休暇・休職の指示」(43.6%)と続く。



Q5.お勤めの職場・企業(団体)で、面接指導を受けた従業員のうち、専門医による治療が必要だと判断された割合を
教えてください。(お答えは一つ)

80%
71.6

60%


40%


20% 15.3 13.1


0%


% % %
以 ~ 未
上 5 満
全体
(176) 0







 専門医による治療が必要だと判断された割合について最も多いのは、「10%未満」(71.6%)である。




Q6.お勤めの職場・企業(団体)で、面接指導医師はどなたが担当していますか。(お答えはいくつでも)

100%
76.6
80%

60%

40% 33.0
19.7
20%
1.1
0%
自 (外 者( 外 そ
社 個部 等ス部 の
の 別の のト の 他
産 に医 紹レ医
業 探師 介ス師
全体
(188) 医 し )チ
、 て ェ
顧 契 ッ
問 約 ク
医 ) 業




 面接指導医師の担当者について最も多いのは、「自社の産業医、顧問医」(76.6%)。次いで「外部の医師(個別に
探して契約)」(33.0%)、「外部の医師(ストレスチェック業者等の紹介)」(19.7%)と続く。





Q7.実際に、あなたがお勤めの職場・企業(団体)でストレスチェックをやってみて、高ストレス者に対する医師面接制度に
意義があると思いますか。(お答えは一つ)



意義が 意義は
ある(計) ない(計)
大いに意義がある どちらかといえば意義がある どちらともいえない あまり意義はない まったく意義はない




全体 (188) 26.6 35.1 26.6 8.5 3.2 61.7 11.7




0% 20% 40% 60% 80% 100%




 高ストレス者に対する医師面接制度の有意義性については、「大いに意義がある」は 26.6%。「どちらかといえば
意義がある」の 35.1%と合計すると 61.7%である。一方、「意義がない」との回答は 11.7%であった。




Q8.(Q3 について)お答えになった理由や、実施してみて感じたことなどをお書きください。(お答えは具体的に)



○「就業上の措置における効果」についてのコメント

 精神的におかしくなっている感じの従業員が、配置異動になり、生気を取り戻したことがある。

 適切な対応を早期に取りやすくなると思う。

 うつ病患者が多発しており、業務が滞っている部署を改善できると考えている。

 医師に職場の実態を報告しても、(医師が職場の実態を)把握できていない為、 最善の措置ができない。


○「高ストレス者の実態把握や早期発見・早期対応の効果」についてのコメント

 人事部門では把握しきれない個々人の状態を知ることができた。

 高ストレス者を発見でき悪化せずに済んだ。

 受診者自身が高ストレスだとの認識を持っていないことを実感した。

 面接するにあたって高ストレス者が(会社側に)わかってしまいやすく、(面接が)受けにくい印象にある。



○「医師によるケアの効果」についてのコメント

 相談を行うだけでも、高ストレスを持っている方の解決につがっていることが分かった。

 医師面接が必要だという診断を受けた従業員のメンタルを鑑みると、不安に感じるだけでなく、これからどうしよう、何から
始めたら良いのか分からない、という様々な不安がさらなるストレスになってしまう可能性が高かったため、アフター フォロ
ー的な面でも医師面接を行うことで多少でも安心に繋がり改善に繋がることが大切だと思う。

 社内の人間には話しにくいことでも医師には相談しやすい。

 本当の気持ちを言えない雰囲気がある。
など




【調査方法】
調査目的 改正労働安全衛生法に基づき義務化された「ストレスチェック」について、医師の面接指導に関する各企業の
実施状況を把握する
調査対象者 現在、業務として【ストレスチェック】を担当している方で、医師面接の実施状況を把握している方
有効回答数 188 人
調査手法 インターネット調査
調査時期 2016 年 9 月 28 日(水)~2016 年 9 月 30 日(金)
実施主体 株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント
委託先調査会社 株式会社ネオマーケティング
※調査結果は、端数処理の都合上、合計と内訳の数値が一致しない場合があります。




*本調査のレポートは下記 URL よりダウンロードをしていただけます。
https://armg.smktg.jp/cc/0x12z10i



参考
■ストレスチェック制度
<出典:厚生労働省「改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度について」(2015 年 4 月 15 日)>




【お問い合わせ先】
株式会社 アドバンテッジ リスク マネジメント http://www.armg.jp
(取材・広報に関して) 経営企画部 : 小林 幸子/大橋 健一 TEL:03-5794-3890
(サービス内容に関して) メンタルヘルス部門統括 東京営業本部 TEL:03-5794-3830
※プレスリリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記くださいますようお願い申し上げます。
例)
「アドバンテッジ リスク マネジメントが実施した調査結果によると・・・」

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