ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター・トランスジェニックマウスの継続出願に関する米国特許査定のお知らせ

2021年3月10日
各 位
会 社 名 株式会社フェニックスバイオ

代 表 者 名 代 表 取 締 役 島 田 卓

(コード番号:6190 東証マザーズ)

問 合 せ 先 専務取締役管理部長 田村 康弘

(TEL 082-431-0016)




ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター・トランスジェニックマウスの
継続出願に関する米国特許査定のお知らせ




当社製品である「ヒト肝細胞を有するキメラマウス」 (PXBマウス®)のホストマウス
(親マウス)として使用しておりますcDNA導入ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベ
ーター・トランスジェニックマウス(cDNA-uPAマウス)につきまして、米国特許商標庁か
ら特許査定を受けましたのでお知らせいたします。
今回の特許は、2018年5月に米国で登録されたcDNA-uPAマウスに関する特許に比べて、
ホストマウスが出来上がるまでの条件に限定されない、広範囲な権利を得るものであり、
知的財産が更に強化されました。当社グループは主要市場である米国を中心にPXBマウス
販売を推進しておりますが、従来の受託試験サービスに比べて、動物販売において模倣リ
スクが高まることに対して、本特許が有効な権利になると考えており、今後はPXBマウス
の一層の普及に向けて努めてまいります。
当社グループでは、事業上、重要な特許取得については、引き続き積極的に取り組んで
まいります。
なお、本件による業績への影響はありません。


【権利範囲の概要】
2018年5月の登録特許(米国登録番号9955675)は、ヒト肝細胞の移植が可能なホスト
マウスが出来上がるまでの実験条件(ES細胞株の樹立、遺伝子導入キメラマウスの作出、
マウス交配方法)の下での権利でありましたが、今回査定の継続出願(米国出願番号
15/934,520)では、これらの条件はなくなり、PXBマウス自体が持つDNA情報やアルブミン
血液中濃度によって権利が保護される内容になっております。


【cDNA-uPAマウス】
cDNA導入ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター・トランスジェニックマウス
は、公益財団法人東京都医学総合研究所、中外製薬株式会社及び当社が共同開発したトラ
ンスジェニックマウスであり、現在、当社の製品である「ヒト肝細胞を有するキメラマウ
ス(当社製品名:PXBマウス®)」のホストマウスとして使用しております。
本マウスは、2012年7月以前に使用していたホストマウス(uPAマウス)に比べて、長期
間安定してヒト肝細胞の置換率と体重を維持できるヒト肝細胞キメラマウスの作製ができ
るようになり、長期間の実験等が可能となりました。
【用語解説】
[cDNA]
細胞内での蛋白質合成においてDNAの遺伝子として働く部分(情報)を人工的に合成し
たDNAであり、complementary DNA(相補的DNA,cDNA)と呼ばれています。


[uPA]
ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)は様々な蛋白質を溶かすことがで
きる酵素の一つです。体内で凝固した血餅を溶解し除去する線溶系としての働きがよく知
られています。


[ES細胞]
すべての種類の細胞に分化する万能細胞として、バイオテクノロジー分野で利用されて
います。遺伝子操作を目的とした使い方も多く、効率よく遺伝子改変動物を得ることが出
来ます。


以 上

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