カスタマーサクセス取り組み企業実態

2021 年 7 月 19 日
報道関係各位
バーチャレクス・ホールディングス株式会社
(東証マザーズ:6193)


カスタマーサクセス取り組み企業実態
半数は「効果感じている」も、人材・組織体制や経営者理解への“壁”
効果体感できない理由は“カスタマ―サクセス 0.0”フェーズでの躓きか
~バーチャレクスとアイティクラウドによる実態調査、2021 年版第二弾結果~

バーチャレクス・グループのバーチャレクス・コンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:丸山勇人、以
下、バーチャレクス)は、アイティクラウド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼 CEO:黒野源太、以下、アイティ
クラウド)と合同で実施した 2021 年版カスタマーサクセスに関する実態調査につきまして、前回の第一弾(*1)に引き続き第二
弾の結果を取りまとめました。


■第一弾調査結果ハイライト
対象:全国の 20 代から 60 代の有職者 24,274 人
 「カスタマーサクセスとは何かをよく知っている人(=認知度)
」は全体の 3.9%で、3 年連続 4%未満
 「カスタマーサクセス」という言葉を聞いた事すらないという人は全体の 82.0%
 「カスタマーサクセスに取り組んでいる部署/担当者がある/いる」割合は昨年と変わらず約 50%
 外資系企業での取り組み率は 84.2%と昨年よりやや増加、日系企業では「必要性を感じている」人の割合が微増
 従業員規模別では 100 名以下の企業および 10,000 人以上の企業において取り組んでいる企業が増加、それ以外では減少
 カスタマ―サクセスに対する上層部の意識は年々向上、少しずつだが重要性を認識しつつあると推察


■第二弾調査結果概要
前回の調査対象である 24,274 人の中で、カスタマーサクセスを「自身が担当している/社内に取り組んでいる部署、または担
当者がおり、自身もかかわっている」と答えた 500 人に対し、カスタマーサクセスに関する取り組みについての調査を行いまし
た。


取り組み企業の半数は「効果を感じている」ものの、
「どちらとも言えない」割合が昨年より微増
カスタマーサクセス取り組みの効果としては、半数以上の人が「感じている」と回答している一方で、35.6%の人は「どちらと
も言えない」と感じており、昨年の 32.2%よりわずかに増加していることがわかりました。





取り組み体制別で効果の感じ方を見てみると、専業で取り組んでいる人たちの 6 割強、専業でない人たちでも半数以上の人が「効
果を感じている」と回答しています。




また、
「効果を感じている」と回答した人たちの取り組み年数を見てみると、各層においてほぼ 55%の割合、2 年以上 4 年未満
の層は他よりも少し高い 6 割強の人たちが効果を感じています。昨年にも同様の結果が出ていましたが、半年~1 年程度の短い期
間での取り組みにおいても半数以上の人が効果を感じることができているというのは、カスタマーサクセスに関連する情報や参考
にできるような事例などが年々増えてきていることも影響しているかもしれません。




しかし一方で、体制や取り組み年数に関わらず、各層において 3 割強の人たちは「どちらとも言えない」と答えていることから、
ある程度カスタマ―サクセスの取り組みに時間とリソースを投資をしたにもかかわらず、残念ながら効果を感じられていない企業
も少なくないということがわかります。


効果体感の壁①カスタマ―サクセス担当者の前に立ちはだかる「組織課題」


ではなぜ効果が体感できない企業が少なくないのか。カスタマ―サクセスを運用していくにあたっての現状の課題を聞いたとこ
ろ、一番多かったのは「人材・組織体制が不十分」で 22.6%、次いで「経営層/上層部の理解が得られない」が 20.2%と、少な
くとも約 2 割の人が組織に関する課題を抱えていることがわかりました。





[2021年] カスタマ―サクセスを運用していくにあたって解決すべき課題
(n=500, 複数回答)
人材・組織体制が不十分 22.6%
経営層/上層部の理解が得られない 20.2%
社内現場の理解が得られない 18.2%
対顧客のKPIをどう運用していったらよいのかわからない 16.8%
やっていることが正解なのかわからない 16.8%
進め方や相談する人がいない 16.2%
『カスタマーサクセス』部門(担当者)のKPIをどう設定したらいいのかわからない 15.8%
対顧客のKPI/KGIをどう設定したらいいのかわからない 15.2%
各顧客セグメントに対するアクションの定義づけが難しい 15.0%
『カスタマーサクセス』に取組むツールがない 14.8%
どのツールを選べばよいのかわからない 14.6%
何から手をつけたらいいのかわからない 14.6%
他部署の協力が得られない 14.0%
顧客のセグメント化が難しい 13.2%
ヘルススコアの設定項目がわからない 12.4%
その他 0.8%

