LGBT当事者の意識調査-いじめ問題と職場環境等の課題-

NEWS RELEASE
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2017 年 3 月 23 日
各 位
会 社 名 ライフネット生 命 保 険 株 式 会 社
代表者名 代表取締役社長 岩瀬 大輔
(証券コード:7157 東証マザーズ)

LGBT 当事者の意識調査~いじめ問題と職場環境等の課題~
宝塚大学看護学部日高教授への委託調査

ライフネット生命保険株式会社 (URL:http://www.lifenet-seimei.co.jp/ 本社:東京都千代田区、代
表取締役社長:岩瀬大輔)は、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー等のセクシュア
ルマイノリティ(以下、LGBT)に関する調査を宝塚大学看護学部日高庸晴教授に委託しました。日高
教授が 2016 年 7 月 15 日~10 月 31 日の期間、LGBT 当事者約 1 万 5,000 名を対象に実施した
「LGBT 当事者の意識調査」の結果について、その概要をお知らせします。
ライフネット生命は 2015 年 11 月 4 日に、同性のパートナーを死亡保険金の受取人に指定可能とす
る取り扱いを開始しました。これを受けて、新たな保険申し込みをお受けしているほか、既存のご契約
者さまからの受取人変更のお申し出もいただいています。また、この取り扱いに関して全国各地から反
響やお問い合わせが続いています。
ライフネット生命は、サービス提供者として LGBT の意識やライフスタイル等に関してより深く理解す
るとともに、サービス改善や当社が取り組んでいるダイバーシティーの啓発活動等に役立てる目的で、
このたび日高教授に調査を委託したものです。なお、当社は調査結果の発表にあたって、個人情報保
護の観点から、調査結果解析後のデータの一部を使用しています。


■調査結果概要■

■LGBT当事者の意識 「いじめ問題」と「職場環境」に課題あり
 当事者全体の約6割が「学校生活(小・中・高校時代)においていじめ被害を経験」

 学校教育において「同性愛について一切習っていない」が全体の約7割。年代別で見ると10代
が「習っていない」と回答した率が一番低かった。一方で「異常なものとして習った」「否定的な
情報を得た」との回答あり

 「いじめにあっていた時、先生は解決に役立ってくれたと思う」は全体の13.6%にとどまる。10
代では19.9%、年代が高くなるにつれて低くなり、50歳以上では6.8%

 カミングアウト率は「親に対して」が22%、「職場や学校」では27.6%。都市部の方がよりカミン
グアウトの率が高い傾向あり。職場や学校での差別的発言は7割以上が経験

 「LGBTフレンドリーな会社の商品をより積極的に買う」は6割以上

 若年層ほどパートナーとの結婚パーティーや披露宴開催の意向が強い

 「(現在)付きあっている人を生命保険の受取人に指定したい」は約4割

※調査データ詳細は、添付の宝塚大学看護学部日高教授発表資料をご参照ください



本リリース内容の転載に際しては、「宝塚大学看護学部日高教授 LGBT 当事者の意識調査(ライフ
ネット生命委託調査)」とご記載ください。詳細は 4 月上旬をめどに http://www.gay-report.jp/2016/
に掲載予定です。


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ライフネット生命について URL: http://www.lifenet-seimei.co.jp/
ライフネット生命保険は、相互扶助という生命保険の原点に戻り、「正直に経営し、わかりやすく、安くて
便利な商品・サービスの提供を追求する」という理念のもとに設立された、インターネットを主な販売チ
ャネルとする新しいスタイルの生命保険会社です。インターネットの活用により、高い価格競争力と 24
時間いつでも申し込み可能な利便性を両立しました。徹底した情報開示やメール・電話・対面での保険
相談などを通じて、お客さまに「比較し、理解し、納得して」ご契約いただく透明性の高い生命保険の選
び方を推奨し、「生命(いのち)のきずな=ライフネット」を世の中に広げていきたいと考えています。

会社及び商品の詳細は http://www.lifenet-seimei.co.jp/ をご覧ください。
株主・投資家向けの情報は http://ir.lifenet-seimei.co.jp/ja/ をご覧ください。
本件に関するお問い合わせ先
03-5216-7900(広報:原/IR:近藤)




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LGBT 当事者の意識調査 ~いじめ問題と職場環境等の課題~
宝塚大学看護学部 教授 日高 庸晴
問い合わせ先:hidaka-office@takara-univ.ac.jp
電話:06-6376-0853(代)


■■調査概要■■
■調査タイトル:LGBT当事者の意識調査「REACH Online 2016 for Sexual Minorities」
■調 査 対 象:LGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティ当事者
■調 査 期 間:2016年7月15日~10月31日
■調 査 方 法:オンライン調査
(LGBTをはじめとするセクシュアルマイノリティ当事者が利用するサイトや
アプリにバナー広告を掲出、SNSを通じて研究参加者を募った)
■有 効 回 答 数:15,141件(海外在住者77件含む)
本稿では国内在住者のみ15,064件の分析結果を報告する。
(内訳)10代:4.8%、20代:37.6%、30代:29.4%、40代:21.7%、
50歳以上:6.5%
*アジア地域で最大規模
■実 施 機 関:宝塚大学看護学部日高研究室



