Dyフリーボンド磁石「マグファイン」を用いたドローン用モータを共同開発

2019年5月29日
愛知製鋼株式会社
澤藤電機株式会社

®
Dyフリーボンド磁石「マグファイン 」を用いた
ドローン用モータを共同開発

愛知製鋼株式会社(本社:愛知県東海市、代表取締役社長:藤岡高広)と澤藤電機株式会社(本
社:群馬県太田市、代表取締役社長:吉 川 昭 彦 )は、愛知製鋼のDy(ジスプロシウム)フリー
ボンド磁石「マグファイン®」※1と澤藤電機の巻線技術を融合し、産業用ドローンに適した従来比
3割の軽量化を実現するモータを共同開発しました。澤藤電機よりドローンメーカー向けに供給を
開始し、量産化を図ります。

ドローンは、物流・農業分野などで深刻化する労働力不足への対策として期待されている一方、
積載量アップや飛行時間の長時間化などを実現するための軽量化が喫緊の課題となっています。
今回共同開発したモータは、下記の優れた特徴があり、ドローン性能の向上が期待されます。

① 磁石アッセンブリー※2技術によるモータ出力アップと軽量化設計
大口径かつ多極の磁石を、 それを覆うマグネシウム製ハウジングへ一体射出成形※3する新たな
磁石アッセンブリー技術を開発。さらに、マグファイン®の利点である高磁力、自由配置や、高
い寸法精度の確保などの組み合わせにより、従来比3割の軽量化に成功し、飛行時間の
延長に寄与

② 低振動化
磁石成形時の磁場の向きを最適化することで振動の原因となる回転時トルクの脈動を約2割
低減し、ドローン自身による安定した姿勢制御を実現

③アルミニウム電線による巻線
発電機などで高い実績のある巻線技術を活かし、アルミニウム電線のコイル巻線を実現
(通常は銅線によるコイル巻線が一般的)。安定した絶縁性能で長寿命な軽量モータを実現

今後も、複雑形状が要求されるモータへ用途拡大を図るため、原料となる磁粉の高性能化や、
一体射出成形および巻線技術の更なる開発を推進し、ドローン用途のみならず、様々な用途への
拡大を図っていきます。




直径 12cm
マグファイン® アルミニウム電線
開発モータ搭載のドローン
新たに開発した磁石アッセンブリー ドローン用モータ (左:ハイブリッドドローン、右:電動ドローン)
(株式会社石川エナジーリサーチ製)


※1 「マグファイン®」:重希土類である Dy(ジスプロシウム)不使用の Nd(ネオジム)系異方性磁石粉末に種々の
プラスチックを混ぜて成形した磁石。各種電動工具や自動車用シートモータなどに採用
※2 磁石アッセンブリー:磁石とハウジングの構成部品
※3 一体射出成形:2015年に確立した、樹脂を加熱し金型に充填して成形する革新的工法(詳細は「別紙」の2.参照)
以 上
お問い合わせ先:愛知製鋼株式会社 広報部企業広報グループ 052-603-9216
澤藤電機株式会社 総務人事部総務課 0276-56-7320
別紙
1. 開発モータと他社モータとの比較(愛知製鋼、澤藤電機)



開発モータ 他社モータ例


2.2 [kW]
最大出力 1.0 [kW]

783 [cm3]
体積 1,078 [cm3] ドローン1機あたり
3.3 [kg]の軽量化
6.3[kg] (1.05[kg]×6台分)
重量 9.6[kg] (1.60[kg]×6台分)


2.1 [kW/kg]
出力密度 0.6 [kW/kg]




2.一体射出成形技術による工程省略(愛知製鋼)

磁石製造工程 モータ製造工程

接着 着磁ヨーク

従 ハウジング



Nd焼結等
切削加工 組付接着 着磁 磁石アッセンブリー
接着設備 着磁電源,ヨーク,冷却設備


工程省略 モータ製造工程

体 N
射 ペレット投入

出 S

成 S
形 マグファイン
技 ペレット N
術 (磁石粉末と
樹脂の混合物)
汎用射出成形機 磁場成形金型 磁石アッセンブリー
ハウジング 一体射出成形 愛知製鋼独自技術





5899