0% 5% 10% 15% 20% 25%


本結果を、各企業のカスタマ―サクセス取り組み期間別で見た場合、この 2 つの項目についてはいずれの層においても上位 3 項
目に上がってきており、長く取り組みを続けていくことで自然と解決されるものというわけではなく、担当者を悩ませている課題
であるということが浮き彫りになりました。また 2 年以上、さらには 4 年以上取り組みを続けているにもかかわらず「やっている
ことが正解なのかわからない」と感じている人も多く、試行錯誤を繰り返しながら取り組みを進めていることがうかがえます。




ちなみに、「効果を感じている」人に対して、「最初の頃は障害であったが今は解決している課題」は何かを聞いてみると、少な
くとも 3 割の人が人材・組織体制に関してと、経営層/上層部からの理解に関する課題を挙げており、取り組みの効果を出すため
にも早期に解決すべき重要な要素であることがわかります。





[2021年] カスタマ―サクセス効果を感じている人が既に解決した課題
(n=257, 複数回答)
何から手をつけたらいいのかわからない 40.1%
人材・組織体制が不十分 30.0%
経営層/上層部の理解が得られない 29.6%
社内現場の理解が得られない 24.5%
どのツールを選べばよいのかわからない 24.5%
やっていることが正解なのかわからない 24.1%
『カスタマーサクセス』に取組むツールがない 24.1%
他部署の協力が得られない 22.6%
進め方や相談する人がいない 21.4%
顧客のセグメント化が難しい 21.4%
対顧客のKPI/KGIをどう設定したらいいのかわからない 19.5%
『カスタマーサクセス』部門(担当者)のKPIをどう設定したらいいのかわからない 18.7%
対顧客のKPIをどう運用していったらよいのかわからない 18.3%
各顧客セグメントに対するアクションの定義づけが難しい 17.9%
ヘルススコアの設定項目がわからない 14.4%
その他 0.8%

0% 10% 20% 30% 40% 5




効果体感の壁②“カスタマ―サクセス 0.0”フェーズでの躓き


6 続いて、カスタマーサクセスを実践する上で、一般的に実務として最初に取り組むべきと考えられていることの一つが KGI や
KPI、ヘルススコアの設定です。トップダウンか現場発かはさておき、カスタマーサクセスを推進することは決定。自社にとっての
カスタマーサクセスとは何なのか。なんのためにカスタマーサクセスに取り組むのか。その目的・ゴールの達成状況をどのように
測定するのか。その前段として、日々の顧客の契約・利活用状況をどう明らかにするのか。こういった準備・検討を進めるフェー
ズは、いわば“カスタマ―サクセス 0.0”とも呼ぶべき段階であり、この段階を突破できているかどうかで、効果の感じ方に差が出
ていることが以下のグラフから推察されます。効果を感じている人ほど、KPI や KGI、ヘルススコア項目の設定、さらにはその運
用の仕方についての課題が既に解決できているということがわかります。




さらに、成果指標として定めている KPI 項目を尋ねてみたところ、効果を感じていない人・どちらとも言えない人それぞれの半
数以上が、
「特に定めていない」ということがわかりました。数字で顧客を把握することはカスタマーサクセスの 10 原則にも含ま
れており、顧客の事業を成功導くためには欠かせませんが、こういった指標の設定や運用の難しさが、カスタマーサクセス効果の
創出にも影響しているのかもしれません。





※ARPU= Average Revenue Per User(1 ユーザーあたりの平均的売り上げ)
※MRR=Monthly Recurring Revenue(月間の定額収益)
※ARR=Annual Recurring Revenue(年間経常収益)


カスタマ―サクセスの「業務」に取り組み始める前に、できれば全社方針合わせを


第一弾の調査で(https://www.virtualex.co.jp/news/2021/06/2021CS-research-1.html)
、企業上層部のカスタマーサクセ
スに対する重要性が年々認識されつつあるという結果が出ましたが、実際に取り組みを進めている企業において、まだ上層部の理
解が得られていないケースがあるという実態が見えてきました。これは組織全体で大きく取り組む会社の方針としての「大きなカ
スタマーサクセス」を掲げる前に、現場におけるオペレーション・仕組みとしての「小さなカスタマーサクセス」を進めてしまっ
ているという可能性が考えられます。今年に関しては新型コロナウイルス感染拡大の影響も一部考えられますが、カスタマーサク
セスの取り組みは、単純に専任の担当者や部署を置いたり、人数を増やしたり、長く続けていったり、ということだけで自然と結
果に繋がるものではないということが、改めて今回の調査でわかりました。カスタマーサクセスの取り組みを導入する前に、経営
陣がカスタマーサクセスの必要性・重要性を理解しておくことが理想形ではありますが、現実問題はなかなか難しいところもある
でしょう。その場合は現場レベルでの取り組みにおいて「小さな成功事例」を作り、それを経営陣共有していきつつ意識改革を進
めて行くのもよいでしょう。社内における意識齟齬を無くして一丸となって進めて行く経営哲学としての「真のカスタマーサクセ
ス」に取り組んで行ける企業が、今後国内で増えていくことが期待されます。


