金属繊維(アモルファスワイヤ)の製造を開始

News Release
2016年5月26日
愛知製鋼株式会社


金属繊維(アモルファスワイヤ)の製造を開始
~素材からセンサまでの一貫生産・安定供給体制を構築~


愛知製鋼株式会社(本社:愛知県東海市、社長:藤岡高広、以下愛知製鋼)は、センサ事業の競争力強化
のための素材からセンサまでの一貫生産体制構築を目的に、同社 東浦工場(愛知県東浦町)内に
ユニチカ株式会社から昨年譲り受けた金属繊維(アモルファスワイヤ(*1))の製造設備の移管と工場建設
を完了させ、本日 5 月 26 日、当工場で竣工式を開催し、製造を開始した。

ユニチカ株式会社から移設された設備の中でも、特に、アモルファスワイヤ製造設備は、回転液中紡糸法
(*2)を原理とした世界で類を見ない設備である。移管にあたっては、設備の改善・増強、操業に関する技
術習得に取り組むと同時に、4S(シンプル・スリム・ショート・ストレート)を基本とした効率的で作業者
に優しい工場レイアウトとすることで、安全性・生産性を高めた。

この製造設備の移管により、愛知製鋼が開発・製造・販売を行っている超小型高性能磁気センサ“MI セ
ンサ(*3)”用のキー素材であるアモルファスワイヤの自社生産が可能となり、素材からセンサまでの一貫
生産・安定供給体制が構築できた。今後、MI センサの更なる高性能化、コスト競争力強化、新商品の開発
スピード向上を通じて、社会やお客様のニーズにタイムリーに貢献していく。

また今後、関連製品を含め、ユニチカ株式会社から引き継いだ生産品目の製造 拡販活動を行うとともに、

愛知製鋼の素材技術、電磁技術及びそれらのシナジー効果により、将来の新素材・新商品開発で新たな市場
開拓を図っていく。

(*1)アモルファスワイヤ : 非晶質(規則的な原子配列を持たない構造)の金属細線。
ワイヤ径は 20~100 ミクロン。
(*2)回転液中紡糸法 : 回転ドラム内で、遠心力によって形成した液体層に向けて加熱溶融された
金属を吹き出し、溶融金属が結晶化する前に液体層によって急冷固化させ
ることでアモルファスワイヤを得る方法。
(*3)MI センサ : MI (Magneto–impedance、磁気インピーダンス)効果を利用した超小型、超
高感度、超低消費電力、超高速応答の特徴を持つ磁気センサ。

工場および生産品の概要は以下のとおりである。

<工場および生産品の概要>

1.所在地 愛知県知多郡東浦町大字藤江字南栄町 1-12
2.工場面積 1600m2
3.生産品目 アモルファスワイヤ及びその関連製品
4.アモルファスワイヤ 製品名 特徴 関連製品 主な用途
の特徴およ 強度、耐食性、耐屈
補強材、静電気除去ブラシ、
び用途 ボルファ 曲性に優れた強度材 撚線加工品
ピンニングワイヤなど

トルクセンサ
軟磁気特性に優れた 磁性コア材、磁気センサ、
センシィ® 用素子、
磁性材料 トルクセンサなど
盗難防止タグ
5.生産能力 年間 4 万 km
以 上

お問い合わせ先・・・本社/ 総務部 広報室 TEL 052-603-9216
別紙

1.アモルファスワイヤ




写真1 アモルファスワイヤ製品 写真2 アモルファスワイヤの拡大写真
(センシィ®、ボルファ)



2.関連製品




写真3 盗難防止タグ 写真4 トルクセンサ用素子

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