環境戦略を更新し、環境と社会に対するインパクト創出を強化

2023 年3月 30 日
各 位
会社名 株式会社 LIXIL
代表者名 代表執行役社長 兼 CEO 瀬戸 欣哉
(コード番号 5938 東証プライム市場・名証プレミア市場)
問合せ先 常務役員 IR 室 室長 兼 平野 華世
Finance & Treasury 部門 Corporate
Accounting & Treasury/Tax リーダー
(TEL. 050-1790-5041)


環境戦略を更新し、環境と社会に対するインパクト創出を強化


株式会社 LIXIL(以下 LIXIL)は、この度、当社の環境戦略の更新を行いました。LIXIL の環境戦
略は、
「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」とい
、 、
う3つの重点領域から構成されていますが、各領域において、当社の事業プロセスとバリューチェー
ン、さらには既存事業の枠を超えて地球環境および社会に対するインパクト(良い影響)を拡大する
ことを目指して、中期目標を策定し、取り組みを進めていきます。
LIXIL は、環境リスクの軽減や適応に加え、自社の専門性を活かすことで、自社のバリューチェー
ンだけにとどまることなく、現在そして次世代の人びとの暮らしに変化を生み出すことを目指します。


詳細は、添付のお知らせをご参照ください。




以上
報道関係各位
2023 年 3 月 30 日
株式会社 LIXIL


環境戦略を更新し、環境と社会に対するインパクト創出を強化
株式会社 LIXIL(以下 LIXIL)は、この度、当社の環境戦略の更新を行いました。LIXIL の環境戦略は、
「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」という3
、 、
つの重点領域から構成されていますが、各領域において、当社の事業プロセスとバリューチェーン、
さらには既存事業の枠を超えて地球環境および社会に対するインパクト(良い影響)を拡大すること
を目指して、中期目標を策定し、取り組みを進めていきます。

当社は、環境リスクの軽減や適応に加え、自社の専門性を活かすことで、自社のバリューチェーンだ
けにとどまることなく、現在そして次世代の人びとの暮らしに変化を生み出すことを目指します。

中期目標




LIXIL 社長 兼 CEO の瀬戸欣哉は、次のように述べています。
「LIXIL は、事業戦略に ESG の要素を統合す
ることで、環境や社会に対するインパクトを生み出し、長期にわたる事業の強化と当社の Purpose(存
在意義)の実現につなげていきます。今回の環境戦略の更新は、このような LIXIL の取り組みの中核を
なすものです。事業活動全般において、環境の取り組みを強化し、リスクに対応しながら、新たな事業
機会を捉えてまいります」

LIXIL では、自社だけでなく、ビジネスパートナーとの連携を通じて、持続可能な事業運営を行うための
取り組みを強化してきました。 こうした活動が評価され、この度、 (Science-based Targets initiative)
SBTi
の創設パートナーの一つである国際的な非営利団体 CDP の「CDP サプライヤー・エンゲージメント評
価」において、最高評価の「サプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボード」に3年連続で選定
されたのに加え、 「CDP ウォーターセキュリティ A リスト企業」
水資源管理に関する活動についても、
に選ばれています。


気候変動対策を通じた緩和と適応

建物は世界のエネルギー関連 CO2 排出量の約 28%、住宅部⾨だけでも 17%を占めていることから、住

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宅の高性能化・省エネ化が喫緊の課題となっています¹。

LIXIL の Scope 1~3 の目標は、温暖化による世界の気温上昇を産業革命前と比較して 1.5℃に抑える SBTi
の新基準に合致しており、 この度、認定も更新しました。 気候関連財務情報開示タスクフォース (TCFD)
の提言をふまえ、2022 年 6 月に発表した通り、CO2削減目標を上方修正し、2019 年 3 月期を基準とし
て、2031 年 3 月期までに Scope 1 および 2 については従来の 30%²から 50.4%の削減、Scope 3 につ
いては 15%²から 30%削減という高い目標を掲げています 2, 3。

日本では、一般家庭で消費されるエネルギーのうち、暖房、冷房、給湯が約 6 割を占めています 4。ま
た、日本の既存住宅の 9 割は、政府が定める現行の省エネ基準を満たしておらず 5、日本政府も主要施
策の一つとして、断熱による住宅の省エネルギー性能の向上を推進しています。