バーチャレクスとアイティクラウドは引き続き、
「カスタマーサクセス」の啓蒙と、これから取り組んでいく、あるいはさらに深
化させていく、という企業様のサポートを行ってまいります。また、本調査においては近日第三弾結果を公開する予定です。また、
バーチャレクスでは企業様のカスタマーサクセス導入や運用をサポートする様々なサービスを提供しています。


 ワークショップ(経営者様向け/社員様向け等、カスタマーサクセスについての理解促進をサポート)
 コンサルティングサービス(ショット/スポット型でのレビューや戦略立案等)
 テクノロジーサービス(ツールやデータプラットフォームの導入/構築や利活用支援)
 オペレーションサービス(カスタマーサクセスプロセス伴走支援)


また下記サービスを無料でご提供しています。


 カスタマ―サクセスビギナー向け入門ガイドダウンロード
 カスタマ―サクセスの取り組み状況クイック診断
 これからカスタマーサクセスの取り組みを検討する企業様の質問や疑問、お悩みにお答えするお悩みホットライン



詳しくはこちらをご覧ください。https://customer-success.virtualex.co.jp/


参考:
『カスタマーサクセス ―サブスクリプション時代に 求められる「顧客の成功」10 の原則―』
https://www.virtualex.co.jp/corporate/customersuccess.html

(*1) 【2021 年カスタマーサクセスに関する実態調査】https://www.virtualex.co.jp/news/2021/06/2021CS-research-1.html


【調査実施概要】
「2021 年カスタマーサクセスに関する調査」
・調査方法 :インターネットアンケート
・調査実施期間:2021 年 2 月 19 日~2021 年 2 月 22 日
・対象地域 :全国
・対象者 :20 代から 60 代の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)24,274 人


 アイティクラウド株式会社について (http://www.itcrowd.co.jp)
アイティクラウド株式会社は、IT 製品のレビューメディア事業展開を目的とし、SB C&S 株式会社とアイティメディア株式会社の
合弁会社として 2018 年 4 月に設立しました。「IT 選びに、革新と確信を」をミッションにかかげ、企業がテクノロジーを活用す
る上で必要となる“信頼できる声”や“確かな情報”の集まる場である「ITreview」を同年 10 月に開設。リアルユーザーの製品レビ
ューを収集・掲載することで、IT 選定の透明性を高め、迅速で自信に溢れた意思決定のできる世界の実現を目指しています。


 ITreview とは (https://www.itreview.jp/)
ITreview とは、法人向け IT 製品・クラウドサービスのリアルユーザーが集まるレビュープラットフォームです。製品検討者にお
いてはユーザーにより投稿されたレビューや製品情報の閲覧ができ、ビジネスの現場で受け入れられている顧客満足度の高い製品
を確認できます。また、製品ユーザーにおいては、自身が活用する製品評価をレビューとして投稿でき、自身の IT 活用にまつわる
ナレッジをシェアできます。情報共有、セールス、マーケティング、会計、IT インフラ、セキュリティ、開発などといった約 330
のカテゴリー、4,000 製品とそれらに関するレビューを約 4.5 万件掲載しています。


 バーチャレクス・コンサルティング株式会社について (http://www.virtualex.co.jp)
バーチャレクス・コンサルティングのビジネスはコンタクトセンターが原点となっており、「顧客の成功こそが自社成長の鍵
である」というカスタマーサクセスの考え方にもとづき、"Succession with You" ― 一度きりの成功の「Success」ではな
く、連続する成功という意味の「Succession」を、「for You」ではなく、伴走するという意味で「with You」していくこと
を企業として掲げています。現在では顧客企業の CRM 領域の DX・デジタルシフトを、コンサルティング、テクノロジー、
オペレーションのコアスキルを融合させ、ワンストップ伴走型でサービスを展開しています。


 バーチャレクス・グループについて (http://www.vx-holdings.com)
バーチャレクス・グループは、東京、佐賀、アメリカ、バンコクと 3 ヶ国 6 企業、約 900 名の従業員が一体となり、金融・保
険、IT・情報通信、通販・インターネットサービス、教育、官公庁・自治体など、幅広い業界のクライアント様に対して、それぞ
れの専門知識を活かしたサービスを提供しております。2016 年 6 月には東京証券取引所マザーズ市場に上場しています。


本件に関するお問い合わせ
◎バーチャレクス・コンサルティング株式会社 カスタマーサクセス・ソリューション担当
E-Mail: sales_info@virtualex.co.jp





20979