■学校生活(小・中・高校)における「いじめ」は全体の約 6 割が経験
 10 代で約 5 割
 年代別では 40 代が一番高い結果に
小・中・高校の学校生活におけるいじめ被害の経験を聞いたところ、全体の約 6 割が経
験していることがわかりました。年代別にみると、40 代が一番多く 63.1%でした。
【いじめ被害経験がある】




*いじめ被害の内容
いじめ被害経験がある者のうち、「ホモ・おかま・おとこおんな」などの言葉によるいじ
め被害率は 63.8%、服を脱がされるいじめ被害率は 18.3%でした。




宝塚大学看護学部 日高 庸晴
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■学校教育における「同性愛について」の知識
 「一切習っていない」は全体の約 7 割
 「異常なものとして習った」「否定的な情報を得た」の回答も 2 割超あり
学校教育で同性愛についての知識を習ったかどうか聞いたところ、7 割近くが「一切習っ
ていない」と回答。年代が高くなるにつれて「一切習っていない」の回答率が高くなる傾向
にありました。他の年代に比較すると 10 代は「一切習っていない」が 48.2%と低かった
一方で、「異常なものとして習った」
「否定的な情報を得た」が合わせて 25.9%という結果
でした。
【学校教育における同性愛について】




※『「異常」なものとして習った』
『否定的な情報を得た』の合算


■先生がいじめの解決に役立ったか
 「役立った」は全体の 13.6%
 年代別にみると 10 代が 19.9%、年代を追うごとに減って 50 歳以上だと 6.8%に
「先生がいじめの解決に役に立った」と回答したのは全体の 13.6%。年代別では 10 代
が 19.9%で、年代が高くなるごとに減っていき、50 歳以上では 6.8%という結果でした。
【いじめにあっていた時、先生はいじめの解決に役にたってくれたと思うか】




宝塚大学看護学部 日高 庸晴
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■カミングアウトの状況
 親へのカミングアウトは 22%
 職場や学校でのカミングアウトは 27.6%
 都市部の方がより高い傾向に
親へのカミングアウトの状況を聞いたところ、全体の 22%がカミングアウトしている
ことが分かりました。地域別に見ると、都市部の方がカミングアウトしている率が高い傾
向にあり、それ以外の地域では低くなる傾向にありました。一番高かったのは東京の
24.7%、一番低かったのは福岡県の 16.2%でした。
続いて職場や学校でのカミングアウトの状況は、全体の 27.6%がカミングアウトして
いることがわかりました。地域別で見ると、親へのカミングアウト同様に、都市部の方が
カミングアウトしている率が高く、それ以外の地域は低くなる傾向がありました。また職
場や学校でのカミングアウトと比較して、親へのカミングアウトの方がよりハードルが高
い様子も伺えました。




宝塚大学看護学部 日高 庸晴
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■職場・学校の環境
 7 割以上が「差別的な発言」を経験
 LGBT フレンドリーと感じるのは約 3 割
 「差別的発言あり」は地域差はあまりなく各地で高い傾向あり
職場や学校で差別的な発言を経験した人は 7 割以上で、地域差はあまりなくいずれの地
域も高いことがわかりました。一方で、職場や学校が LGBT フレンドリーと感じている人
は約 3 割にとどまりました。


【職場や学校での差別的発言の経験とフレンドリー具合】




■LGBT フレンドリー企業の商品購買意欲
 6 割超が「多少高くても買う」
「同じ値段なら買う」
 レズビアンの女性がより購買意欲が高い傾向にあり
「セクシュアルマイノリティにフレンドリーな会社があれば、同等の他社商品よりもその
会社の商品を積極的に買うと思いますか?」の質問には、全体の 61.8%が「多少高くても
買う」
「同じ値段なら買う」と回答しました。アイデンティティ別でみると、レズビアン女
性が他に比較してその傾向が高い結果となりました。


【セクシュアルマイノリティにフレンドリーな会社の商品購買意欲】




宝塚大学看護学部 日高 庸晴
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■結婚パーティーや披露宴をしたい
 若年層ほど結婚パーティーや披露宴の開催希望率が高い
パートナーがいるレズビアン(10 代で 44.4%、20 代で 52.9%)
、バイセクシュアル
女性(10 代で 75%、20 代で 58.1%)
、FTM(10 代で 66.7%、20 代で 48.0%、30
代で 60%) ジェンダー男性(10 代で 60%) ジェンダー女性(10 代で 50%)が
、X 、X
開催希望を持っていることがわかりました。




■生命保険
 「生命保険会社が同性パートナー対応をしている」ことに対する認知は約 25%
 現在付きあっている方を生命保険の受取人にしたいは約 4 割
「生命保険会社が同性パートナーの対応をしていることを知っている」と回答したのは
全体の 24.8%であり、
「パートナー・恋人がいる」と回答した方のうち、
「付きあっている
方を生命保険の受取人に指定したい」と回答したのは 39.4%でした。




宝塚大学看護学部 日高 庸晴
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