LIXIL では、Scope 1~3 の CO2削減目標に加えて、この度 2026 年 3 月期までに新築戸建住宅向け高性
能窓の販売比率 100%、2031 年 3 月期までには、節湯・節水型の水栓やトイレの国内における販売構
成比も 100%とする目標を設定し、取り組みを強化しています。

高性能窓やドア、高性能住宅工法、節湯・節水型の水栓やトイレをはじめとする当社の環境配慮型製品
のラインアップを拡充し、成長するリフォーム市場のニーズに対応すると同時に、エネルギー消費量の
削減に貢献しています。加えて、気候変動による気温上昇や雨量の増加などにも対応できるよう、シェ
ードやシャッター、雨戸といった製品の提供を通じて、気候変動の影響への適応をサポートしています。
当社では、省エネ技術の開発を引き続き推進し、高断熱窓や省エネ型住宅設備への切り替えを促進する
ことで、環境負荷低減につなげます。



水の持続可能性を追求

世界では、2050 年までに人口の 40%が深刻な水不足に直面すると推定されています⁶。LIXIL は、水ま
わり技術の分野で世界をリードするメーカーとして、次世代が受け継ぐ水の持続性を追求し、誰もが
安全でおいしい水にアクセスできるよう取り組みを加速しています。水の持続性の確保は、社会と環
境への影響の両面から取り組む必要があり、LIXIL では新たな目標の設定を通じて、水の使用量削減、
水の再利用や浄水技術の利用拡大、アクセス向上を推進していきます。

2031 年 3 月期までに、自社の事業プロセスにおける水の使用効率を、2019 年を基準年として 20%改
善するとともに、自然関連情報開示タスクフォース(TNFD)が示す生物多様性の確保の観点から、水
不足拠点における水使用量の削減に取り組みます。生産拠点における水使用の最適化と責任ある水の
使用を推進し、生産活動に必要とされる水の循環利用を進めることで、水使用量の削減を図ります。

また、当社は、水の効率的な利用を促進する製品やソリューションの提供を通じて、エンドユーザー
の責任ある水利用をサポートし、日常生活における節水につなげていきます。節水型トイレや水栓、
スマートコントローラーなどの製品の提供を通じて、2025 年 3 月期までに、世界で年間 20 億㎥の水
使用量の削減に貢献することを目指します。

より良い住まいには、シャワーや手洗い、飲料水など、清潔で安全な水が不可欠です。LIXIL は、製品
の提供だけにとどまらず、消費者や地域社会と連携することで行動変容を促し、より安全な水の提供
と水の汚染リスクの低減にも取り組んでいます。当社は社会や環境に対するインパクト拡大に向け
て、従来から、イノベーションの創出とパートナーとの連携による活動を展開してきた実績がありま
す。パートナーとの協働を通じて、地域や文化によって異なる課題に対応するソリューションを開発
し、より効率的で責任ある水利用を促進するため、水不足への対応、使用効率の改善、安全性の向
上、再利用の促進といった様々な水の課題に関する議論を活性化し、政策提言を行っています。

LIXIL は、このような包括的アプローチを通じて、より安全な水と水のサービスへのアクセス向上と、

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浄水技術により水質を高めたおいしい水の提供によって、インパクト拡大を目指します。

資源の循環利用を促進

世界の人口増加に伴い、世界の資源消費量は 2050 年までに倍増すると予想されています⁷。現
在、建設関連部門では、世界の採掘資源の半分近くを消費していると言われています。持続可能
な成長のためには、資源利用の効率化と循環型ソリューションの開発が不可欠であり、LIXIL は、
資源の循環利用の促進に取り組むことで、業界をけん引し、世界に貢献する目標を掲げていま
す。

自社の事業プロセスに関しては、2026 年 3 月期までに、事業所から排出される廃棄物のリサイクル率
を世界全体で 90%まで高める目標を掲げています。バリューチェーンについても、全社において使い
捨てプラスチック包装の削減、資源配慮型製品の拡充、再製品化を実現するための引き取りサービス
や、修理、再販、リースサービスなど循環利用を促すシステムの構築に取り組みます。従来のプロセ
スを見直すことで、再利用やリサイクルを促進し、廃棄物の発生を最小限に抑えることを目指しま
す。

また、当社では長年にわたって、さまざまな原材料の効率的な利用を追求し、イノベーションの創出
につなげてきました。LIXIL が展開する GROHE ブランドでは、資源の有効活用を促進する「Cradle to
Cradle」認証製品を拡充しており、さらに環境製品宣言(EPD)に対応した製品は、18 商品群、777 品
目に達しています。一方、国内市場では、2022 年 12 月に、原材料にリサイクルアルミニウムを 70%
使用し、 「エコリーフ環境ラベル」を取得した低炭素型アルミ形材「PremiAL」シリーズを発売しまし
た。当社は、20 年以上にわたってリサイクル材の分野で業界をリードしてきており、 「PremiAL」に代
表されるように、ハウジング事業で使用されるアルミ形材について、2031 年 3 月期までにリサイクル
アルミニウムを 100%使用するという新たな中期目標を設定しています。

世界では、排出されるプラスチックの廃棄量が過去 20 年間で 2 倍以上に増加する中、LIXIL では、こ
うした課題に対応し、廃プラスチックの再利用を促進する循環型素材「レビア」を提供しています。
プラスチック廃棄物の多くは、使い捨てのプラスチックが占めており、世界的に緊急性の高い、深刻
な環境問題となっています。当社では、調達から生産、販売、施工、回収に至るエコシステムを構築
することで、廃プラスチックの循環利用を促す持続可能なビジネスモデルを確立し、廃棄物と CO2排
出量の削減、土壌や水、社会全体に有害な廃プラスチックによる汚染の低減に取り組みます。

LIXIL の Chief Technology Officer 兼 環境戦略委員会委員長である迎宇宙は、次のように述べていま
す。 「LIXIL では、Scope1~3への対応を含む気候変動対策による CO2排出量の削減、私たちの生活に
欠かせない水の持続性の確保、限りある資源の循環利用の促進という重点領域に注力した活動を継続
的に展開してきました。今回の環境戦略の更新は、企業としての責任を果たすことはもちろんのこ
と、さまざまなステークホルダーとの連携を通じて、既存事業の枠を超えてインパクトの拡大を目指
すものです。さらに、生物多様性の保全を当社の重要課題として追加し、取り組みを強化していきま
す。私たちは、世界で深刻化する環境の課題に対応するだけでなく、新たな価値を生み出すことで、
地球環境の未来に貢献してまいります」
-End-

¹ Global Alliance for Buildings and Construction, 2022 Global Status Report for Buildings and Construction
(https://globalabc.org/our-work/tracking-progress-global-status-report)
² 温室効果ガス削減目標(Near-term)として、SBTi の認定を受けた目標
³ Scope 3 の目標は、世界の気温上昇を産業⾰命前より 2℃を⼗分に下回る温室効果ガス排出削減目標である SBTi の
well-below 2℃水準に合わせて設定
⁴ 資源エネルギー庁「令和 3 年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書 2022)」
(https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2022/pdf/whitepaper2022_all.pdf)

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⁵ 国土交通省 2019 年社会資本整備審議会資料より
⁶ OECD Environmental Outlook to 2050: The Consequences of Inaction - Key Facts and Figures
(https://www.oecd.org/env/indicators-modelling-outlooks/oecdenvironmentaloutlookto2050theconsequencesofinaction-
keyfactsandfigures.htm)

United Nations Environment Programme, With resource use expected to double by 2050, better natural resource use
essential for a pollution-free planet (https://www.unep.org/news-and-stories/press-release/resource-use-expected-
double-2050-better-natural-resource-use)




About LIXIL
LIXIL は、世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいを実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、
お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。
ものづくりの伝統を礎に、INAX、GROHE、American Standard、TOSTEM をはじめとする数々の製品ブランドを通して、
世界をリードする技術やイノベーションで、人びとのより良い暮らしに貢献しています。現在約 55,000 人の従業員を擁
し、世界 150 カ国以上で事業を展開する LIXIL は、生活者の視点に立った製品を提供することで、毎日世界で 10 億人以
上の人びとの暮らしを支えています。
株式会社 LIXIL(証券コード: 5938)は、2022 年 3 月期に 1 兆 4,286 億円の連結売上高を計上しています。
LIXIL グローバルサイト:https://www.lixil.com/jp/
LIXIL Facebook(グローバル向け) :https://ja-jp.facebook.com/lixilglobal/
LIXIL Facebook(日本国内向け):https://www.facebook.com/lixilcorporation




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